旧車トレードショー「ノスタルジック2デイズ」の会場から
2017.02.21 画像・写真2017年2月18、19日の2日間、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜で、『ノスタルジックヒーロー』など旧車専門誌のプロデュースによる恒例のイベント「ノスタルジック2デイズ」が開かれた。今回で9回目となるこのイベントのうたい文句は「日本最大級の旧車トレードショー」で、実車をはじめパーツやオートモビリア(クルマ趣味の小物)などのショップによる展示即売を中心に、メーカーの所蔵車両や誌面を飾った車両の特別展示、ゲストによるトークショーやライブが脇を固める。今回は特別展示車両として、「トヨタ2000GTオープン」「日産スカイライン2000GT-Rレーシングコンセプト」「プリンス・スカイラインGTレーシング」といったメーカーの所蔵車両などが並べられた。会場を訪れて驚いたのは、並べられた販売車両の相場がどんどん上がっていること。数年前から上昇傾向が続いているのは認識していたのだが、今回はついにここまできたかという印象を受けた。そんな会場から、リポーターが着目した展示車両を紹介しよう。(文と写真=沼田 亨)
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1/28特別展示車両の一台である、トヨタ博物館所蔵の「トヨタ2000GTオープン ボンドカー」。
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2/28独自のラダーフレームシャシーに3リッター直6のトヨタ2JZ-GEエンジンを搭載、ボディーパーツはすべて新規製作というロッキーオートの「ロッキー3000GT」。言うまでもなく「トヨタ2000GT」のレプリカだが、新たにオープン仕様が加わった。価格は2000GTの新車価格(238万円)の10倍の2380万円で、後方に見えるクーペも同じ。
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3/28ロータリーエンジンのスペシャリストであるガレージスターフィールドが出展していた、フルレストア済みの「マツダ・ルーチェ ロータリークーペ」。マツダのロータリーエンジンのなかで、唯一ローター径の異なる13A型エンジン(655cc×2)を積んだ、ロータリー搭載車で唯一となる(同時にマツダ車初となる)FF車。価格は880万円。
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4/28ローダウンされているが、「京4」のシングルナンバー付きで、おおむね新車時の塗装を維持しているという未再生の1970年「日産グロリア バン デラックス」。ヴィンテージ宮田自動車の出展で、価格は250万円。
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5/281965年「プリンス・スカイウェイ」。2代目「スカイライン」(S50)をベースとした4ナンバーの商用バン。ちなみに1966年にマイナーチェンジを受けた際に「スカイライン バン」に改称されている。クラシックカーナゴヤの出展で、価格は250万円。
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6/28主として日産/プリンス旧車用パーツを扱うバラクーダが出展していた1974年「日産セドリック ワゴン」。型式名230こと3代目セドリックのワゴンだが、商用バン改ワゴンではなく、希少なメーカー純正ワゴン。185万円という価格は新車価格(106万円)より高価だが、会場内では割安に感じられた。
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7/28先日、ハイパフォーマンスタイヤの名作「ADVAN HF Type D」を復刻販売することを発表した横浜ゴムもブースを出展。今秋にまず195/70R14が発売予定だが、そのほかの希望サイズや価格などに関するアンケートを会場で実施していた。
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8/28特別展示車両の一台である「日産スカイライン ハードトップ2000GT-Rレーシングコンセプト」。通称ケンメリこと4代目C110系スカイラインは、レースとは無縁のモデルだったが、これはデビューした1972年の東京モーターショーに参考出品されたモデル。現在は日産の座間記念庫で動態保存されている。
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9/28通称ハコスカこと3代目C10系「スカイライン」の専門店であるビクトリー50が出展した、2台の「ハードトップ2000GT-R」(KPGC10)のレーシング仕様。1972年の富士300キロスピードレースで、GT-Rの通算50勝目を挙げた高橋国光(手前)と、同レースで2位に入った久保田洋史(奥)のマシンのレプリカである。2台は2017年3月12日に開かれる富士スピードウェイ50周年記念イベントに、高橋、久保田両氏のドライブにより出走予定とのこと。
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10/28ロッキーオートがフルレストアした「日産スカイライン ハードトップ2000GT-R」(KPGC10)。純正スチールホイールに「ブリヂストン・スーパースピードII」(バイアスタイヤ)を履かせるという、徹底してオリジナルに忠実な仕様で、価格は2580万円。
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11/28「スカイライン2000GT-R」と同じ2リッター直6 DOHC 24バルブのS20型エンジンを積んだ「日産フェアレディZ432」。RSスタートの出展で、価格応談。
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12/28ユーティリタスが出展していた、2台の通称ニューマン・スカイラインこと6代目「日産スカイライン」(R30系)。左は1982年「ハードトップ2000GT-ESターボ」で333万円、右の83年「2000RSターボ」は278万円。
