ドイツ高級ブランドの「サウンド・コンテスト」開催
ドイツの高級オーディオ・ブランド「ブラックス」と「ヘリックス」の日本への輸入元である「クラスA」が主催するコンテスト「サウンド・コンテスト」が開催された。
■その名は「ブラックス」と「ヘリックス」
恒例となるこのコンテストは、今年で5回目を迎える。 「ブラックス」は、超高級パーツを惜しげもなく投入した高音質パワーアンプで話題になり、その後、高級スピーカーの開発にも乗り出して評判を取っているブランド。 「ヘリックス」は、ブラックスのディフュージョン・ブランドにあたり、トップパネルがアクリルで内部に美しい回路が見える薄型アンプで話題になり、最近では真空管とトランジスタのハイブリッドアンプが注目されている。
ともにオーディオテック・フィッシャー社の製品で、同社製品の開発ディレクターを務めるのが、社長でもあるハインツ・フィッシャー氏。このコンテストがユニークなのは、パワーアンプ、スピーカーの開発設計者であるフィッシャー氏自身が審査員を務めること。それぞれの製品の最高の音を知っている人がジャッジするわけだから、取り付け/調整をするカーオーディオ専門ショップのインストーラーにとって、優秀な成績を収めるのが最も困難で、挑戦しがいのあるコンテストとして知られている。
■開発者が軍配を上げた音はどれ?
コンテストの評判を証明するかのように、今年もエントリー枠いっぱいの24台が参加してサウンドを競い合った。 審査は3つのクラスに分けて行なわれ、スピーカーとパワーアンプともにブラックス製品を使用した「フル・ブラックス・クラス」ではEX CUBIC(東京)の「トヨタ・オーリス」、スピーカーのみがブラックスでパワーアンプとCDプレーヤーは自由に選べる「ブラックス・スピーカー・クラス」はPOCKET(石川)のメルセデス旧「Eクラス」、ヘリックスのスピーカーとパワーアンプを使用する「ヘリックス・クラス」はSOUND PROGRESS(千葉)の「トヨタ・ノア」が、それぞれ優勝した。
審査を担当したフィッシャー社長からは、近年の日本人インストーラーが作る音の向上ぶりには目を見張るものがあり、特に今年は成績が拮抗し、僅差での順位決定だったことが述べられた。 さらに、自然なサウンド・ステージの再現に関しては、コンテスト開始当初の5年前とは隔絶の感があるとの、参加者にとっては嬉しい評価が聞かれた。
(文=カーオーディオ・ジャーナリスト黛 健司)
フル・ブラックス・クラス優勝車
「トヨタ・オーリス」EX CUBIC(東京)
ブラックスの超高級スピーカーの先駆け「グラフィック・プロ」を同社のパワーアンプ「X2400.2」でドライブするシステム。Aピラーに巧妙に埋め込まれたトゥイーターが目を引く。アンプを載せるベース板にも音質への配慮が見られる。CDシステムはカロッツェリア。中低域の量感タップリな穏やかな音が印象的。
ブラックス・スピーカー・クラス優勝車
「メルセデス・ベンツE50AMG」POCKET(石川)
マトリクス・シリーズのドーム型3ウェイをイタリア製のステッグ・パワーアンプでドライブする。CDシステムはカロッツェリアXの組み合わせ。ドーム・トゥイーターとミッドレンジは近接配置とし、音像をシャープに定位させる試みが目を引く。強調感のない自然な高域で、ボーカルもツヤっぽく魅力的だった。
ヘリックス・クラス優勝車
「トヨタ・ノア」SOUND PROGRESS(千葉)
スピーカーはヘリックスRS806とS802の2ウェイ。真空管とトランジスタのハイブリッドアンプ、ヘリックスE40Espritを2台組み合わせた、いわゆるマルチアンプシステム。CD/DVDプレーヤーはカロッツェリアAVH-P900DVA。パワーアンプのキャラクターが前面に出た傾向のサウンド。
コンテストの参加車輌を講評するハインツ・フィッシャー社長(左)と輸入元クラスAの久家將司社長。
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