100台の旧車が熱いバトルを展開! 「JCCA筑波ミーティングサマー」の会場から
2022.07.07 画像・写真2022年7月3日、茨城県下妻市の筑波サーキットで、JCCA(日本クラシックカー協会)が主催する恒例の旧車レース「JCCA筑波ミーティングサマー」が開かれた。新型コロナ禍が始まって以来、JCCAでは富士スピードウェイでのイベント開催を見合わせており、すべてのイベントは筑波サーキットで開かれている。毎年、この時期は梅雨の真っ最中なのだが、今年はご存じのとおり観測史上最速となる梅雨明け後。となれば当日は酷暑に見舞われるかと思いきや、もちろん暑いのだが戻り梅雨の気配もあって、午後は時折小雨が降った。
今回のプログラムは1960~1970年代のスポーツカー/ツーリングカーによるP+S、S、Fの各レースと、B310型「ダットサン・サニー」とKP61型「トヨタ・スターレット」によるTSカップ クラブマンとマイナーツーリング、葉巻型シングルシーターによるヒストリックフォーミュラ、そしてダンロップのバイアスレーシングタイヤを履いたスポーツカー/ツーリングカーによるヒストリックマスターズという全7レース。エントリーは全レース合わせてちょうど100台で、ほかにスポーツ走行に38台が参加した。オイル漏れによるコース清掃やコースアウトした車両を排除するための数度の赤旗中断はあったものの、大きなアクシデントはなく、随所で熱いバトルが展開されたサーキットから、出走車両を中心に紹介しよう。
(文と写真=沼田 亨)
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1/30パドック風景。午前中は時折太陽が照りつけ、暑かった。
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2/30サスペンションの改造のみが許されるPレース(1968年前後の車両によるP68レースと1970~1975年のP75レースの混走)に、エンジンとサスペンションの改造が認められるSレースの一部の車両を加え、11台が出走したP+Sレース決勝のスタートシーン。ポールトゥフィニッシュで実に12連勝を飾った「ポルシェ911 2.4」に続いて予選3位の「ロータス・ヨーロッパSP」が2位、予選2位の「日産フェアレディ240ZG」が3位となった。
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3/30P+Sレース予選における、浮谷東次郎仕様の「トヨタ・スポーツ800」と2代目「トヨタ・カローラ1200」。
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4/30P+Sレース予選より、タイヤスモークを上げるアメリカンなサンデーレーサー風の「ポルシェ911 2.0」と「ホンダS800」。
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5/30ウイングなどのエアロパーツを持たない葉巻型シングルシーターによるヒストリックフォーミュラ決勝には9台が出走。ポールポジションを獲得したカーナンバー13の「マクラーレンM4B」はそのままホールショットを奪ったが、マシントラブルで0周リタイア。予選3位の「ロータス59」(左端)は出遅れている。
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6/30スタートで出遅れた「ロータス59」(ナンバー29)だったが、すぐにリカバリーしてトップに立ち、そのままゴール。続いたのは予選2位の「ブラバムBT21」(ナンバー10)。
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7/306位争いをする3台。41番は「ホンダS800」用エンジン搭載の「ロータス41」、81番は「クーパーT72」、38番は「マーリンMk17」。
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8/30この日最多の21台が出走した、エンジンとサスペンションの改造が認められるSレース(1965年までの車両によるS65レースと1968年前後のS68レース、1970~1975年のS75レースの混走)決勝のスタート。
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9/30Sレースをポールトゥフィニッシュで制した「ダットサン・ブルーバード1800SSS」。ブレーキロックして激しくタイヤスモークを上げている、予選中のカット。
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10/30優勝を含むSレース上位入賞の常連である予選2位の「ポルシェ911カレラ3.0」と同3位の「日産フェアレディZ432」のバトル。前者はそのまま2位でゴールしたが、後者はリタイアした。
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11/30Sレース決勝における「日産フェアレディ240ZG」同士のバトル。最終結果は前を行く11番が5位、後方の89番が3位。
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12/30同じくSレース決勝に出走した珍しい三菱車「コルト・ギャランFTO 1600GSR」と「アルファ・ロメオGT1300ジュニア」のサイドバイサイドのバトル。前者は9位、後者は12位でフィニッシュした。
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13/30これもSレース決勝における「トライアンフTR4A」と「アルファ・ロメオ・セブリングスパイダー」、そして「コーティナ・ロータスMk1 Sr1」の三つどもえの争い。
