「JCCAクラシックカーフェスティバル 筑波ミーティングサマー」の会場から
2019.07.12 画像・写真2019年7月7日、茨城県下妻市の筑波サーキットで、JCCA(日本クラシックカー協会)が主催する旧車レース「JCCAクラシックカーフェスティバル 筑波ミーティングサマー」が開かれた。春の「富士ジャンボリー」、秋の「筑波エンデュランス」と並んで長年恒例となっていたレースだが、昨年は開催されなかった。梅雨の真っ最中の開催とあって、降雨か厳しい暑さに見舞われることが多いため、てっきりカレンダーから外されたのかと思っていたら、今年は復活した。
今回のプログラムは定番である1960〜70年代のスポーツカーとツーリングカーによるレースに加えて、葉巻型シングルシーターによるヒストリックフォーミュラと、軽自動車のエンジンを使用した日本独自のシングルシーターであるFL(フォーミュラ・リブレ)の6レース。エントリーは全レース合わせて102台で、ほかにスポーツ走行に51台が参加した。
懸案のコースコンディションは、午前8時に予選が始まってしばらくはドライを保っていたが、午前10時前後から雨滴が落ち始めた。以後多少の雨量の変化はあったものの、決勝はすべてウエットレースとなった。そのためスピンやコースアウトする車両も少なくなく、何度か赤旗中断があったが、ドライバーが負傷するようなアクシデントはなく、無事に全レースが行われた。会場から、出走車両を中心に紹介しよう。(文と写真=沼田 亨)
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1/32予選開始前、パドックに並んだエントリー車両。
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2/3212台が出走した、サスペンションの改造のみが許されるPレース(1968年前後の車両によるP68レースと1970~75年のP75レースの混走)の決勝スタート風景。
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3/32Pレースにおける1966年「ホンダS800」と1970年「トヨタ・カローラ1200」のバトル。前者は総合7位に、後者は9位に入った。
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4/32Pレースで三つどもえの2位争いを展開する1974年「ロータス・ヨーロッパ スペシャル」と1972年「日産フェアレディ240ZG」、さらに1970年「ポルシェ911 2.2」。最終結果はヨーロッパが総合2位、911が3位、240ZGが4位。
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5/32Pレースでポール・トゥ・フィニッシュをキメた1971年「ポルシェ911 2.4」。
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6/3222台が出走した、エンジンとサスペンションの改造が認められるSレース(1965年までの車両によるS65レースと1968年前後のS68レース、1970~75年のS75レースの混走)のスタートシーン。
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7/32Sレースの予選風景。先頭の1973年「BMW 2002」は決勝で総合6位に、赤い1970年「アルファ・ロメオ1750GTV」は3位に、白い1972年「アルファ・ロメオ1750GTV」は9位に入った。
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8/32Sレースにおける、第1期ホンダF1「RA273」風のカラーリングを施された1965年「ホンダS600」と、チームトヨタのワークスマシン風に塗り分けられた1966年「トヨタ・スポーツ800」のバトル。結果は前者が総合16位、後者が17位だが、S65-1クラスでは1位と2位。
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9/32基本的に同じボディーを持つ、1957年「アルファ・ロメオ・ジュリエッタ スパイダー」と1965年「アルファ・ロメオ・ジュリア スパイダー」のSレースでのバトル。
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10/32Sレースで総合8位に入った1970年「いすゞ・ベレット1600GTR」。ベレGRはもう1台出走しており、そちらは5位だった。
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11/32エレガントな初代(1965年)「日産シルビア」も、精悍(せいかん)な姿に変貌してSレースに出走した。
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12/32Sレースで、サイド・バイ・サイドのバトルを魅せる双子の1963年「ロータス・コーティナMk1」。
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13/32Pレースと同様にSレースも覇者はポルシェ。1975年「911カレラ3.0」がポール・トゥ・フィニッシュを果たした。
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14/327台のみが出走した、1970年までの車両および特認車両のフルチューニング車両によるFレース決勝の、スタート直後の1コーナー。ここ筑波で圧倒的な強さを誇る1973年「スピードマスターFFDカメアリ・セリカ」は今回もポールポジションからスタートしたが、1周目を終えて最初にやってきたのは、アウト側にいる予選2位の1970年「茨商 きぬの湯スズバン・サニー」。結果はサニーがそのままトップを守り優勝、スピンあるいはコースアウトで後れをとったセリカは3位まで挽回した。
