「ゴルフGTI」が大集合! 「GTIミーティング」の会場から
2013.07.08 画像・写真2013年5月上旬にオーストリア・クラーゲンフルトのヴェルーターゼー湖畔で行われた「GTIミーティング」は、今年でもう32回の開催を数える。
初めは「フォルクスワーゲン・ゴルフGTI」のオーナーたちが集まっていたが、徐々に規模を拡大し続け、その数いまや数千台で来場者は20万人以上! すれ違う参加車は歴代「GTI」「ゴルフ」「ポロ」などとその派生車、またはアウディ、シュコダとセアトなどフォルクスワーゲングループのクルマがほとんどだ。参加者の喫煙者率とタトゥー率がとても高いといえば、どんな雰囲気のイベントなのかイメージしやすいだろう。アウディとセアトとシュコダ、それにドゥカティも、フォルクスワーゲンと同等以上の規模の展示を行っていた。
午後になると、道端や駐車場では上半身裸になってビールをあおる酔っぱらいも増えてきて、屋外コンサートやサッカースタジアムなどと同じような雰囲気に。初夏のヨーロッパを彩る、カジュアルな雰囲気のイベントだった。(文と写真=金子浩久)

イベント会場のゲートのすぐ近くに設営されているフォルクスワーゲンのブース。もちろん、発表されたばかりの「ゴルフGTI」が目玉だ。
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イベント会場のゲートのすぐ近くに設営されているフォルクスワーゲンのブース。もちろん、発表されたばかりの「ゴルフGTI」が目玉だ。
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ブースのステージにたかれたスモークの中から走り出てきたのはコンセプトカー「デザイン・ビジョンGTI」。フォルクスワーゲングループのデザイン部長クラウス・ビショフ氏が「GTIの可能性を追求したデザイン」と紹介。
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コンセプトカーだからトレッドと車幅を広げているが、7代目「ゴルフGTI」のデザインキャラクターである、グリル幅いっぱいに伸びた赤いラインと、バンパーの左右端のフィンもちゃんと織り込まれている。
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503psで300km/h! 7代目「GTI」の太く力強いCピラーのイメージを、このコンセプトカーを通じて訴求したかったのだろう。
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会場にはフェルディナント・ピエヒ(フォルクスワーゲン監査役会会長。写真前列、左から3人目)夫妻の姿も。その右隣がフォルクスワーゲンのマルティン・ヴィンターコーンCEO。ポルシェの元副社長ハンス・リーデル氏の姿も見える(後列、右から2人目。青いジャケットを着た人物)。白いポロシャツ姿の男性(前列、一番左)はイベントの責任者。
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イベントが行われたのはヴェルターゼー湖畔の小さな街ライフニッツ。湖畔道路は渋滞するので、湖上を行くタクシーボートにて会場入り。
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初代「GTI」をかたどった岩(に見える?)のオブジェ。
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「フォルクスワーゲン・タイプ2」(バン)を改造したトレーラー。ベックスビールの配達に実際に使われていたのか、宣伝用なのか? ベックスはキレとコクのあるドイツのビールで、僕も好きです。最近では日本のスーパーでも売っています。
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普段は静かで穏やかに違いないライフニッツの街も混雑してきて、あちこちに食べ物やグッズ販売の露店も立ち並ぶ。ヴルストという太いソーセージを肴(さかな)にビールジョッキを傾けてご機嫌な人々も。
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前後フェンダーを大きく膨らませた黒い改造「コラード」を見付けたファンがカメラを向けると、ドライバーはそれに応えて満面の得意顔。助手席の女性もカメラ目線。
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初代「GTIカブリオ」!? 「GTI」の屋根を切ったのか、「ゴルフ カブリオ」にGTIのエンブレムを貼り付けたのか? おそらく後者だろう。でも、エンジンヘッドを付け替え、メッキしている力作。
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シブいカッパーブラウンメタリックの初代「GTI」。ホイールとタイヤも当時のものより大幅にサイズアップしている。クラシックな趣のルーフラックもクルマとマッチしていい雰囲気。傍らの女性も同年代!?
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初代「ゴルフ」にタクシー仕様が存在していたかどうかわからないが、ボディーをドイツのタクシー色のベージュに塗り、ルーフに黄色いTAXI行灯(あんどん)を載せている。
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イベントではやっていた改造新傾向・その1。サビを落とすのでなくボディーいっぱいに、均一に広げている。ちなみに、ボンネットのクロスはドイツ伝統のマークだそうで、現代のドイツ軍も用いている。
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露店のTシャツショップ。もちろん“インディーズ”系。「ゴルフGTI」をたたえる一方で、勝手にオペルを仮想敵視してちゃかすイラストばかりなのが面白い。
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Tバックパンティー8ユーロなり! もちろん、インディーズ系アパレル製。ほかにポルシェやアウディもありました。
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こちらはステッカーショップ。この中から絵柄を選んで、色を指定してプリントアウトしてもらう。1枚1ユーロ。
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カフェでは「GTIスムージー」なる飲み物も供されていた。どんな味なのだろう?
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はやっていた改造新傾向・その2。クルマを半分に切って、それをトレーラーにしている。切り口の処理やトレーラーヒッチの取り付け部分なども精妙に加工されていた。トレーラーの内部は強力アンプと大型スピーカー。
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はやっていた改造新傾向・その3。小さなステッカー、それもアニメや各種キャラクターものを、重なるようにビッシリと貼っているクルマが見られた。実は、このステッカーは1枚のシートになっている。この「ゴルフ」の場合はボンネットやルーフなどに貼っていた。
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日本でも最近多く見かけるつや消し塗装。初代「ゴルフ」のようなカクカクしたカタチではなく、線や面がこのようにラウンドしたクルマの方が不気味さが増して、いい感じだ。このクルマも、タイヤとフェンダーの間に指が1本も入らない。
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ライフニッツはごく普通の街なので、街の外れには団地もある。そこの前に止まっていた、「カウンタック」風ドアに改造された「ゴルフ カブリオ」。
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公園の駐車場に止められていた一群のクルマたちは特に改造具合が過激で、このパープルの「ゴルフ カブリオ」もトランクを開けると内張りがモノトーンのヒョウ柄に。中央には大きなスピーカーが設置されていた。
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こちらの「ゴルフ カブリオ」も公園組で、トランクを開けると、中には仏様が鎮座なさっておりました。花咲き乱れるジオラマは、極楽浄土をイメージしたものなのでしょう!?
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こちらも改造新傾向・その1のサビサビボンネット。現代美術のオブジェのような新鮮味があった。
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一心不乱に初代「シロッコ」のボディーを磨き上げる男性2人。太いタイヤ以外は、ほぼオリジナルのようだった。
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「タイプ2」のバンを改造して、ルーフにソファを載せてある。尻をたたくポーズを示している男性は、このクルマになにか思い出したくない思い出でもあるのだろうか?
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ベスト・オブ・ザ・ミーティングを授けたかった「ゴルフ ピックアップ」。水色とオレンジのガルフカラーに新鮮味こそないが、あえてピックアップを選んで、カーゴ内やツールボックスなどにも抜かりなくセンスよく配色している。
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「セアト・レオン」を「カウンタック」のようなドアに改造。ドアだけでなく、バンパー両脇へのLEDライト埋め込みなど、芸が細かく、仕上げが丁寧だった。
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この「アウディA6」にも改造新傾向・その3が。小さなステッカーがビッシリ貼ってあるように見えるが、これはそういう絵柄のシートだ。茶色基調で、不思議とシックに見える。