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14/30これまたSレース決勝における「ダットサン・フェアレディ1600」(SP311)と初代「日産シルビア」(CSP311)という、シャシーを共有する2台のバトル。
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15/30Sレース予選での「ホンダ1300クーペ」。チューニングパーツどころか純正部品でさえ入手困難であろうクルマで参戦する心意気に拍手。
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16/30Sレース予選を走る、「ポルシェ911R」風にモディファイされた「911E 2.0」。決勝では10位だった。
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17/30Sレース予選における「ダットサン・ブルーバード1800SSSクーペ」。ドライバーはすっかり常連となったクレイジーケンバンドの横山 剣さんで、決勝では7位でフィニッシュした。
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18/301970年までの車両および特認車両のフルチューニング車両によるFレース決勝で、予選3位から優勝した「SPM斎藤運輸カメアリセリカ」。後方は予選4位から3位に入賞した「DAISHINブルーバード」。
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19/3013台が出走したFレースで予選2位、決勝でも2位に入った「ZIEL RACING 510ブルーバード」のドライバーは、1998年全日本GT選手権のGT500チャンピオン経験者にして、現在もスーパー耐久に参戦中の影山正美さん。
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20/30Fレース予選で「セリカ」や「ブルーバード」など格上のマシンを抑えてポールポジションを獲得し、全レースを通じてこの日のベストタイム(1分00秒228)を記録した「スマカメH.R B110サニー」。決勝では残念ながら5位に後退した。ドライバーの久保田克昭さんは、往年のF1マシンによるモナコ・ヒストリックGPに「ロータス72E/6」で参戦し、ポールトゥフィニッシュを飾ったこともある人物。
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21/30Fレース予選より、「ANGELINI柳原1750 GTAm」に「マツダ・ファミリア ロータリークーペ」が続く、まるで半世紀前のスパ・フランコルシャン24時間耐久のようなシーン。
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22/30ダンロップのバイアスレーシングタイヤ「CR65」の使用が義務づけられるヒストリックマスターズレースで、ぶっちぎりでポールトゥフィニッシュを果たした「ロータス26R(レーシングエラン)」。
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23/30ヒストリックマスターズレースで予選3位から決勝では2位となった「ダットサン・フェアレディ2000」(SR311)。俗にローウィンドウと呼ばれるウインドシールドの丈が低い初期型。
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24/30ヒストリックマスターズレースで予選2位から決勝では3位となった「ロータス26R(レーシングエラン)」と、予選4位から決勝でも4位に入った「ホンダS800」のバトル。
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25/3011台が出走したヒストリックマスターズレースにおける、「オースチン・ヒーレー・スプライトMk2」と「オースチンA35」の同門対決。
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26/30B310型「ダットサン・サニー」とKP61型「トヨタ・スターレット」のエキスパートによるTSカップ マイナーツーリング決勝。15台が出走したが、1台がコースアウトして赤旗中断し、レースは2ヒート制となった。これは最初のスタートシーン。
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27/30TSカップ マイナーツーリング決勝でポールトゥウィンを飾った「GSエスプリ☆バクヤスオートサニー」。続くのは予選2位から決勝でも2位となった「ROYAL LUBRICANTS倉田サニー」。
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28/30懐かしのレイトンカラーの「レイトンハウストリイサニー」を駆るのは、Fレースに出走した影山正美さんの実兄にして、全日本F3/ツーリングカー/GT選手権で数度の王座を獲得し、現在もスーパー耐久に参戦している影山正彦さん。予選3位から決勝でも3位だった。実は正美さんもこのレースにエントリーしていたのだが、予選中のトラブルで戦線離脱。残念ながら今回は兄弟対決は実現しなかった。
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29/30TSカップにはエントリークラスのTSカップ クラブマンレースもあるのだが、これはそちらに出走した「HTIカンパニー+K☆SRGスターレット」。1コーナーに進入するたびにマフラーからアフターファイアーを吐き出す光景がカッコよかった。
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30/30パドック風景。Fレース決勝のコースインを前に、各チームのスタッフが最終点検・整備を行っている。