吉田由美のジャカルタ自動車見聞録
2015.08.31 画像・写真2015年8月下旬、インドネシアで2つのモーターショーが同時開催(一般公開:8月20~30日)されました。日本車がシェアトップを占めているかの地で、どんなニューモデルがお披露目されたのでしょうか? 会場の様子は? 現地での生産に力を入れるスズキの工場見学とあわせて、カーライフエッセイストの吉田由美がリポートします。(文と写真=吉田由美)

2015年夏、「夏休み」の予定も特になかったので、8月にモーターショーが開催されるインドネシア・ジャカルタへ。どうやら私、仕事をしていないと不安になってしまう“ワーカホリック”みたい(笑)。この3泊5日の旅では、2つのモーターショーとスズキの新工場を巡りました!
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2015年夏、「夏休み」の予定も特になかったので、8月にモーターショーが開催されるインドネシア・ジャカルタへ。どうやら私、仕事をしていないと不安になってしまう“ワーカホリック”みたい(笑)。この3泊5日の旅では、2つのモーターショーとスズキの新工場を巡りました!
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インドネシアでは、現地在住の知り合いがフルアテンド。空港では、こんなプレートを抱えたドライバーさん&お迎えの人たちが熱烈歓迎! ……の予定でしたが、私が想定外の早さで外に出てしまったため、そのシーンには立ち会えませんでした。残念!
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空港には黒いミニバンが多数。写真左の「トヨタ・アルファード」もその一つ。セダンタイプのタクシーは、青いクルマがおすすめだそうです。タクシー専用車「トヨタ・リモ」率高し(写真中央)! ちなみに、インドネシアにおける日本車シェアは96%。
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ジャカルタのモーターショー会場で見かけたパトカーは「マツダ6」(日本名:「アテンザ」)。インドネシアでも、マツダの人気は上がっているようです。
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ジャカルタは、とにかく渋滞がものすごい! 現地の日本人駐在員も、こちらではあまり自分で運転しないそうです。バイクも多数走っていて、日焼け防止もあってでしょうか、みなさん夏らしからぬ長袖の装い。私はノースリーブだけど。
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8月19日は、「インドネシア・インターナショナル・モーターショー(IIMS)」のプレスデイへ。こちらは、インドネシアのイベント会社ディアンドラが主催するもので、規模としては、同じ会期でインドネシア自動車工業会(ガイキンド)が催す「ガイキンド・インドネシア・インターナショナル・オートショー(GIIAS)」に比べてコンパクト。面白い企画展示などが、ウリになっています。
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来賓のモハマッド・ユスフ・カラ インドネシア副大統領(写真中央)と記念撮影。ちょうど副大統領が、会場を後にするタイミングで……。
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記念撮影をお願いしても、シークレットサービスや側近の方に断られると思っていたのですが、副大統領は握手してくださり、側近の方も私のスマホで撮影してくれるというおもてなし。副大統領、私のスマホカバーを褒めてくれました。今回一番のビッグニュースかも!
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インドネシアの公用車は、ナンバーがエライ順? 副大統領のクルマのナンバーは“2”でした。クルマは「メルセデス・ベンツSクラス」。ちなみに、護衛車は「Gクラス」。この日カバーがかけられていた公用車のフロント中央には、公式のときは国旗が掲げられるそうです。
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インドネシアのモーターショーでは、ほかのアジアのモーターショー同様(?)、会期中は商談がメイン。「IIMS」の「GIIAS」との違いは、企画展示ものが多いという点です。写真は、歴代大統領の公用車。手前から「キャデラック・フリートウッドリムジン」(1964)、「クライスラー・ウインザーリムジン」(1947)、「ビュイック・スーパー」(1947)。
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中でも私のテンションが上がったのは、戦車コーナー! こちら、実際にインドネシア陸軍で使用しているものを展示しているそうですが、どれもピカピカに磨き上げられていました。乗り込むことも可能!
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戦車コーナー周辺にいた、本物の軍隊の方にも出演していただきました。こちらは兵士の移送に使われている車両のようですが、入り口付近の棚には赤いベレー帽が置かれていて、実際に使用されている気配がうかがえました。
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これは、移動式のキャッシュディスペンサー。インドネシアではポピュラーなんだとか。ちなみにインドネシア通貨はルピア。1円は約115インドネシアルピア。ゼロの数が多すぎて、お金持ちの気分になります(笑)。
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インドネシアでは、雑誌ごとにカー・オブ・ザ・イヤーを決めるのが主流。こちらは「オートモーティブ・ベスト・オブ・ザ・ベスト SUV賞」を受賞した「ホンダHR-V」(日本名:「ヴェゼル」)。
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ところ変わって、「ガイキンド・インドネシア・インターナショナル・オートショー」にやってきました。「ガイキンド(GAIKINDO)」というのは、インドネシアの自動車工業会のこと。自工会主催だけあって、こちらのほうがIIMSより規模も大きく、出展メーカーも多く、いわゆる“モーターショー”という印象が強いです。
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プレスパスを入り口でかざすと顔写真が出現! F1などでも採用されているシステム、こんなところも“ハイテク感”満点です。ちなみにセキュリティーも先に紹介した「IIMS」とは違っていて、警備体制は万全!?
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もちろん、各メーカーのプレスカンファレンスも行われます。トヨタは「アバンザ」「i-ROAD」「ヴェロス」、そして燃料電池車「ミライ」をお披露目。ちなみにインドネシアでは今、7人乗り3列シートのクルマが大人気。ドアの数が多く、人が多く乗れると税金が安いのだとか。
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インドネシアで乗用車の60%のシェアを持つトヨタ。インドネシアにおける歴史も古く、40年以上になります。トヨタにとっても、インドネシアは、販売台数世界第5位の重要な国。
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個人的に気になったのがこちら。「トヨタ・ヤリス レジアン」(日本名:「ヴィッツ」)。TRDが作ったクルマのようですが、オープンでなかなかすてき~!
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ホンダはこの「GIIAS 2015」で、SUV「BR-V」を世界初公開。1.5リッターエンジン搭載で、これまた3列シート7人乗り。3列7人乗りは、インドネシアユーザーのニーズであり、トレンドなのです。
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ひっそりと(?)「BMW 3シリーズ」のフェイスリフト版、世界初公開! 特に事前情報もなく、たまたま付近で取材していたときに、その場に遭遇しました。うーん、いままでのと、違いが分からない……(笑)。
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インドネシアには、まだ純国産の自動車メーカーはありません。唯一インドネシア発のクルマ(?)といえるのが、電気自動車(EV)の「コモド」。ジャカルタには充電ステーションもあるとか。インドネシアは電力供給が安定しているので、EVは今後アリなのかも。
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ジャカルタ市から約37kmのところにある、今年1月に稼働を始めたスズキのチカラン工場へ。敷地面積130万7519平方メートル。インドネシアにあるスズキの工場では最大規模。エンジン、トランスミッションの生産から車体の組み立てまでが行われています。
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工場の生産ラインには、エアコンがありません。天井を高くして風通しをよくしたうえ、太陽光を取り入れたデザインにしてあるので、工場内は明るく、しかもエアコンなしでも意外と涼しいのです。
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工場内には小さなテストコースがあり、ここで(写真左から)「エルティガ」「セレリオ」「カリムン ワゴンR」をちょい乗りしました。その印象は? まさに“ザ・実用車”という感じ。