クラシックカーイベント「第8回サクラ・オートヒストリーフォーラム」の会場から
2018.05.21 画像・写真2018年5月12日、千葉県佐倉市の佐倉草ぶえの丘でクラシックカーイベント「第8回サクラ・オートヒストリーフォーラム」が開かれた。地元佐倉市の旧車愛好家が集うサクラモータークラブの企画・主催で、2011年に始まったこのイベント。通算8回目、会場を佐倉草ぶえの丘に移してから3回目となる今回は、「1988年以前に生産され、オリジナルを保ち、自走で参加可能な三輪車・四輪車、および1970年以前に生産されオリジナルを保っている二輪車」という参加規定をクリアしたモデルが合わせて100台以上集まった。会場では車両展示のほか、パレード、クルマにまつわるレクチャー(イベント名に“フォーラム”とある理由)やトークなども実施。さらに、音楽ライブや自動車関連のフリーマーケット、飲食物の出店もあるという硬軟取り混ぜた構成で来場者を楽しませた。会場からエントリー車両を中心に紹介しよう。(文と写真=沼田 亨)
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1/30会場へと続く、新緑がまぶしい道を行く特別展示車両の1934年「アルファ・ロメオ6C 2300」。これを含む3台の特別展示車両はいずれも戦前型だが、すべて自走で会場入りした。
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2/301955年「ジャガーXK140DHC」。戦後ジャガー初の本格的なスポーツカーで、北米でヒットした「XK120」の改良型。DHCとは、ロードスターの別称である「ドロップヘッドクーペ」の略。
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3/30フォードV8ユニットを積んだ、米・伊混血スーパーカーである「デ・トマソ・パンテーラ」。プレーンなボディーを持つ初期モデル。
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4/301970年「デイムラー・ソブリン」。「ジャガーEタイプ」と同じ4.2リッター直6 DOHCを積んだ「ジャガー420」の、バッジエンジニアリングによるデイムラー版。
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5/30連なってやってきた、フォルクスワーゲン。非常に珍しい「タイプ3」ベースのブラジル製「カルマンギアTC」を先頭に、タイプ3ベースの「カルマンギア」、「タイプ1」ベースの「カルマンギア カブリオレ」、「ゴルフ カブリオ」、「カルマンギア クーペ」などが続いた。
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6/30「メッサーシュミットKR200」。「BMW 600」を積んだセーフティーローダーが続く。
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7/30周囲の新緑と同色のボディーが美しい1966年「MGB Mk1」。1962年から80年までに50万台以上作られた成功作。
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8/301968年「ホンダN360S」(通称NⅠ)に1969年「N360デラックス」(同NII)と70年「NIII360タウン デラックス」が続く。
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9/30新車からのワンオーナー車という1983年「ホンダ・プレリュード」。ワイド&ローのプロポーションが新鮮だった。
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10/301966年「マツダ・キャロル360 2ドアデラックス」。総アルミ製、OHVヘミヘッドの水冷4気筒エンジンを積んだ高級軽乗用車。
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11/301975年「日産スカイライン ハードトップ1600スポーティGL」。通称ケンメリこと4代目スカイラインの、1.6リッター直4エンジン搭載のハードトップ。
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12/301972年「ボルボ1800ES」。ボルボ初のスポーツクーペだった「1800E」から派生したスポーツワゴンの嚆矢(こうし)。
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13/30開会式風景。壇上に並んだモデルは、協賛会社である千葉トヨペットから出展された(写真左から)GRカラーの「トヨタ・スポーツ800」「トヨタ2000GT」および「トヨペット・コロナ」。
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14/30千葉トヨペット所有の、非常に珍しい1957年「トヨペット・コロナ」(ST10)。日産の「ダットサン・セダン」(110系)に対抗する、主に小型タクシー用の小型乗用車を持たなかったトヨタが、急いで開発しリリースした初代コロナの初期型。
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15/30後方から眺めた初代「トヨペット・コロナ」。開発期間を短縮するため、4枚のドアは初代「クラウン」の兄弟車だったタクシー用の中型セダンである「マスター」から流用している。「ダルマ」の俗称で呼ばれた丸みを帯びたスタイリングには、1949~51年のフォードの影響がうかがえる。
