モンスターマシンが爆走! 「スーパーアメリカンフェスティバル2013」
2013.07.30 画像・写真2013年7月28日、富士スピードウェイで「スーパーアメリカンフェスティバル2013」が開かれた。これは1992年の初回から数えて今回で21回目の開催となる、アメリカンテイストなクルマ&バイクの祭典である。20回目の節目を迎えた昨年の時点では、ここらでひと休みして充電という話だったが、「やっぱり夏はアメフェスがなきゃ!」というエントラントやファンの声に押されて、継続開催する運びとなったのだそうだ。プログラムは初回以来の伝統である日本最大級のドラッグレースを中心に、カーショー、そしてR&Rグループ「クールス」のライブなどである。それらの定番に加え、今回は新たな試みとして、「日産フェアレディ」のワンメイククラブであるDSCC(ダットサン・スポーツカー・クラブ・オブ・ジャパン)による「オール・ジャパン・フェアレディ・ミーティング」も併催された。もともと北米輸出が主体の、アメリカ濃度が高いモデルだから、ということなのだろう。そんな会場から、リポーターの印象に残ったマシンとシーンを紹介しよう。(文と写真=沼田 亨)
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俗にクリスマスツリーと呼ばれるドラッグレース専用のタイミングシステム(画面右)のグリーンライトが点灯、1962年「シボレー・シェベル」と70年代の「シボレー・カマロ」がスタートした瞬間。
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俗にクリスマスツリーと呼ばれるドラッグレース専用のタイミングシステム(画面右)のグリーンライトが点灯、1962年「シボレー・シェベル」と70年代の「シボレー・カマロ」がスタートした瞬間。
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フォードV8を積んだイタリアン-アメリカン・スーパースポーツである「デ・トマゾ・パンテーラ」。奥は「シボレー・コルベット」(C4)。
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C5(5代目、手前)とC4(4代目)の、「シボレー・コルベット」同士の対決。
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こちらは初代(手前)と2代目の「シボレー・カマロ」対決。
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ごく平凡なコンパクトカーだった「シボレー・シェビーIIノーバ」と、型式名S30こと初代「日産フェアレディZ」の日米対決。
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1936年「フォード・ロードスター」と21世紀に入ってから復活した「ダッジ・チャージャー」。およそ70年の時を隔てた2台が勝負できるのは、ドラッグレースならでは。
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SA22Cこと初代「マツダ・サバンナRX-7」と2代目「トヨタ・アリスト」の日本車対決。RX-7は「ユーノス・コスモ」用の20B型3ローター・ロータリーエンジンをチューンして積んでいた。
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フレイム(炎)模様が描かれ、とても美しく仕上げられた「フォルクスワーゲン・タイプ3」のファストバック。
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「プロストックカー」と呼ばれるカテゴリーに属するドラッグマシン。見た目は通称ハコスカこと3代目「日産スカイライン」風だが、中身はパイプフレームを持つまったくのスペシャル。マスクはエアブラシで描かれている。
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「日産180SX」(北米向けの「240SX」と言うべきか?)風のこれも、プロストックカーである。
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グリップを高めるべく、スタート前にタイヤを空転させて熱を入れるバーンナウトを行っている「ダッジ・バイパー」。ドラッグレースには付きものの光景である。
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テールに強烈なグリップによるフロントの浮き上がりを抑えるウイリーバーを備えた、「プロストックバイク」と呼ばれるドラッグバイクもバーンナウト。
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スズキやカワサキの空冷4気筒エンジンが主流という、プロストックバイクの対決。
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レース以外では自走不可能な上位カテゴリーのマシンは、こうしてコースまでけん引されていく。走り終えた後も、もちろん同じである。これはドラッグスターのシャシーに、市販車をデフォルメしたボディーを、まるでプラモデルのようにかぶせた「ファニーカー」。
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ファニーカーのドライバーは何かトラブルが起きても、自力では脱出できない。腕もさることながら、よほど度胸が据わってないと乗れないだろう。
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「トップアルコール・ファニーカー」の対決。姿はファニーでも、中身はアルコール燃料を使用して3000ps以上を発生するスーパーチャージドV8ユニットを積んだ怪物マシン。テールにはウイリーバーに加えて、ゴール後の減速用パラシュートも備わる。
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ドラッグレースの最高峰に位置する「トップフューエル・ドラッグスター」は、このマシンを含め2台が走った。スーパーチャージャーを備えた8.2リッターのV8エンジンは燃料にニトロメタンを使用、本場のレースではなんと8000psを絞り出し、1/4マイル(約400m)を4秒台で走り、到達スピードは500km/hオーバーという。
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疾走する「トップフューエル・ドラッグスター」。エキゾーストノートはすさまじく、近くで見るなら耳栓が必須。
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メインコースでは、ドラッグレースの合間に女性ライダーによる「ハーレー・ダビッドソン」のパレードも行われた。
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レディースのハーレーに続いて、かげろうゆれるメインストレートを行くのは、初の試みとなる「スーパーカー・パレード」。派手なクルマつながりということか?
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グランドスタンド裏の広場では、恒例のカーショーを実施。
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美しく仕上げられた、ストリートロッド仕様の1940年「フォード・2ドアセダン」。
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昨年のカーショーで「KING of SAF」、つまり大賞を受賞した1959年「ビュイック・エレクトラ225」。各地のイベントでもおなじみのクルマである。
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空冷フラット6をリアに積むという、アメリカ車としては異例の設計となるコンパクトカーの「シボレー・コルベア・モンザ・クーペ」。
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インターミディエート(中間サイズ)の「シボレー・シェベル」をベースにしたピックアップである1970年「シボレー・エルカミーノ」。この個体は最強グレードの「SS396」である。
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「メルセデス・ベンツSLクラス」に対抗する高級オープン2座だった、1989年「キャデラック・アランテ」。デトロイトからトリノのピニンファリーナにプラットフォームを空輸し、そこでボディーを架装した後、再度デトロイトに空輸して完成させるという、「世界一長い製造ライン」を持つクルマとして話題を呼んだ。
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1950年代のアメリカ車風の、ちょっぴり怖いマスクを持つカスタム。ベースは初代「ホンダ・オデッセイ」のようだ。
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アメリカ車でもアメリカンな雰囲気でもないが、ショップのブースに展示され、異彩を放っていたモデル。「ロールス・ロイス・シルバークラウド」をベースにコーチビルダーが架装したシューティングブレーク、ではなくて寝台車(霊きゅう車)である。
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併催された「第6回DSCCオール・ジャパン・フェアレディ・ミーティング」には、数百台の歴代フェアレディが集まった。並んでいるのは型式名S130こと2代目「日産フェアレディZ」。
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「フェアレディZ」としては初めてV6を積み、1983年に登場した3代目のZ31。しかし、ボンネットに大きなエアスクープを備えたモデルは、途中で追加された直6ツインカムターボを積んだ「200ZR」。