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13/28通称7th(セブンス)こと7代目「日産スカイライン」(R31系)の専門店である、その名もR31ハウスが出展していた1987年「スポーツクーペGTS-R」。ノスタルジック2デイズ特別価格で500万円。
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14/28このイベントではおなじみの、2代目「日産レパード」(F31)の専門店であるカーショップフレンドのブース。TVドラマ『あぶない刑事』の劇用車と同じシャンパンゴールドに塗られた「アルティマ」(左から2台目)は、3リッターV6 DOHCのVG30DEを積んだ前期型の最高級グレードである。価格はご覧のとおり755万円。
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15/28内外装ともにノーマル状態が保たれ、程度もすばらしい1970年「三菱コルト ギャラン ハードトップAIIGS」。童友社製1/24プラモデルのパッケージ写真に登場している個体だそうで、個人的には会場内で一番気に入った。オートサークルの出展で、価格は260万円。
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16/28これも内外装ともにオリジナル状態が保たれた1971年「スバルR-2 SS」。後から“SS仕様”に改造されたものではなく、希少なホンモノのSSである。それゆえ価格は170万円となかなか立派。オートサークルの出展。
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17/281967年「トヨタ・カローラ1100デラックス」。非常に珍しいダイアナオリーブという色名の塗装、アイボリーの内装も含め、ほぼ未再生という初代カローラの初期型。フルハートの出展で、価格は75万円。
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18/281969年「トヨタ・パブリカ1100SL」。これも珍しい2代目パブリカの、ツインキャブエンジンを積んだ高性能グレードの初期型。クラシックカーナゴヤの出展で、価格は220万円。
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19/281979年「いすゞ117クーペXC-J」。俗に量産角目と呼ばれる後期117クーペの、2リッターエンジンを積んだスターシリーズのモデル。「ポンティアック・ファイアーバード」のようなボンネットのデカールをいぶかしむ向きもあるだろうが、これが本来の姿(メーカー純正)なのだ。いすゞスポーツの出展で、価格応談。
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20/282.2リッター時代のナローである1971年「ポルシェ911T」。オールドボーイの出展で、価格は1100万円。同じ出展者の1989年「911ターボ ルーフ仕様」は1350万円だった。
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21/28サスペンションメーカーのTEIN(テイン)が展示していた「フォード・エスコートRS1800」。フォード・オーストラリアのワークスカーで、1980年のサザンクロスラリーでアリ・バタネンがドライブ、3位に入った戦績を持つ個体という。これを見て、型式名KB110こと2代目「サニー クーペ」と思った入場者もいたに違いない。
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22/28一般公募から選ばれた10台の車両が1台ずつ会場内を走行、オーナーがインタビューを受けた後に展示された。そのなかの一台である1966年「ホンダT360」。
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23/28「ホンダT360」の荷台に積まれていた、2台の「ホンダ・モンキー」。手前は1964年に登場した最初の市販型(輸出専用)である「CZ100」、奥は1967年に国内販売が開始された「Z50M」。
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24/281967年「コニー360ライトバン」。日産の子会社であるエンジンやトランスミッションのメーカー・愛知機械工業がかつて生産していた軽商用車。愛知機械工業の社内クラブであるコニー復元クラブがレストアした個体。
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25/28特別展示された1976年「マツダ・サバンナGT」レーシング仕様。昨年亡くなった、マツダのエースだった名ドライバー・片山義美が駆ったワークスマシンのレプリカである。
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26/28「サバンナGT」の脇には、スズキのGPライダー、そしてマツダのドライバーとして活躍した片山義美のメモリアルコーナーが設けられ、写真や着用していたレーシングスーツが飾られていた。
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27/28「日産チェリー」のエキスパートである竹口自動車のブースでは、大量の旧車用ワイパーアームが並べられていた。某所でまとめて発掘された、当時の社外品のデッドストックというが、なかには「ホンダS500」用なんてレアなものも。それを1本500円均一という良心的な価格で販売するところが、竹口社長のお人柄。
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28/28恒例のステージでのライブに、ついにホンモノの(往年の)アイドルが登場。1975年にデビューした双子姉妹デュオの「ザ・リリーズ」である。「デビューは14歳、今は2人合わせて112歳!」と自己紹介しつつ、代表曲の「好きよキャプテン」などを熱唱。昔からスレンダーなボディーだったが、五十路(いそじ)過ぎて、しかも2人そろってこの細さは驚き。