
1964年製の初代「エルフ」。奈良いすゞが所有していた不動車をいすゞ本社が引き取り、昨2007秋の東京モータショーに出展するために試作部でフルレストアされた。現在は走行可能な状態にある。
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1964年製の初代「エルフ」。奈良いすゞが所有していた不動車をいすゞ本社が引き取り、昨2007秋の東京モータショーに出展するために試作部でフルレストアされた。現在は走行可能な状態にある。
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当時のエルフにはホイールベースが長短2種あったが、これは2460mmのロングホイールベース版の標準(低床)ボディ。荷台長は3020mmで「10尺ボディ」と呼ばれていた。サイズは小型車規格ほぼいっぱいの全長×全幅×全高=4690×1690×1990mm、車重1540kg。最大積載量2000kg。
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まだ写真ではなく絵が使われていた1959年のデビュー時のカタログより。取材したモデルとはフロントグリルやエンブレムのデザインが異なっている。
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同じカタログに描かれていたエルフのマスコット。小さな体にいっぱいの荷物を抱えた「お茶目小僧」である。
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シンプルなインテリア。シートや内張りはオリジナルに近い色目のビニールレザーで張り替えられ、失われていたドアハンドルやキーは残されていた図面に従って複製された。エンジン本体はもちろん、ラジエターなどの補機類もシート下に収めているため足元は広々としている。4段ギアボックスのシフトレバーはコラムにある。
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エルフに先行していたライバルたち。上からトヨタの「トヨペット・ダイナ」、「日産キャブオール」、そして「プリンス・クリッパー」。いずれも当時(1960年8月まで)の小型車規格(5および4ナンバー)いっぱいの1.5リッターのガソリンエンジンを搭載した2トン積である。これらライバルに比べると、エルフは設計が新しいだけに、よりフラットでガラス面積が広い近代的なデザインだったことがわかる。
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1962年発行のエルフのカタログより。キャビンが3人がけの場合、真ん中に女性を挟んで座るのが、当時のカタログや広告では半ばお約束だった。
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シート下に収められた、エルフ自慢の国産初の量産小型ディーゼルエンジン。アルミヘッドを持つ直4OHV1991ccで、最高出力55ps/3800rpm、最大トルク12.3kgm/2200rpmを発生。最高速度85km/hまで引っ張った。
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カタログの光景を取材班が再現してみました。ステアリングを握っているのは、試乗を担当した松本英雄。見てのとおり、大人3人がけでも窮屈じゃない。
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この初代エルフをレストアした、いすゞ自動車の試作部を中心とするスタッフの方々。
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いすゞの工場敷地内を走るエルフ。トラックに乗っているとは思えない優しい乗り心地。3人並んで乗るとなぜか楽しい気分になります。足下中央にあるつまみの付いたフタがベンチレーター。開けるともちろん地面が見えます。
『第60回:初代「いすゞエルフ」に会いたい! カワイイ顔した働き者』の記事ページへ戻る