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15/32Fレース予選で引っ張り合う1972年「光配管興業ビルズ・サニー」と1972年「浅間レーシングGTサニー」。型式名KB110こと「ダットサン・サニー1200クーペ」である。決勝では前者が総合6位で、後者が4位。
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16/32Fレースで予選3位、決勝では「セリカ」の後退により総合2位となった1970年「ジールレーシング510ブルーバード」。ベースは型式名KH510こと「ダットサン・ブルーバード1800 SSSクーペ」である。
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17/32Fレースに出走した1968年「マツダ・ファミリア ロータリークーペ」。1970年スパ・フランコルシャン24時間を戦ったワークスマシンを模している。
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18/325台が出走した、ウイングなどエアロパーツを持たない、葉巻型フォーミュラマシンによるヒストリックフォーミュラ決勝。そのスタート直後の1コーナー。先頭のカーナンバー10はポールポジションから発進した1967年「ブラバムBT21」。
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19/32ヒストリックフォーミュラは、5周目にアクシデントにより赤旗中断した後に再スタートした。その第2レースにおける、1967年「ロータス51A」と1969年「タイタンMk4」によるトップ争い。最終的にこの位置関係のままゴールを迎えた。
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20/32ロータス、ブラバム、マーリン、タイタンなど英国製マシンばかりのヒストリックフォーミュラで孤軍奮闘していた1964年「アルピーヌP64-2」。
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21/321979年までにつくられた(継続生産含む)、軽自動車用エンジンを使ったフォーミュラマシンによるFLレース決勝のスタートシーン。出走は15台。
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22/32FLレースでトップ争いする1980年「ファルコン80A」と1978年「ハヤシ712」。最終結果は後者が優勝で前者が2位。どちらもスズキ製水冷2ストローク3気筒エンジンを搭載する。
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23/32FLレースに出走した1970年「アローS2R」。ロールバーの左右に直立しているのはラジエーター。走行風はよく当たるだろうが、空気抵抗も大きそうだ。
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24/32ジャパンランと名付けられた、国産クラシックカーによるスポーツ走行に出走した1976年「マツダ・サバンナGT(RX-3)」。カラーリングはマツダのエースドライバーだった故・片山義美氏が駆ったマシンに倣っている。
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25/32ジャパンランに出走した1971年「日産チェリー4ドアX-1」。日産初のFF車だった初代チェリーの高性能版。「サニー1200GX」と基本的に同じSUツインキャブ仕様のA12エンジンを搭載する。
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26/32こちらはオーバーシーズランと題された輸入クラシックカーによるスポーツ走行に出走した1971年「フォード・エスコート ツインカムMk1」。
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27/32オーバーシーズランに出走した1967年「BMW 1600-2」。後に「1602」に改名する、通称02シリーズの最初のモデル。既存の4ドアの「1600」と区別するために「1600-2」と命名されたのだった。
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28/32型式名B310こと4代目「ダットサン・サニー」とKP61こと2代目「トヨタ・スターレット」のフルチューニング車両によるTSカップ。21台のB310と1台のKP61が出走した決勝のスタートシーン。
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29/32TSカップの予選中に雨の勢いが増し、たちまちウエットコンディションになった。ヘッドライトをともしていく、日産のコーポレートカラーであるトリコロールに塗られた「スクーデリアヒタチSPMコミネ・サニー」は、決勝で7位に入った。
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30/321台のみエントリーしたKP61である「HTIカンパニー+K☆SRGスターレット」。丸目(円形ヘッドライト)の前期型である。
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31/32TSカップでポール・トゥ・フィニッシュを飾った「阿久津製作所サニー」。ウエットレースだった決勝のファステストラップ1分10秒099は、全レースを通じてこの日のベストタイムだった。
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32/32水煙を上げながら連なってS字コーナーをいくTSカップの出走車両。