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16/30初代「トヨペット・コロナ」のS型エンジン。995ccから最高出力33ps/4500rpm、最大トルク6.5kgm/2800rpmを発生する直4サイドバルブユニットで、960kgの車重に対して非力である感は否めなかった。1959年のマイナーチェンジで新開発のOHV 997cc(45ps、7.0kgm)のP型に換装し、型式名はPT10となる。
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17/30参加車両から選ばれた20台は、会場周辺約9kmのコースを走るパレードに出走した。会場敷地内を走行しながら車両前面にあるドアを開けてギャラリーにアピールする1959年「BMW 600」に1969年「マツダ・コスモスポーツ」が続く。
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18/308.2リッターという市販車史上最大のV8エンジンで前輪を駆動する、史上最大のFF車である1973年「キャデラック・エルドラド」に、1954年「ベントレーRタイプ サルーン」が続く。
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19/30連なって会場を出ていく1925年「ベントレー3リッター」と同じく1925年「ロールス・ロイス・ファントムⅠ トルペードツアラー」。2台とも特別展示車両である。
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20/307台のクラシックバイクも展示された。手前は1962年「ホンダ・ベンリイCB92スーパースポーツ」、その隣は、浮谷東次郎の最初の愛車として知られる1951年「クライドラーK51」。
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21/30会場内は5つのブロックにゾーニングされていた。これは芝生上に設置されたA会場の風景。
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22/30恒例となっている、ピックアップされた車両のオーナーインタビュー風景。聞き手はゲストであるモータージャーナリストの飯田裕子氏(写真右端)と主催するサクラモータークラブ副会長の坂田芳一氏(右から2人目)。
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23/30(写真左から)1968年「スバル360」、1968年「ホンダN360S」、1969年「フィアット500F」という真っ赤な3台のチビ助が並んだ。
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24/301954年「フォルクスワーゲン・カブリオレ」。シックなカラーリングで美しく仕上げられた、オーバルウィンドウ時代の「ビートル」のカブリオレ。
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25/301963年「プリンス・グロリア デラックス」。1962年10月に1.9リッター直4 OHV搭載のデラックス(1型)のみで登場した2代目グロリアの最初期型。翌63年6月に2リッター直6 SOHCエンジン搭載の「スーパー6」が追加設定されると、デラックスはエンジンがデチューンされ、内外装が簡素化された2型となってしまったため、この個体は非常に希少な残存車両である。
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26/301963年「フィアット500ジャルディニエラ」。ヌオーバ・チンクエチェントこと2代目「フィアット500」のワゴン。ホイールベースと全長を延ばし、シリンダーを横倒しした専用エンジンを搭載して、荷室の長さと高さを確保している。
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27/30クラシックなバイクと旧車用パーツを積んでやってきた1972年「ダイハツCM8」。マツダと並んでオート三輪こと小型三輪トラックの老舗だったダイハツの、最後期のモデル。
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28/301976年「トヨタ・クラウン 2ドアハードトップ」。俳優の山村 聰と吉永小百合がイメージキャラクターを務めていたことから、マニアの間で「小百合クラウン」と呼ばれる5代目クラウンの2ドアハードトップ。クラウンの2ドアハードトップは、3代目から6代目まで存在した。
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29/301973年「BMW 2000ツーリング」。「マルニ」の愛称で呼ばれる2ドアセダンの「2002」にテールゲートを設けた3ドアハッチバックで、1971年にデビュー。ツーリングの名称は現在もBMWのワゴンに使われているが、元祖はこれ。
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30/30千葉トヨペットの協力により実施された「キッズメカニック体験」。「若者のクルマ離れ」が叫ばれるなか、幼い頃からホンモノに触れることで、クルマに対する興味を育もうという企画。ちゃんと各種サイズの子供用メカニックスーツ(ツナギ)をそろえていた。