クラシックカー&スーパーカーの展示イベント「サンブレフェスタ2022」の会場から
2022.07.01 画像・写真2022年6月26日、群馬県太田市の「道の駅おおた」で「サンブレフェスタ2022」が開かれた。これは毎月第2日曜日に「サンデーブレックファスト」と称してこの道の駅に集まり、ボランティアで清掃を行っているクルマ好きグループによる、クラシックカー&スーパーカーの展示イベントである。
2021年の同時期に開催された際には、茨城県水戸市でボディーショップ「カスタムビルド&レストアWATAHIKI」を営む綿引雄司さんが製作した、F1史上唯一となる前2軸の6輪マシン「ティレルP34」のレプリカがお披露目され話題となった。その時点ではまだ製作途上だったが、完成して走行可能となったマシンは、今回は昨年の1977年シーズン用とは異なり、新作となる1976年仕様のカウルをまとって展示された。
それを含めて約50台が集まった会場は、(後から分かったことだが)梅雨明け直後の最高気温35度超の猛暑にもかかわらず、多くの来場者でにぎわった。会場から、リポーターの印象に残った参加車両を紹介しよう。
(文と写真=沼田 亨)
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1/252021年と同様、むき出しでセーフティーローダーに積まれて会場に到着した「ティレルP34」レプリカ。この時代なら「ティレル」じゃなくて「タイレル」だろうという声があることは承知しているが、ここでは「ティレル」で統一させていただく。
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2/25製作者である綿引雄司さんが自らステアリングを握り、デモランを兼ねて自走で展示位置まで移動。
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3/25デビューした1976年バージョンのカウルをまとっている。未塗装なのは、アルミたたき出しであることをアピールするためとのこと。ちなみにこのレプリカの存在については、ティレル創設者のケン・ティレル氏の次男で、ティレルの版権を管理しているボブ・ティレル氏から「趣味の範囲で楽しむ限り許可する」という公認をもらえたそうだ。
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4/25パワートレイン。縦置きされたパワーユニットはスズキのモーターサイクル「GSX1300Rハヤブサ」用の1.3リッター直4 DOHC 16バルブ。同じくハヤブサ用のトランスミッションから「スズキ・カプチーノ」用デファレンシャルにチェーンを介して駆動力が伝えられる。
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5/25反対側から眺めると、チェーンドライブの機構がよく分かる。鋳造アルミ製の立派なブレーキキャリパーは、ナローの「ポルシェ911」のフロント用のSキャリパーという。
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6/25参加車両のおよそ半数が並んだ光景。手前は2012年から2015年までに50台のみつくられたという「ジネッタG60」。フォード製3.7リッターV6エンジンをミドシップする。
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7/25現在80代のオーナーが3年落ちで購入して以来、所有し続けているという1971年「日産フェアレディ240ZG」。ボディーは1度リペイントされているそうだが、「エンケイ・ディッシュ」のアルミホイールをはじめ入手当初の状態がほぼ維持されているという、希少な“天然モノ”である。
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8/25「日産フェアレディ240ZG」。写真左上から時計回りに、リペイント時になぜかリアガーニッシュとスポイラーもボディー同色で塗られてしまったリアビュー。オーバーフェンダーはほかの部分に比べて劣化が少ないと思ったら、1度盗難に遭い交換したためという。その際にオリジナルのネジ留めから(外されないように)リベット留めに変えたとのこと。インテリアはフルオリジナル。使い込まれたウッドリムのステアリングホイールが歳月を物語る。SUツインキャブ仕様のL24エンジンもフルノーマル。
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9/251981年「スバル・レオーネ エステートバン4WD」。この2代目レオーネから登場する「ツーリングワゴン」のベースとなった商用バンの4WD仕様。
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10/25「スバル・レオーネ エステートバン4WD」のオーナーが、知り合いのスバル販売店から譲り受けたという、1980年代のスバル販促グッズ。左上から時計回りにナショナル(現パナソニック)製のスバル純正オーディオの卓上マッチと2代目レオーネがあしらわれたあいさつ状、2代目レオーネのイメージキャラクターを務めていた原 辰徳と岩崎宏美をフィーチャーしたトランプ、2代目レオーネ用オートエアコンの機能説明POP、そしてポケットティッシュ。ちなみに写真右下でオートエアコンのPOPの右側にぶら下がっているのは、1970年代初頭にはやった「パックカメラ ハリーナ」。カートリッジ式フィルムを使う初心者用の廉価カメラである。
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11/253台並んだ、地元太田産の「スバル360」。手前から1964年「スタンダード」、専用のメタリック塗装が施された1969年「スーパーデラックス」、1967年「デラックス」。
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12/25右は「ホンダS600」、左は「ダットサン・フェアレディ1600」(SP311)と思いきや、左ハンドルなので北米仕様の「ダットサン1600ロードスター」(SPL311)である。
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13/25「オースチンA35」。デビュー当初は「オースチン・セブン」を名乗った、「Mini」誕生以前のオースチンの最小モデルとなる1リッター級サルーン。隣は同じBMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)内の同級車である「モーリス・マイナー」のピックアップ。
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14/251963年から1972年までつくられた「ダイハツCM8」(左)と1957年から1974年までつくられた「マツダT2000」(右)。オート三輪(三輪トラック)の2大ブランドによるライバル同士である。ちなみにダイハツCM8のオーナーは25歳の青年だが、このほか数台の「ハイゼット」などを所有するダイハツ好きとか。
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15/25「ダイハツCM8」のオーナーの後輩という、23歳の若者が乗ってきた「ダイハツ・アプローズ」。これは1993年式の中期型だが、オーナーは前期型と後期型も所有しているというから驚き。BBSのアルミホイールは「いすゞ・ジェミニ ハンドリング・バイ・ロータス」用だが、このホイールとグリーンのボディーカラーから、「ジェミニですか?」と聞かれることがよくあるそうだ。正直に否定して話が長くなるのが面倒なので、最近は「まあ、そんなもんです」と流しているとか(笑)。
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16/252021年に続いて「フィアットX1/9」のワンメイククラブである「グループ・ラナバウト」がツーリングの途中で合流した。
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17/25「フィアットX1/9」の開発に関わったジャンパオロ・ダラーラがプロデュースした「ダラーラX1/9」風にモディファイした仕様。グラマラスなボディーキットによって3ナンバー登録となっている。
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18/25「ディーノ208GT4」。ベルトーネ(スタイリストはガンディーニ)が手がけた2+2ボディーに2リッターV8 DOHCエンジンをミドシップしたモデル。
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19/25イエローのボディーが美しい、すばらしいコンディションの「ディーノ246GTB」。
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20/25デタッチャブルトップを持つ「ディーノ246GTS」を、「フェラーリ250GTO」の設計者として名高いジオット・ビッツァリーニがプロデュースしたワンオフのスペチアーレ(スペシャル)といわれるモデル。
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21/25「ディーノ246GTSスペチアーレ」のリアビュー。
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22/25以前にwebCGでも個展をリポートした、バルサ材を主体にフェラーリのモデルをスクラッチビルドしているモデラー、山田健二さんの最新作「フェラーリF40」が展示されていた。スケールは1/6である。
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23/251/6「フェラーリF40」のエンジンルーム。配線・配管類を除きすべてバルサ製である。
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24/251/6「フェラーリF40」のコックピット。
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25/25前2列がイベント参加車両。手前の「ポルシェ944」はグループ4ホモロゲーションモデルの「924カレラGT」風にモディファイされている。