ダイハツ・ストーリア CL Limited(FF/4AT)【ブリーフテスト】
いまや“旧世代” 2003.08.09 試乗記 ……114.7万円 総合評価……★★ 2001年12月のマイナーチェンジで、“宇宙人顔”がフェイスリフトを受けたダイハツ「ストーリア」。快適&機能装備を奢った上級グレード「CL Limited」に、『webCG』記者が試乗した。旧世代
「ダイハツ・ストーリア」としてよりも「トヨタ・デュエット」としての販売台数が、文字通り“ケタ違い”に多い5ドアハッチ。トヨタのボトムレンジモデル「ヴィッツ」との差別化のためか、2001年12月、大きなグリルの“押し出し重視”フェイスが与えられ、初期の宇宙人顔にシンパシーを感じていたファンを嘆かせた。
“背高”系モデル全盛のなか、(相対的に)低いドライビングポジションが、なにやら懐かしい。大きなグラスエリアの恩恵もあり、実際の寸法以上に居住性は良好。一方、動力性能は、ガサつくエンジン、左右にゆらぐ足まわり、総じて余裕綽々とはいいかねる。同社軽規格モデル「ミラ」「ムーヴ」の抜群に高い完成度を見るに、ストーリア、いまや“旧世代”に属する感がある。
【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
「新1000ccスタイル」をテーマに1998年2月にデビュー。2000年5月には1.3リッターモデルが加わり、「トヨタ・デュエット」としてのOEM供給も始まった。2001年12月にマイナーチェンジを受け、大きなグリルがフロントの高い位置に装備されるようになり、顔つきがまったく変わった。エンジンは、1リッター直3(64ps、9.6kgm)、1.3リッター直4(90ps、12.6kgm)、そのハイチューン版(110ps、12.8kgm)が用意され、それぞれ4段ATか5段MTが組み合わされる。FF(前輪駆動)のほか4WDあり。
2003年4月9日に、「CL Limited」の内装に手が入れられ、全車、ボディカラーに新色が加えられた。
(グレード概要)
ストーリアの1リッターモデルは、「CL」「CL Limeted」の2種類。いずれにもFFと4WDが用意される。両者の違いは、リミテッドに「ABS」「リアワイパー」「運転席シートリフター」「キーレスエントリー」「全面UVカットガラス」「MD/CDプレイヤー付き2DINオーディオ」などが装備されること。シート地も異なる。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★
グレーの樹脂類と青灰色のトリムが支配する、いわゆる小型実用ハッチの室内。インパネ上面と、垂直面ほか一部で、「革状」「細かいドット」とシボを変えているが、車内生活に彩りを添えることには、いまひとつ成功していない。「パワーウィンドウ」「パワステ」「電動ドアミラー」「キーレスエントリー」と、必要な快適装備は一通り備わる。
テスト車には、オプションの「CDナビゲーションシステム」(9.0万円)が装着されていた。視線移動を抑えられるよう、ディスプレイはセンターコンソール上部に。5年前にデビューしたモデルながら、しっかりモダナイズされている。「小さな画面」「繊細な操作が要求されるボタン類」「DVDナビと比較すると少ない情報量」がフラストレーションを誘うが、もちろん実用的に使える。
(前席)……★★
スカットルが低く、ステアリングホイールが低い位置にあるストーリア。ドライビングポジションが、ちょっとフランスの小型車っぽい。立ちぎみのAピラー、広いフロントスクリーンゆえ、実際の物理スペース以上に広く感じる。小ぶりなシートも、そう感じさせる要因のひとつか。運転席側にのみ、クッションサイドに座面角度調整用ダイヤルが備わる。2003年4月のマイチェンで、シート表皮およびトリム類がリニューアルされたが、「質感」「座り心地」とも値段相応。
センターコンソール下部に2人分のカップホルダーあり。その下に1DIN相当のモノ入れスペースがあるが、使い勝手は悪い。左右席間やインパネまわりに、財布などを置く、ちょっとしたトレイが欲しいところ。運転席バックレストの背面には、コンビニ袋などを吊すフックが備わる。
(後席)……★★
比較的高めの座面ながら、ヘッドクリアランスは確保される。膝前空間もほどほど。足先は前席下に差し込めるが、すぐにシート骨格部に甲が当たる。シートはごく簡素なつくりで、座面、背面ともクッションは最小限。走行中、荷室の荷物がバルクヘッドというか背もたれ背面に当たるたび、乗員の腰に衝撃が伝わる。ヘッドレストがないので、首の後ろがスースーするのも不満なところ。
6ライト(Cピラーにも窓がある)で明るいのが、後席乗員にとっての救いか。
(荷室)……★★
120cm前後の荷室幅、奥行き68cm、パーセルシェルフまでの高さは40cmと、飛び抜けて大きなラゲッジルームではないが、大きな開口部、バンパーとの段差の少なさ、と、普段の使い勝手はよさそう。
大きな荷物を運ぶときには、一体可倒式になった後席背もたれを倒すことができる。昨今のミニバン風コンパクトカーのように、フロアは平らにはならないが。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★
ダイハツ得意の3気筒リッターエンジン。ボア×ストローク=72.0×81.0mmというロングストローク型で、エンジン音はけっして静かではないが、それなりに必要十分な動力性能を提供する実用ユニット。4段ATと組み合わされる。フィーリング云々より、「カタログ燃費21.5km/リッター」「超-低排出ガス(☆☆☆)」といった数値の方が大事だろう。テスト車の参考燃費が「驚くほどイイ!」というほどでもなかったのは、エンジンをフルスケール回して長距離ドライブをこなすという、過酷な条件だったため。
(乗り心地+ハンドリング)……★★
以前テストした1.3リッターモデル「ツーリング」と比較すると、明らかに“街乗り”仕様。高速では突き上げが気になり、リアのスタビライザーを省いた足まわりは、ときに左右にゆらぐ。が、そうした“走り”志向のユーザーは、「ツーリング」を選ぶべきだ。CL Limited、街なかでは、ほどほど軽快に走り、惜しげない(?)乗り心地。実用ハッチとして不満はないが、趣味製を求めると、ちょっと寂しいかも。
(写真=高橋信宏)
【テストデータ】
報告者:webCG青木禎之
テスト日:2003年5月7日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2003年型
テスト車の走行距離:1203km
タイヤ:(前)145/80R13 75S(後)同じ(いずれもDunlop SP10)
オプション装備:CDナビゲーションシステム(II/2.0万円)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(3):高速道路(6):山岳路(1)
テスト距離:516.6km
使用燃料:44.2リッター
参考燃費:11.7km/リッター

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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