ミュンヘンの「ドイツ博物館交通センター」を見学する
2013.11.25 画像・写真ドイツ・ミュンヘンにある「ドイツ博物館交通センター」の展示を写真で紹介する。(文と写真=金子浩久)
→関連記事:エディターから一言「ミュンヘンの『ドイツ博物館交通センター』を見学する」

ドイツ博物館交通センターを正面から見る。
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ドイツ博物館交通センターを正面から見る。
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説明によれば、1950年代にはここでモーターショーが開催されていたという。観客席を設けてオーケストラのコンサートまで開かれていたそうだ。
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ホール1に入ったところ。「都市内交通」というテーマのもと、さまざまなカテゴリーに分類してクルマが展示されている。
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ホール1を見渡す。
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ハインケルが1956年から1958年にかけて製造していたバブルカー「ハインケル154」。第2次大戦後、航空機の製造を禁じられたドイツの航空機メーカーは、スクーターやモペッドなどの生産で糊口(ここう)をしのいだ。ハインケルもそのひとつ。154は「ツーリスト」というスクーターの単気筒エンジンとトランスミッションを流用している。
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こちらは有名な「BMWイセッタ250」(1957年)。
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このかわいらしい「DKW F1ロードスター」は1931年製。価格が1685マルクとリーズナブルだったこともあってヒットした。当時はまだ例外的だった前輪駆動の採用によって軽量化に成功し、併せて低重心化が良好なロードホールディングを生み出した。
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「ボルクヴァルトP100」のリアビュー。
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「グラース“ゴッゴモビル”T250」(1964年)。
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「ヴァンダラーW26L」。世界恐慌の後、1932年にアウトウニオンとしてひとつに統合されたうちのひとつがヴァンダラー。残りの3つは、アウディ、DKW、ホルヒ。現在のアウディに続くフォー・シルバー・リングスのエンブレムはこのアウトウニオン結成にまでさかのぼる。展示車両の説明ボードによれば、このクルマのデザインは最後のジャーマンデザインと呼べるもので、この後、ドイツの中大型車のデザインはアメリカ車風に変わっていくそうだ。W26Lはショーファードリブン(運転手付き)やタクシーとして用いられ、前席と後席を隔てるガラス製のパーティション(隔壁)を備えていた。濃淡のオリーブ色のツートン塗装がシブい。
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ドイツ語がわからないので正確なところは不明だが、SF調のイラストは、書かれた当時に想像した「未来の交通手段」を示しているのだろうか? 実現しているものもあれば、クエスチョンマークが付くものもあって面白い。
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アドラーに見入る初老の婦人。
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「メルセデス・ベンツ370S“マンハイム”」。1934年から2600台余りが製造された豪華な中級メルセデス。セダンやツーリングカーなどと併せて、このスポーツロードスターも造られた。濃淡ブラウンのツートンカラーがしゃれている。設計はポルシェ博士とハンス・ニーベル。1万3000マルクからという価格は上級の「SS」などよりも安いにもかかわらず、同じくらいに速かった。現代に置き換えれば「CLSクラス」か?
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「ロイトLP400」(1954年)。
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ホール2の展示テーマは「旅行」。列車も展示されている。
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ホール2の列車の展示。
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「タトラ87」(1937年)。
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ホール2では、鉄道やオートバイ、クルマなどが並行して展示されている。
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展示はクルマや鉄道だけにかぎらない。これは旅行雑誌の記事。1952年から53年にかけての、ウインターシーズンの旅行を特集している。見出しの「Reiseziele」とは「目的地」の意。ミュンヘンを中心にして出掛けられる、アルプスをはじめとした山々へのルートが示されていて、旅心をソソる。
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豪華な高級グランツーリスモとして展示されていた戦前のアルファ・ロメオ。
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ローラースケートやローラーブレードも確かに「陸上の乗り物」だ!
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現代のスキーやスノーボードも展示されていた。
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ホール3のテーマは「移動と技術」。モータースポーツに関する展示もある。
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ターボ過給をモータースポーツに広めたルノーF1とインディカー。
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ドイツ博物館交通センターはこちら。