自律走行男・大矢アキオのジュネーブショー(後編)
2015.03.10 画像・写真欧州を流浪するコラムニスト・大矢アキオの第85回ジュネーブショー訪問記。後編は街角の様子をお届けする。イタリアにすっかり根を下ろしてしまった筆者だが、隣国スイスのジュネーブを走るクルマ生態系は、常にエキサイティングだ。何度滞在しても、びっくり、かつ戸惑うこと数々。極めつけは「外交官の街」に似合わぬレトロな、あの電化製品だった……。
(文と写真=大矢アキオ<Akio Lorenzo OYA>)

2014年に続き、筆者はフィレンツェ空港からジュネーブに向かった。機材は約50人乗りの「サーブ2000」。もはやクルマとは関係ない「サーブ」とはいえ、どこかうれしいのは筆者だけか。運航はエティハド航空系。アラビアンな書体がイカす。
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2014年に続き、筆者はフィレンツェ空港からジュネーブに向かった。機材は約50人乗りの「サーブ2000」。もはやクルマとは関係ない「サーブ」とはいえ、どこかうれしいのは筆者だけか。運航はエティハド航空系。アラビアンな書体がイカす。
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ジュネーブ空港の荷物受け取りターンテーブル。かつてフランクフルトショー期間に見られたアイデアが。場所柄、驚異的耐久性と粘着力を伴うステッカーと思われる。
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ジュネーブでは数十秒おきに、CD(外交官)ナンバーのクルマが通り過ぎる。これは「キャデラック・エスカレード」。
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こんなつつましい外交官ナンバー車もあり。初代「シトロエンC3」。
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ジュネーブは欧州随一のアメリカ車人気都市だが、タクシーもしかり。これは駅前で発見した「リンカーン・タウンカー」。用がなくても乗ってみたくなる。
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そうかと思えば、懐かしい「三菱スペースワゴン」のタクシーも。それも4つ星ホテル「ロワイアル」前なのが泣かせる。
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ジュネーブでは、イタリアやフランスの路上から消えた日本車が、一般ユーザーの手で大切に乗られているのを頻繁に目にする。これは金色の初代「トヨタ・ピクニック(日本名:イプサム)」。車齢は最低でも14年ということになる。
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「日産フィガロ」を発見。そのグレードを超越した独特のオーラは今も衰えず、これ見よがしに走る高級車たちと立派に対峙(たいじ)している。
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ジュネーブでバスや市電を運営するTPG社のヴァンオール社製、新型「トロリーバス」。フロント形状は限りなく市電に近い。
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他の欧州都市同様、ジュネーブも市電網の拡充が図られている。その車内。東京は2020年五輪に向けてさまざまな整備が進むが、都電の計画がないのが惜しいかぎり。
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ジュネーブ市役所のフィアット製商用車「ドブロ」。こんなバージョン見たことないぞと思ったら、「リーザー」という地元カロスリが独自の荷台を付けたものだった。
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ジュネーブ市緑地課の作業車。1996年に創業されたグーピルというフランス南西部の電気自動車専業メーカーによる「G3」というモデルである。
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近年スイスの警察車は、フォルクスワーゲングループのシュコダが少なくない。業務にはフォルクスワーゲンやアウディでなくても十分という判断か。
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ジュネーブに限らずスイス各地にいえることだが、スーパーマーケットは開店も早ければ、閉店も夜6時~7時台と早い。スイスフラン高から財布を守るため食料調達しようと思っても、取材帰りに間に合わない。
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ポストには、スイス郵便が提供する新サービスの解説が。1)所定の電話番号に携帯から決められたショートメッセージを送信する。2)返信されてきたコードを封筒やハガキの切手欄に手で記入する。3)郵便ポストに投函(とうかん)する。切手代は、通話料から自動引き落としされる仕組みだ。
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スイスの家庭用電源アウトレット。パソコンやスマートフォンの充電器はイタリアのプラグが直差しできるが、電気ポットなどはアダプターを介さないと使えないのが不便である。
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ジュネーブショー期間、伝統的にショコラティエのショーケースを飾るクルマ型チョコは今年も健在。なかには、こんなエアロパーツ武装系も。
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戦前のドイツ系速度記録車をほうふつとさせるが、写真手元はパドルシフト風である。
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スイスのアーミーナイフを代表するブランド「ビクトリノックス」のウィンドウ。今回ショー会場でロールス・ロイスが展示した「セレニティ」しかり、もはや各業界とも、中国富裕層を視野に入れたバージョンは必須のようだ。
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いっぽう欧州で意外に入手しづらいのが日本の最新電気炊飯器。ジュネーブならあるかと思って家電量販店を訪ねたものの、パリなどと同じ昭和なモデルだった。39.9フラン(約5000円)とはいえ、とほほ。そのうえ名前は「侍」ときたもんだ。