ミシュラン・チャレンジ・ビバンダム リオ2010
2010.06.28 画像・写真2010年5月30日〜6月3日に、ブラジルはリオデジャネイロで開催された「ミシュラン・チャレンジ・ビバンダム」の様子を、写真で報告する。
(文=河村康彦/写真=日本ミシュランタイヤ)

軽く見積もっても1000人は下らないゲストの前で行われたオープニングセレモニー。会場は、リオデジャネイロの中心から30分ほど西の、見本市会場「リオセントロ」。
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軽く見積もっても1000人は下らないゲストの前で行われたオープニングセレモニー。会場は、リオデジャネイロの中心から30分ほど西の、見本市会場「リオセントロ」。
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オープニングセレモニーの最後で拍手喝采(かっさい)を浴びたのが、ブラジルのルーラ大統領。言葉(ポルトガル語)は分からなくても説得力満点で聴衆を引き付けるスピーチに、「これぞ指導者!」とちょっとうらやましくもアリ……。
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1998年の第一回イベントの時点で100歳だったので、今年で112歳ということになるビバンダムことミシュランマン。もちろん、どこに現れても大の人気者。
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初公開された、ミシュランの小径コンセプトタイヤ。10インチ径の右側のタイヤは、左の14インチ径のものと同等のオンロード性能を備えるという。車両重量で約40kg(ホイール+タイヤ分)の軽量化が可能となると同時に、これを前提にボディデザインを行えば、キャビンやラゲッジスペースの拡大が可能にもなると考えているようだ。
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小径タイヤを出展したかと思えば、返す刀で(?)大径・幅狭のコンセプトタイヤも同時に提案するミシュラン。変形を抑制して転がり抵抗を低減させるとともに、周長を伸ばすことで長寿命化。一方で、全幅を小さくする事で空気抵抗も減少させるのが狙い。「EVやハイブリッド車のため」という説明から、インホイールモーターの採用を前提にしていると考えられる。
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小径/大径の両コンセプトタイヤと並んでミシュランブースに出展されたのが、ホイール内にモーターのみならず、フルアクティブサスペンションまでも組み込んだ「アクティブホイール」(左)。このプロトタイプは、30kWの駆動用モーターと並べてサスペンション駆動用のモーターを搭載。わずか0.003秒という反応時間でサスペンションを自在に動かし、インホイールモーターゆえのばね下重量の大きさのハンディキャップを克服するという。
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展示ブースの床に、なぜか雑草の束が……と思いきや、これがブラジル名産のサトウキビ。実はここは「サトウキビ製造者組合」というブラジルならではのブース。ちなみに、この国のガソリンには現在、サトウキビ由来のエタノールを25%含有することが定められているという。
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先に紹介の小径タイヤを、サスペンションやブレーキなどを専用にリファインした「シトロエンC2」に装着したテスト車。
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小径タイヤ装着の「シトロエンC2」に試乗。もちろんまだ試作段階で「発売の予定も全く未定」というが、標準タイヤを装着したモデルと乗り比べて「明確な違いは感じ取れない」ことは確認できた。
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テストドライブを行った場所は、1980年代にはF1レースも行われた、ネルソン・ピケ・サーキット。
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チャレンジ・ビバンダム史上、最大の参加台数という電気自動車(EV)は、主に会場内でのテストドライブ。4輪なのにステアリングホイールが無い「プジョーBB1」にも、短時間の同乗“タクシーライド”ながら試乗成功。
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そんな「BB1」のパワーユニットは、ミシュラン製のインホイールモーター。左右後輪に7.5kWずつの合計15kWとしたのは、フランスの「クワドリシクル」(電動4輪自転車)の法制度に対応したものとか。
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「BB1」と並んで、すさまじい人気だった「アウディe-tron」にも、なんとか同乗試乗できた。無音状態からいきなりの4輪駆動による“カタパルト発進”は、強烈な体験。
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「スズキ・スプラッシュ」との兄弟車を用いて、ウリエイズ/ミシュラン/オレンジの3社が共同開発したこのEVは、実はアクティブホイールを装着するプロトタイプ車。このモデルもサーキットでステアリングを握ることができたが、舗装がフラット過ぎてサスの動きが分かりにくかったのは残念。
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“持続可能なモビリティ”には、こんな風変わりな乗り物も。もちろん電気駆動で、足こぎにはあらず。
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参加車両には制限を設けていないため、なかにはこんなモデルや大型バスなども参加。ちなみに、ミシュラン製以外のタイヤを装着していてもおとがめナシというのが大人のイベント……。
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数多く用意された、なんだか良く分からない賞(?)を貰っても、出展者はやっぱりうれしそう。
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まさしく“インホイールモーター”採用のこんなモデルも、もちろんこれからのモビリティのひとつ。
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実はイベントの一環である“エコ・ドライビング・チャレンジ”に、当方も体験参加。ラリー形式ながらコマ地図に誤りがあったりして、土地勘ゼロの当方はあっけなく地元組に敗退。それでも、初のブラジルを300kmほど走れたのは貴重な体験だった。ちなみに、参加車両はブラジル専売の、「プジョー207」をベースとしたピックアップトラック「ホガー」なる発売間もないモデル。
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舗装率は100%でもどういうわけかその質が悪く、激しく上下に揺すられるのがリオデジャネイロの道。意外だったのは排ガス臭がほとんど感じられなかったことだ。ちなみに、サトウキビ由来のエタノール燃料を使うので「排ガスから甘い香りがする」というのは、どうやら“都市伝説”……(が、かつては実際にそうであったとか)。