「JCCAクラシックカーフェスティバル ニューイヤーミーティング」の会場から(前編)
2017.02.01 画像・写真2017年1月29日、東京・江東区青海の特設会場で、新春恒例の「JCCAクラシックカーフェスティバル ニューイヤーミーティング」が開かれた。1977年に開催された初回から数えて41回目を迎える、今日まで継続開催されているものとしては、わが国で最も歴史の古い旧車イベントである。参加資格は原則として1979年までに生産された車両およびその同型車(クラブスタンドは1989年まで)で、今回の個人出展はフリーマーケットを含め202台。これは前回とほぼ同様で、クラブスタンド(オーナーズクラブの出展)は前回よりやや減少、オートジャンブル(旧車関連ショップの出店)は微増といったところだった。プログラムは例年と同様で、毎回実施されているコンクールデレガンスのテーマカーはいすゞ車と日野車。いすゞ車33台、日野車6台の計39台がエントリーした。このフォトリポートの前編では、それらコンクールデレガンス対象車両を中心に、いすゞと日野の参加車両を紹介しよう。(文と写真=沼田 亨)
→クラブスタンドの様子や貴重な参加車両を紹介する“後編”につづく
-
1/21コンクールデレガンスの対象となる、いすゞ車および日野車が並んだ一角。これら個人出展車両のほか、ベレットサルーンクラブ、いすゞ117クーペオーナーズクラブ、および日野コンテッサクラブのクラブスタンドにもいすゞ&日野車が展示されていた。
-
2/21ベレットサルーンクラブのスタンドに展示されていた、新車以来の「千5」ナンバーを付けた1966年「いすゞ・ベレット1500 4ドア デラックス」。ベレットは63年の誕生から10年の間に数えきれないほどの仕様変更を受け、多くの車種追加が行われたが、これは最初に登場した基本形である4ドアセダンの1500デラックス。最初の公式なマイナーチェンジを受ける前の、いわば前期の最終型である。
-
3/21同じくベレットサルーンクラブのスタンドに展示されていた「ベレット」用メーターパネル。左から1964年前期型、1964年後期型、そして1965年型用。相違点は製造メーカーの社名、目盛りのわずかな差異など、ほとんど間違い探しのレベルである。
-
4/211971年「いすゞ・ベレット1600 4ドア スポーツ」。セダンボディーに「1600GT」用のSUツインキャブ仕様の1.6リッター直4 SOHCエンジンを積んだモデルで、2ドアセダン仕様も存在した。アルミホイールはノンオリジナル。
-
5/211967年「ベレット1500デラックス Bタイプ」。ベレットは当時の日本車には珍しく後輪独立懸架を備え、スポーティーサルーンを標榜(ひょうぼう)していた。しかし、その凝った後輪懸架が営業車(タクシー)などのフリートユーザーには不向きとされたため、追加されたのが後輪懸架をリーフリジッドに替えたBタイプ。非常に希少な残存車両で、程度も抜群とあって、コンクールデレガンスで審査員特別賞を受賞した。
-
6/21左側は後輪独立懸架を備えた、いわばAタイプである「ベレット1600 4ドア スポーツ」で、右側は後輪固定軸の「1500デラックス Bタイプ」。リアクオーターピラーから後ろの造形がまったく異なる。
-
7/21これもコンクールデレガンスの対象だった、1978年「いすゞTWD」。自衛隊向けが主体だった6×6(6輪駆動)トラックである。
-
8/211966年「いすゞ・ベレット1600GT」。日本で初めてGTを名乗って1964年に登場した、通称ベレGことベレットGT。コスミックのアルミホイールを履いたこの個体は、1966年に実施された2度目のマイナーチェンジ以降のモデル。5ベアリング化されたSUツインキャブ仕様の1.6リッター直4 OHVエンジンを積む。
-
9/211969年「いすゞ・ベレット1600GTファーストバック」(注:正式名称がファストバックではなくファーストバック)。「1600GT」のBピラーから後方をファストバックにアレンジ。フロントグリルとリアエンドのデザイン、前後バンパーも1600GTとは異なる。
