レトロモビル特別展「グループB ラリーの女王たち」出展車
2017.02.16 画像・写真かつて、世界ラリー選手権(WRC)に存在し、戦いの激しさで知られたカテゴリー「グループB」。その事実上の消滅から30年が経過した。それを記念して、2017年2月7日から12日にかけてパリで開催されたヒストリックカーショー「レトロモビル」では、特別展「Group B – Les reines du rallye(グループB ラリーの女王たち)」が催された。
グループBは、それ以前の「グループ4」および「グループ5」に代わるものとして、1982年にスタートした。「年間200台以上生産された車両をベースとする」という、従来より敷居が低い初期レギュレーションは、多くのメーカーの参加を促すことになった。
このカテゴリーは、ハンヌ・ミッコラ、アリ・バタネンといったスタードライバーを生み、彼らが駆った「アウディ・クワトロ」や「プジョー205GTIターボ16」などの車両は、ベースとされた市販車のイメージアップに大きく貢献した。
しかし大事故の続出によって、グループBカテゴリーは事実上、1986年で幕を閉じた。自動車史の中では、わずか5年間という火花のような極めて短い期間であった。しかし、見る者を大いに熱くしたという点では、モータースポーツ史における大輪の花火であったといえる。
(文=大矢アキオ<Akio Lorenzo OYA>/写真=大矢アキオ<Akio Lorenzo OYA>、大矢麻里<Mari OYA>)
-
1/21レトロモビルの特別展「Group B – Les reines du rallye(グループB ラリーの女王たち)」会場。手前は「プジョー205ターボ16 EVO2」。1986年の1000湖ラリーでJ.カンクネン/J.ピロネン組が駆り、2位となった。
-
2/21「アウディ・クワトロS1」(レプリカ)。同モデルは、1985年のアルゼンチンラリーでデビュー。ハンヌ・ミッコラをはじめ数々の名パイロットを表彰台へと導いた。
-
3/21「シトロエンBX 4TC」。1985年に参戦。メーカーのスポーツ部門とカロスリ・ユリエーズとの共同作業で開発された。20台製作されたうち現存するのは、この車両を含めて5台。
-
4/21「シトロエンBX 4TC」。1985年に参戦。メーカーのスポーツ部門とカロスリ・ユリエーズとの共同作業で開発された。20台製作されたうち現存するのは、この車両を含めて5台。
-
5/21「シトロエン・ヴィザ ミルピスト」。大衆車ヴィザにおける同名の4WD版をベースとしたグループBマシンで、1984年から参戦した。
-
6/21「プジョー205ターボ16 EVO2」。展示車両は、19台製造されたうちの16番目にあたるマシン。1986年1000湖ラリーでJ.カンクネン/J.ピロネン組が駆り、2位の座を獲得した。
-
7/21レトロモビル特別展「Group B – Les reines du rallye(グループB ラリーの女王たち)」の、会場エントランス。
-
8/21「プジョー205ターボ16 EVO2 サファリ」。1986年のツール・ド・コルスではミシェル・ムートンが駆った。ミドシップされるエンジンの最高出力は560psに達するが、車重はわずか910kg。
-
9/21「プジョー205ターボ16 EVO2 サファリ」。1986年のツール・ド・コルスではミシェル・ムートンが駆った。ミドシップされるエンジンの最高出力は560psに達するが、車重はわずか910kg。
-
10/21「ランチア・デルタS4」。各地のラリーで輝かしい戦績を残し、ランチアの黄金時代を築いた。だが、1987年のツール・ド・コルスで起こったクラッシュ事故は、グループB時代の幕引きへとつながる、ひとつの要因となった。
-
11/21ミドシップ後輪駆動車の「ランチア・ラリー037」。1982年のツール・ド・コルスでデビュー。翌1983年にランチアをコンストラクターズチャンピオンに導いた。
-
12/21ミドシップ後輪駆動車の「ランチア・ラリー037」。1982年のツール・ド・コルスでデビュー。翌1983年にランチアをコンストラクターズチャンピオンに導いた。
-
13/211984年から1986年にかけて作られた「フォードRS200」。フォード・コスワースの1.8リッターエンジン(最高出力は350psもしくは450ps)をミドシップする四輪駆動車で、1986年のスウェーデンラリーにおける3位入賞が最高の戦績。
-
14/21「オースティン・メトロ6R4」。1984年に、当時のオースティン・ローバー/MGによって、グループBのために開発された。初参加は1985年のRACラリー。ミドシップされる3リッターエンジンの最高出力は410psに達した。
-
15/21「ルノー5 マキシ ターボ」。1985年ツール・ド・コルスで、ジャン・ラニョッティ/ピエール・ティモニエ組のドライブでデビューを果たした。1986年の同ラリーでは2位に入賞した。
-
16/21「ルノー5 マキシ ターボ」。1985年ツール・ド・コルスで、ジャン・ラニョッティ/ピエール・ティモニエ組のドライブでデビューを果たした。1986年の同ラリーでは2位に入賞した。
-
17/21「オペル・マンタ400」。フロントエンジン、リアドライブで、最高の戦績は1984年サファリラリーの2位。
-
18/213代目の「日産シルビア」をベースとした「240RS」。ランキングの最高位は、デビュー年である1983年のニュージーランドラリーにおける2位。
-
19/213代目の「日産シルビア」をベースとした「240RS」。ランキングの最高位は、デビュー年である1983年のニュージーランドラリーにおける2位。
-
20/21「マツダRX-7グループBラリーカー」。当時ベルギーを本拠としていたマツダ・ラリーチーム・ヨーロッパが製作し、1984年にホモロゲーションを獲得した。最高の戦績は、1985年アクロポリスラリーの3位。
-
21/21「フェラーリ308GTBミケロット グループB」。プライベートレース用フェラーリの工房として有名なミケロットが、フランスのインポーターであるシャルル・ポッツィのため製作したのが始まりだった。計4台作られた。