旧車レース「JCCAクラシックカーフェスティバル 筑波ミーティングサマー」出場車
2015.07.10 画像・写真2015年7月5日、茨城県下妻市の筑波サーキットで、JCCA(日本クラシックカー協会)が主催する恒例の旧車レース「JCCAクラシックカーフェスティバル 筑波ミーティングサマー」が開かれた。
今回は中心となる1960~70年代のスポーツカーとツーリングカーによるレース、すでに定番となった感がある葉巻型シングルシーターによるヒストリックフォーミュラに加え、70年代に全盛だった、軽自動車のエンジンを使用した、日本独自のシングルシーターのカテゴリーであるFJ360/FL550によるFL(フォーミュラ・リブレ)レースを初開催。かつて筑波は、西の鈴鹿と並ぶ東のFLの中心地だったとあって、「FLが筑波サーキットに帰ってきた!」をキャッチフレーズに掲げて行われたレースには、初回ながら19台のマシンがエントリー(出走は16台)した。
あいにく朝から雨が降ったりやんだりで、ウエットとセミウエットの間をいったりきたりというむずかしいコンディションのなか、大きなアクシデントもなく無事に全プログラムを消化した会場から、出走マシンを中心に紹介しよう。(文と写真=沼田 亨)

そぼ降る雨のなか、午前8時の予選開始を待つパドックの風景。
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そぼ降る雨のなか、午前8時の予選開始を待つパドックの風景。
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10台が出走した、サスペンションの改造のみが許されたP68/75レース(1968年前後のモデルによるP68レースと1970~75年のP75レースの混走)における、1974年「ロータス・ヨーロッパSP」と70年「ポルシェ914/6」のバトル。初期の量産ミドシップ車同士の対決だが、結果はヨーロッパが3位、914/6が4位。
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同じくP68/75レースを走る、型式名SR311こと1969年「ダットサン・フェアレディ2000」と66年「ホンダS800」。
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P68/75レースでポール・トゥ・フィニッシュを果たした1968年「ポルシェ911S」。後ろは予選2位から911を追いかけたが、逆転ならず2位となった72年「フェアレディ240Z-G」。
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12台が参加した、サスペンションに加えエンジンの改造も許されたS68/75レース(1968年前後のモデルによるS68レースと1970~75年のS75レースの混走)の予選を走る1970年「いすゞ・ベレット1600GTR」と69年「アルファ・ロメオ1300GTジュニア」。ベレットは予選4位だったが決勝には出走できず、アルファは予選3位から3位入賞。
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S68/75レースを走る、往年の欧州のツーリングカーレースにおけるライバル同士だった1973年「BMW 2002」と71年「アルファ・ロメオ2000GTV」。
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S68/75レースでトップを争う1970年「フェアレディZ432」と75年「ポルシェ911カレラ3.0」。結果はZ432が途中でコースアウトしてリタイヤ、911カレラが優勝。
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S68/75レースはトップ争いをしていた「フェアレディZ432」のコースアウトにより赤旗中断、レースは2ヒート制となった。2回目のスタートでジャンプアップに成功した1969年「ダットサン・ブルーバード(510)」が、「911カレラ」に次ぐ2位に入った。
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1970年までに生産された車両および特認車両のフルチューニングカーによるFレース。ツイスティーな筑波では不利となる大柄なマシンが参加せず、出走は6台にとどまった。優勝は往年のトヨタワークスのカラーリングをまとった1973年「スピードマスターFFDビルズセリカ」。セミウエットコンディションながら、ベストタイムはこの日のファステストラップとなる1分3秒919だった。
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Fレースにおける、型式名KB110こと2代目「ダットサン・サニー1200クーペGX」同士のデッドヒート。結果は前をいく「BigBen・FMRサニー」が3位、後ろの「光配管興業サニー」は6位。
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この日最も強い雨が降るなか、水煙を上げながらスタートするヒストリックフォーミュラ。スポイラーなどのエアロパーツを持たない、葉巻型のシングルシーターによるレースで、F3/FJによるクラス1、Fフォードによるクラス2、F2によるクラス3の3クラス混走。17台が出走した。
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ヒストリックフォーミュラで、サイド・バイ・サイドで争うクラス2のマシン。アウト側の1969年「タイタンMk4」は4位、イン側の70年「マーリンMk17」は5位入賞。
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ヒストリックフォーミュラでポール・トゥ・フィニッシュをキメた、クラス3の1968年「ロータス41C」。ちなみに2位と3位はクラス2の「ロータス51A」で、ロータスが表彰台を独占した。
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13台が出走したS65レース(1965年までに生産されたモデルとその同型車のチューニングカーによるレース)の予選を走る、2台の通称ヨタハチこと「トヨタ・スポーツ800」。イン側は1960年代後半の耐久レースで活躍したワークスマシン、アウト側は早世したレーシングドライバー浮谷東次郎が駆ったワークスマシンに倣ったカラーリングが施されている。
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S65レースに初参戦した1963年「トヨタ・パブリカ」。700cc時代の初代パブリカ、しかも珍しいスタンダード仕様である。初陣ながら、これをベースに生まれた2台のヨタハチを上回る総合8位、クラス1の2位となった。
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ホンダF1の第1期のマシンである、1966~67年シーズン用の「RA273」に倣ったカラーリングがイカす65年「ホンダS600」。S65レースで総合7位、クラス1で優勝した。
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15周で争われたS65レースで、2位に10秒以上の差をつけて総合優勝した1963年「ロータス・コルチナMk1」。後ろは3位に入った65年「トライアンフTR4A」。
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4代目「ダットサン・サニー」(型式名B310)と2代目「トヨタ・スターレット」(KP61)による、かつてのマイナーツーリングレースの再現ともいえるTSカップのスタートシーン。出走はB310が15台、KP61が2台の計17台。
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予選では3位に食い込んだが、決勝では7位に終わった「ビルズ★ウチダTSしかスターレット」。本来1.3リッターの4K型エンジンは1430ccまでスケールアップされている。
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予選2位からスタートと同時にトップに立ち、一度もその座を譲ることなくTSカップを制した「GOLDEN CRUISERサニー」。ウエットコンディションのレースで、ベストラップは1分10秒999(ファステストラップは2位のB310が出した1分10秒834)だった。
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この日の目玉となる、1979年までのFJ360とFL550によるFLレースのスタートシーン。出走16台のうち13台を占める、スズキ製水冷2ストローク3気筒エンジン搭載車(残り3台はホンダ製空冷4ストローク2気筒エンジン)の吐き出す白煙で、メインストレートの後半がかすんでいる。
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出走マシン中、最も古い1969年「アウグスタMk2」。497ccにスケールアップした「ホンダN360」用空冷4ストローク2気筒を搭載。
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360cc時代の「スズキ・フロンテ」用水冷2ストローク3気筒エンジンを搭載した1978年「ハヤシ712」。総合4位、360cc未満のFJ360/FL-Bによるクラス1で優勝した。
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初代「スズキ・セルボ」用の水冷2ストローク3気筒539ccエンジンを積んだ1978年「ハヤシ712」と497ccにスケールアップした「ホンダN360」用空冷4ストローク2気筒エンジンを搭載した76年「トダRS III」のバトル。ハヤシは3位、トダは6位でフィニッシュした。
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12周で戦われたFLレースで、2位に46秒弱の差をつけ、4位以下を周回遅れにするという、まさにブッちぎりの速さでポール・トゥ・フィニッシュを果たした1978年「マキシムA02」。初代「スズキ・セルボ」用539ccエンジンを搭載。