クラシックカーの祭典「ニューイヤーミーティング」開催
2011.02.01 画像・写真2011年1月30日、船の科学館にほど近い東京・青海の特設会場で、今回で35回目を迎えた恒例の「JCCAクラシックカーフェスティバル ニューイヤーミーティング」が開かれた。会場にはスワップミートを含め約300台の個人出展車両をはじめ、85のクラブスタンド、54のオートジャンブル(旧車関連ショップの出店)が並んだ。当日の東京ベイエリアは最高気温7度、午後からはときおり雪もパラつく冷え込みのきびしい一日だったが、会場は1万人を超える来場者でにぎわった。出展車両のなかから、リポーターの印象に残ったモデルを紹介しよう。(文と写真=沼田 亨)

1965年「フォード・マスタング」。3.3リッターの直6エンジンを搭載した、初代マスタングの基本となるハードトップ。「練馬3」のシングルナンバー付きのワンオーナー車という申し分のないヒストリーつきで、コンディションも良好。
-
1965年「フォード・マスタング」。3.3リッターの直6エンジンを搭載した、初代マスタングの基本となるハードトップ。「練馬3」のシングルナンバー付きのワンオーナー車という申し分のないヒストリーつきで、コンディションも良好。
-
1970年「フォード・ランチェロ スクワイア」。インターミディエート(中間サイズ)のセダンである「トリノ」をベースにしたピックアップで、「シボレー・エルカミーノ」のライバル。5.8リッターV8エンジンを搭載。
-
1965年「シェルビー・コブラ427SC」。生産台数348台といわれる希少なオリジナルの427SC。車重1トン弱の車体に427キュービックインチ(7リッター)のV8エンジンを積み、0-400m加速は12.2秒。「世界一どう猛なクルマ」の異名をとった。
-
1974年「ランチア・ストラトス」。人気の高さゆえ今日では複数のスペシャリスト製レプリカが出回っているストラトスだが、これは生産台数492台と伝えられるオリジナルの1台。エンジンは「ディーノ246GT」と共通の2.4リッターV6。
-
1966年「シムカ1500」。シムカは戦前にフィアットのライセンス生産から始まったフランスのメーカーで、60年代にクライスラーの傘下となり、70年代に今度はプジョーに吸収され、80年代に命脈が途絶えた。「1500」は平凡な4ドアセダンだが、これは新車で輸入された個体の超希少な残存車両。
-
1970年「サンビーム・スティレット」。「ミニ」のライバルとして登場した「ヒルマン・インプ」から派生したスポーティクーペで、875ccエンジンをリアに積む。1960年代にクライスラーの子会社となって以降、シムカと同様の運命を辿ったイギリスの「ルーツ・グループ」の作である。
-
「法政大学体育会自動車部」が出展していた1938年「ジャガー3-1/2リッター」。1966年に部に寄贈され、1980年にOB有志から募った寄付金650万円をかけてレストア。その際にナンバーを再取得し、以後今日まで動態保存されているという。
-
1968年「ダフ44」。CVTの元祖となる、「バリオマチック」と呼ばれる無段変速機が特徴のオランダ産の小型車。エンジンは空冷フラットツイン844cc。「クルマ生活Q&A」でおなじみの松本英雄氏が、一時期所有していた個体である。
-
1970年「トヨタ・カリーナ1400 2ドアデラックス」。70年にデビューした初代カリーナの最初期型、しかも1400の2ドアデラックスという低級グレードのフルオリジナル車両。残存率からいけば相当にレアな個体である。
-
1976年「トヨペット・コロナ1600デラックス」。往年の地方の小型タクシー風のコスプレが施された、これまた珍しい5代目コロナの低級グレード。タクシー仕様にふさわしい「ベンコラ(ベンチチート+コラムシフト)」であることも、マニアには見逃せないポイント。
-
1962年「日産セドリック・バン」。ルックスはアメリカンだが、中身はライセンス生産していた「オースチンA50」から受け継いだ英国流の設計だった初代セドリックのバン。この個体はなかでも希少な初期型。エンジンは当時の小型車規格いっぱいの1.5リッター直4。
-
初代「ダットサン・フェアレディ」をベースに1965年に誕生した初代「日産シルビア」。554台がハンドビルトされた希少車だが、今回は3台のノーマル仕様と3台のレーシング仕様(写真)が出展された。美しさでは日本車史上五指に入るクルマだと思う。
-
1971年「日産チェリー・バン」改ワゴン。70年にデビューした日産初のFF大衆車「チェリー」。そのバリエーションだった4ナンバーの「バン」に、高性能モデル「X-1」のパワートレーンを移植し、5ナンバー登録としたカスタム。いわばスポーツワゴンだが、なかなかスタイリッシュだ。
-
左の2台は1958年から基本的な変更なしに76年まで作られたキャブオーバートラックである「プリンス・クリッパー」(プリンスが日産と合併した1966年以降は「日産プリンス・クリッパー」)。これらは1970年代のモデルだが、マスクのデザインは今見ても秀逸である。右端は1975年「日産キャラバン」のキャンパー。
-
1960年に誕生したマツダ初の乗用車である「R360クーペ」。なんともかわいらしい2+2ボディのリアに空冷4ストロークVツイン356ccエンジンを搭載し、トルコン(AT)仕様も用意されていた。右が1965年「スタンダード」で、左が同年の「デラックス」。
-
「日野コンテッサクラブ」は、1961年にデビューした「コンテッサ900」の誕生50周年を祝して同モデル3台を展示。左は希少な初期型である1962年「デラックス」、真ん中と右は日本初のスポーツセダンである、これまた希少な1964年「900S」。
-
今回のフィーチャーメイクだったホンダ。左から1969年「1300 77S」、同「1300 99S」、1974年「145クーペGL」。「1300」は「DDAC(二重空冷)」と呼ばれる特殊な空冷エンジンを搭載、良くも悪くも特徴だったそのエンジンを一般的な水冷に換装したのが「145」である。いずれも新車当時からのナンバーを付けている。
-
1962年の東京モーターショーに出展されたものの、ついに市販されず、試作車も行方不明という「幻の軽スポーツ」である「ホンダS360」。これはSマニアが「S600」をベースに作り上げたレプリカ。当時の軽規格(全長3m、全幅1.3m)に収めるため長さ、幅ともに切り詰めているが、とくにオーバーハングをカットした短いテールに注目。
-
「ホンダSシリーズ」のワンメイククラブである「ホンダツインカムクラブ」は、1968年「コニリオ」、1968年「マクランサ」、1968年「グリフォン」(左から)という3台の希少なSベースのスペシャルを出展。「コニリオ」と「マクランサ」はレーシングカー、「グリフォン」はロードカーである。
-
中心部は約300台を数えた「個人出展車両」と「スワップミート」。周囲のテントは「オートジャンブル」と呼ばれるショップの出店。このほかに「クラブスタンド」があり、会場全体のスペースは、この写真のおよそ2倍。