「オートモデラーの集い in 横浜 2015」出展作品(前編)
2015.02.20 画像・写真2015年2月7日、神奈川県横浜市にある日産自動車 横浜工場ゲストホールで、「オートモデラーの集い in 横浜 2015」が開かれた。このイベントはモデルカー愛好家が作品持参で集まり、交流を深めることを目的として、日産グループの車両開発会社である日産テクノの社内同好会「日産テクノモデラーズクラブ」が主催するもの。4回目を迎える今回は、全国から240名のモデラーがおよそ880台の作品を持ち寄る盛況となった。会場にびっしりと並べられた、模型雑誌などで活躍するプロをはじめとする、すご腕のモデラーによる力作の中から、リポーターの心に刺さった作品を紹介しよう。(文と写真=沼田 亨)
→「オートモデラーの集い in 横浜 2015」出展作品(後編)はこちら

昨秋ハセガワからリリースされた1/24「日産サニー・トラック」は、今もっとも旬なキット。ノーマルからモディファイを加えたものまで多数出展された。それらを一堂に集め、プチ“サニトラ祭り”が開催されているところ。
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昨秋ハセガワからリリースされた1/24「日産サニー・トラック」は、今もっとも旬なキット。ノーマルからモディファイを加えたものまで多数出展された。それらを一堂に集め、プチ“サニトラ祭り”が開催されているところ。
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日産車をレーシングライクにする際の定番のひとつであるBREカラーに塗られた「日産サニー・トラック」。BREとは「シェルビー・デイトナ」や「ヒノ・サムライ」を手がけたレーシングカーデザイナーのピート・ブロックが率いたレーシングチーム“ブロック・レーシング・エンタープライズ”の略で、「510ブルーバード」や「ダットサン240Z」などをレースで走らせていた。
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こちらはサファリ仕様の「510ブルーバード」風のカラーリングで仕上げられた「日産サニー・トラック」。
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ドアを開閉式に改め、左ハンドル(LHD)仕様とした「日産サニー・トラック」。ちゃんとワイパーもLHD用に移設されている。ナローなホワイトリボンタイヤと「サニー・クーペGL」用のホイールキャップでキメた足元もアメリカンな雰囲気でイイ。
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数ある「日産サニー・トラック」のなかで、個人的にもっとも感銘を受けたのがこのジオラマ。家電店をお払い箱になったポンコツのサニトラをトランスポーターとして草レースに出場するライダーのガレージという設定で、床のオイル染みや鉄骨に張ったクモの巣、蛍光灯のチラつきまで表現している。
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「日産サニー・トラック」の荷台にピッタリ収まる「カワサキZ」のバイクは食玩プラモとのこと。
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サイドウィンドウは半開き、三角窓は開いた状態に改造。レカロに替えたドライバーズシートに置かれた(よく見えないが)優勝トロフィー、ダッシュ上に置かれたパドックの通行許可証など、なんとも芸が細かい。サビの表現もお見事。
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1/24「日産セドリック2000SGL」。一見したところ車高をちょっと下げ、メッシュのアルミホイールを履かせただけのようだが、実は「330セドリック・セダン」のキットは存在しない。アオシマ製330の4ドアハードトップを改造したもので、無加工で済んだのはボンネットだけという。
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「日産スカイライン・ワゴン1800GL」。通称ケンメリのワゴンだが、これも1/24アオシマ製「スカイライン・セダン2000GT-X」から改造されたもの。リアセクションはプラ板とパテで作り、ノーズを短縮、フロントグリルと内装は自作とのこと。
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一部の旧車愛好家の間では珍重される低グレード車。新車時は営業や法人需要がほとんどで、中古市場に出回ることは少ないため、上級グレードを低グレード風にダウングレードするマニアも存在する。この「910ブルーバード」はキットでそれを表現したもので、タミヤの1/24「日産ブルーバード1800ターボSSS-S」をベースにスタンダード仕様に仕上げている。
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これもハセガワ製1/24「トヨタ・セリカ1600GT」を、低グレードである「1600ET」改の街道レーサー風に仕立てたもの。DOHCエンジン搭載のGTに手が届かない青年の愛車という設定で、エンジンはさかつう製ディテールアップパーツの2T-GをベースにOHVの2Tに改造。写真には写ってないが、街道レーサー御用達のフロントグリルに付けるアクリル製レーシングジャケットも自作していた。実際、昔はこの手のクルマは珍しくなく、中学の同級生が乗っていたワークス・サバンナ風「グランドファミリア」を思い出した。
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メーカー純正でタイヤがハの字を切ったシャコタン仕様もあるアオシマの1/24「トヨタ・コロナ・ハードトップ2000GT」をグラチャン族風に改造。いかにも鉄板から切り出したという雰囲気のオバフェンが泣かせる。ベースカーが「マークII」や「ソアラ」ではなく、中途半端なFR最終型「コロナ」というところもツボにハマった。
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俗称クジラこと4代目MS60系「トヨタ・クラウン」のセダン。ハードトップなら知っているが、クジラのセダンのキットなんてあったっけ? と思ったら、往年のディーラー用定番ノベルティーグッズである金メッキされたアンチモニー製シガレットケースを型取りしてボディーを複製し、作り上げたものという。
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スケール不祥のトヨタの小型トラック「トヨエース」。タカラトミーの前身であるトミーが、まだ富山商事と名乗っていた時代に作られた販促用キット(?)とのこと。オリジナルは前期型の2つ目だったが、後期型の4つ目仕様に改造。室内も作り込まれている。
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裏側から見た「トヨエース」のシャシー。製作者いわく基本的なパーツ割りはオリジナルのままだそうだが、プロペラシャフトやデフホーシング、前後リーフリジッドのサスペンションなども的確に表現されている。キットの製造年代(おそらく60年代前半)からは信じられないほどの出来栄えである。
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プロポーション、ディテールともにすばらしい1/24「スバル1000スーパーデラックス」。これまたこんな出来のいいキットあったっけ? と思ったら、ボディーはヤマダ製の「スバル1000スポーツ(2ドア)」を大改造し、パーツの大半は自作したものという。すごい!
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アオシマの1/24「スバル・サンバー・ハイルーフ4WD」をWRブルーに塗り、ディテールアップした作品。内装はほぼ自作で、リアシートは畳めるというから驚き。
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アリイ製1/32「マツダ・キャロル」。某旧車専門誌の人気コーナーである“草ヒロ”(草ムラのヒーロー)のような、空き地に放置された情景のジオラマ。
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バンダイ製1/20「ホンダ・アコード」。初代アコードのハッチバックだが、昔はこんな地味なモデルもキット化されていたのである。
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東宝模型というマイナーなメーカーからリリースされていた、1/15という半端なスケールの初代「三菱デボネア」。40代のモデラー氏が小学生の頃に作り、奇跡的に残っていたというジャンクだが、右側は彼が近年ヤフオク!で大枚はたいて落札した箱入り未組み立て品。ちなみに50代の筆者も小学生の頃に模型屋でこのキットを見かけ、ストックカー仕様にしようかと思ったが(実際に1台だけ出走していた)、当時としても古いキットで大味に見えたため見送った覚えがある。