「ペスカローロ」のトレルイエに見る、公開車検の一日【ルマン 07】
2007.06.14 自動車ニュース【ルマン 07】「ペスカローロ」のトレルイエに見る、公開車検の一日
レースでは不可欠の車検。レギュレーションに則り、レースウィーク中にオフィシャルによるチェックが行われる。これは、どんなレースでも共通だ。
しかし、ルマン名物の公開車検は、ほかとひと味もふた味も違う。熱心なお客さんにも楽しんでもらえる演出が多く準備されているのだ。
今回は、車検が行われるジャコバン広場から、ブノワ・トレルイエ選手の様子をご紹介しよう。
■車検日は、大忙し
2007年6月10日、岡山国際サーキットでの全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第4戦を終え、翌日には機上の人となったトレルイエ。「またルマンに戻ってこれてうれしいね」と笑顔を見せながらも、11日夜にフランス入りし、12日の朝8時30分すぎにはジャコバン広場での参加受付へ。タイトなスケジュールにもかかわらず、「朝早くから仕事してるのに、ちゃんと忘れ物もしなかったんだよ」と相変わらずの茶目っ気ぶりだった。
車検後は、「ペスカローロ」のチームスタッフそしてドライバーが全員集合し、記念撮影。その準備をする間、トレルイエのチームメイトであるH・プリマがちょうど32歳の誕生日を迎えたことから、チームのファンが「Happy Birthday To You〜!」と大声で合唱する場面も見られた。
そしていよいよ、集合写真だ。壇上で待ち構えるカメラマンのリクエストに応え、あっちを向いたりこっちを向いたり、モデルなみのポーズを披露する。
その後は、観客向けのステージで、トークショー。ペスカローロのドライバー6人が勢ぞろいした。
■ドライバーは、この日に決まる
このジャコバン広場での車検は、ルマンを戦うドライバーの最終的な顔ぶれが決まる場でもある。事前に手渡されたプレスキット(取材資料)に載っていたドライバーの名前と顔写真が変わることも珍しくはない。その昔はヘルメットとレーシングスーツを手に、出走のチャンスを狙うドライバーもいたとか。
というわけで、ファンに対しても最新の参戦ドライバー情報を伝えるため、写真のようなボードが用意されている。車検の順番やチーム名、参加クラス、マシンは事前に決定していても、ドライバー名だけはすべての作業が終わってからステッカーが貼られるのだ。
トークショーを終えたトレルイエは、ステージを下り、今度はファンサービスの時間。待ち構えた人たちに次々とサインし、ジャコバン広場での全ミッション(?)を終了した。
■ファンサービスから予選へ
水曜から始まる予選では雨の予報が出ていたが、「予選のときにウェットコンディションを体験しているほうがいいよね。決勝で雨になっても落ち着いて走れるから」といたって前向きだ。
「雨で燃費が伸びれば、ディーゼルエンジン勢同士の争いにも食い込めるのでは?」との問いには、「チャンスはいつでもあるから大丈夫。ペスカローロはどのように24時間を戦うのか、ちゃんと理解してる」「プジョーは確かに速いけれど、まだまだトラブルがあるようだし」。
「2台体制のチームは、ナンバー2カーのほうにチャンスが巡るケースが多いんだよ」とニヤリ。そのトレルイエは、ペスカローロのナンバー2カーをドライブする。
ルマンの自己ベストは4位。今年は、表彰台の一角を狙う。
(文と写真=島村元子/text&photo=Motoko Shimamura)
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