第28回フレンチブルーミーティング
2014.10.27 画像・写真フランス車の集会イベントとしては日本最大級の「フレンチブルーミーティング(FBM)」が今年も10月の週末(2014年10月18日~10月19日)、長野県車山高原周辺で行われた。
ここ数年は天候に恵まれず雨や寒い日が続いたが、今年は好天に恵まれた。暖かい日差しの中、クルマの外に出て談笑している風景が目立ち、中でも子どもたちはお絵かき大会のため、お気に入りのクルマの写生にいそしんだ。次世代のクルマ好きになるための修行に励む姿がかわいかった。
主催者側の発表による参加人数や台数も気になるところ。熱心なブロガー、海鮮丼太郎氏の『あなたの知らない方が良かった世界』の集計によれば、会場内の参加台数は1601台で、その内訳はルノー:31.7%、シトロエン:28.5%、プジョー:21.6%、その他の銘柄:18.2%と興味深いものだった。
前回までの経験ゆえか、朝の時点では、メイン会場へのクルマ搬入は遅れがちであったものの、程なくしていっぱいになった。しかし、今度は好天が災い(?)して、紅葉見物など次の家庭サービスのためか昼前に退場するクルマもあって、そこかしこに空地ができてきた。そこは格好の親子の遊び場にもなっていた。
当初、FBMは「シトロエン2CV」や「ルノー4」などの小さくとも4ドアの小型車勢が大半を占め、フランス車を楽しむための苦労話が主題であったが、最近では「ルノー・カングー」などのモノスペースが増えて、家族参加が主流となってきた。FBMも高齢化が進んでいるようだが、若者たちは相変わらずスポーツカーが好きなようで、アルピーヌの数は増えている。また古いクルマはそれなりに老化も進んで、再塗装などでカラフルないでたちに変身している姿も散見されるようになった。
「温故知新」だけがイベントの流れを作りだすわけではなく、クルマたちはその時代に合った姿に変貌していくと思われる。クルマ離れが進行する気配はあるものの、FBMに集まるクルマ好きは永久にいなくならないと思われた。(文と写真=笹目二朗)

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FBMといえばやはり「2CV」の集団をたくさん見られるのが楽しみのひとつ。何度見てもいつどこで見てもカワイイ。
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メイン会場に置かれたイベントの看板。大げさに扱わないところがFBMらしい。今年で28回目になる。看板の横(向かって左側)に置かれているのは、シトロエンクラブ元会長、故杉山先生の愛車だった「DS」。
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この「2CV」は最近レストアされたクルマ。外装の鮮やかなブルーがよく似合う。ほろも内装も新しく作り直されており、あえてオリジナルにこだわらないのもフランス流か。
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どうせ参加するなら何かひとひねりしないとFBMらしくない、そう考える参加者も多い。コレもそんな秀作の一台。よく見ると、右側のヘッドライトが枯れ葉の間から出ているから、現地からこのまま走ってきたのだろう。
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「205ターボ16」は歴代プジョー車の中で、一番乗って面白いクルマだった。筆者はかつて赤城山小沼の氷上で振り回したことがあるが、あのときの快感は今でも覚えている。大切に動態保存してください。
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子どもたちはお絵かき大会で、お気に入りのクルマの写生にいそしんだ。「R8ゴルディーニ」に興味を持つとはなかなか。オトーサン、将来が楽しみですね。画才もありますが、免許取得可能年齢に達したら、オーバーステアドライビングに興味が移るんでしょうネ。
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「サンク ターボ」と正面から向き合うお嬢さん。ミシェル・ムートン(ちょっと古いか)のようなおてんばな女の子になるのかなー。
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子ども写生大会は大盛況。レベルも高い。好天に恵まれ、今年は作品の数も多かった。
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「2CV」によるエンジンのクランク掛け競走も、現代車のユーザーには経験したことのない不可解な行動だろう。スターターモーターの発明は偉大だ。
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この青年は路傍で何度も練習しており、その努力が報われてクランク掛け競走で優勝した。手順を間違えず落ち着いてやればエンジンは掛かるけれども、速さは練習のたまもの。
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珍しいルノーのマイクロバス。もともとヘビーデューティーに造ってあるから、長期間の使用に対しても耐久性を発揮するだろう。飽きない点でも有効か。
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今年も参加している軽自動車ベースの「シトロエンHトラック」模造車。これだけ堂々としていると、もうフランス車ですよ。
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プジョー/シトロエン/フィアットの3兄弟車。もっと見かけるかと思ったら、会場にはこの1台のみ。ブルーがフランス車によく似合う。
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「2CV」用の125R15サイズのタイヤは入手困難。これはタイで作らせたもので価格もお手頃。数年前には1本1万8000円で売っていたこともあった。
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移動販売車ならコレですね。クルマ本体が看板を兼ねており集客効果も上々。FBMには欠かせないクルマ。
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コレは「カングー」の靴ですね。こうしたアイデア商品を見ていくだけでも面白い。よく考えるもんですね。
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コレもいろいろな用途がありそうですが、差し当たり箸置きにも使えそう。
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こうしたチューニングパーツの販売も昔は多かったが、最近では珍しい。展示用にも最適。
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テント村も大盛況。今年は傘もいらず道もぬかるんでおらず商売繁盛か。
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天候にも恵まれ、オープンカーは気持ちよさそう。参加台数も昨年とは違って大幅増加。
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「ルノー・スポール スパイダー」がこれだけまとまって見られるチャンスはめったにない。オーナー同士の会話も楽しそうだった。
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マートラも少数派ながらここ数年の常連。黄色の車体はやはり目立つ。
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「アミ6」はシトロエンらしい独自性のあるスタイリングの点では歴代1位か。これだけフランス車が集結してもひときわ目立つ。
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どんなビジュアルでも受け入れてしまうところが「2CV」の持つスゴイ個性。醜いアヒルの子と評された時代もあったが、時空を超越した美意識が素晴らしい。
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「R8」の弁当箱スタイルも、今見るとそれほど角張ってはいない。とにかくこの時代のフランス車は個性的だったとしみじみ思う。
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興味深いクルマを輸入するCARBOXは、今年「ルノー・クリオ ディーゼル」と「シトロエンC3ピカソ」を展示していた。ルノーのディーゼルエンジンはユーロ6をクリアしている。とにかく室内の静かさは信じられないレベル。
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数字で呼ばれる以前のルノーは丸っこかった。この「ドーフィン」の金文字はオリジナルかどうかは不明。
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このアルピーヌは何年か前に見た記憶もあるが、オーナーと会えず詳細は不明。リアフェンダーの空気口は「ルノー4CV」のもの、そのものか。
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「ダチア・ロガン」はルーマニア製ではあるが、中身はルノーであるからFBMにはお似合いのクルマ。タクシーやパトカーなどに多く用いられていることから、わが国でいえば「トヨタ・クラウン」に相当する。
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メイン会場だけでなく、分散された駐車場には毎年の常連車が集う場合もある。しかし、ときどき変わったクルマも来るので隅々までチェックすると、珍車に巡り合うこともある。