-
10/211970年「いすゞ・ベレット1600GTR」。69年に追加された、「1600GT」のボディーに「117クーペ」用の1.6リッター直4 DOHCエンジンを移植した、ベレットシリーズの最強モデル。グレード名のGTRはGT type Rの略である。アルミホイールはノンオリジナル。
-
11/21仕向け地不明の左ハンドルの「いすゞ・ベレット1600GT」を「1600GTR」仕様に仕立て直した個体。通常の右ハンドル仕様ではワイヤー式のクラッチが油圧式となるなど、細かな違いがあるという。
-
12/211970年「いすゞ・フローリアン1600デラックス」。プロトタイプ時代の名称が「117サルーン」で、「117クーペ」のベースとなったモデルがフローリアン。これは最初のマイナーチェンジを受けた後のモデルで、砲弾型フェンダーミラーとアルミホイールはノンオリジナル。
-
13/211981年「いすゞ・フローリアン2000TL」。1977年にビッグマイナーチェンジを受けたフローリアンに追加された、2リッター直4 OHVのディーゼルエンジン搭載モデル。本来はノンターボ仕様しか存在しないが、この個体は「いすゞ・ビッグホーン」用のターボチャージャーを流用してディーゼルターボ化している。コンクールデレガンスでベストサルーン賞を受賞した。
-
14/21コンクールデレガンスにちなみ、いすゞ自動車所有の1964年「エルフ」と75年「ジェミニ1600LT」が特別展示された。いずれも『webCG』でリポートした、2016年末にいすゞ自動車藤沢工場で開かれた「いすゞヒストリックカー撮影会」に登場した車両である。
-
15/211969年「いすゞ117クーペ」。1968年末のデビューから1973年春までの、いわゆるハンドメイド時代の最初期型となる個体で、フルオリジナルの姿を保っている。1.6リッター直4 DOHCエンジンを搭載。コンクールデレガンスでベストエレガンス賞を受賞した。
-
16/211971年「いすゞ117クーペEC」。ソレックスキャブに替えてボッシュDジェトロニックを備えた、日本初の電子制御インジェクション装着車。ハンドメイド時代の赤いボディーカラーは珍しいが、出荷前にカタログ撮影に使われた個体という。しかもワンオーナー車である。コスミックのアルミホイールとビタローニのセブリングミラーが、モディファイされた時代を物語る。
-
17/211984年「いすゞ・ジェミニ1800クーペZZ」。1.8リッター直4 DOHCエンジンを積んだ、初代ジェミニのホットモデルであるZZ。その最終型のマスクとリアエンドを、俗に逆スラントと呼ばれる前期型のスタイルに整形。フロントのエアダムスカート、カンパニョーロ101Eホイール、「オペル・カデットGT/E」用ドアミラーなどは、往年のドレスアップの定番アイテムである。
-
18/211959年「日野ルノーPA」。748cc直4 OHVエンジンをリアに積んだ「ルノー4CV」をライセンス生産した、日野初の乗用車。「5」から始まる陸運支局がなかった時代の東京ナンバーを付けたこの個体は、最初のオーナーから息子に受け継がれたクルマ。コンクールデレガンスで大賞に選ばれた。
-
19/211962年「日野コンテッサ900デラックス」。「ルノー4CV」のライセンス生産から得たノウハウをベースに、61年に誕生した日野初のオリジナル乗用車がコンテッサ900。「練5」のシングルナンバーを付けたこの希少な初期型は、日野コンテッサクラブのスタンドに飾られていた。
-
20/211971年初度登録の「日野コンテッサ1300」。ミケロッティが手がけたボディーをまとった、日野最後の乗用車となってしまった2代目コンテッサ。この個体は返還前の沖縄向けの、左ハンドルのスタンダード仕様という珍しいもの。コンクールデレガンスでベストレストア賞を受賞した。
-
21/21コンクールデレガンスで各賞を受賞した5台。