【F1 2006】第15戦イタリアGP、シューマッハー“最後のモンツァ”で優勝、アロンソはリタイアし僅か2点差に
2006.09.11 自動車ニュース【F1 2006】第15戦イタリアGP、シューマッハー“最後のモンツァ”で優勝、アロンソはリタイアし僅か2点差に
F1世界選手権第15戦イタリアGP決勝が、2006年9月10日、イタリアのモンツァ・サーキット(5.793km)を53周して行われた。
フェラーリの熱狂的ファン“ティフォシ”の目の前で、跳ね馬駆るミハエル・シューマッハーがトップでチェッカードフラッグをくぐりぬけた。
今シーズン6勝目、通算で90勝目という区切りの勝利。同時に、タイトルを争うライバル、フェルナンド・アロンソがエンジンブローでリタイアしたことで、得点差を2点にまで縮める重要な1勝となった。アロンソ108点対シューマッハー106点という大接戦の状態で、残り3戦に突入する。
F1のあらゆる記録を我がものとしたシューマッハーは、レース後、今シーズン限りで現役から引退することを発表した。
同時に、キミ・ライコネンが2007年フェラーリに移籍することも明らかになった。
その次世代のフェラーリ・スター、ライコネンのマクラーレンが2位でゴールした。
3位には、3戦目のルーキー、大健闘のBMWザウバー、ロバート・クビサが入った。
以下、4位ジャンカルロ・フィジケラ(ルノー)、5位ジェンソン・バトン(ホンダ)、6位ルーベンス・バリケロ(ホンダ)、7位ヤルノ・トゥルーリ(トヨタ)、8位ニック・ハイドフェルド(BMWザウバー)が入賞した。
スーパーアグリ・ホンダの佐藤琢磨は2周遅れの16位完走、山本左近はメカニカルトラブルで序盤に姿を消した。
■不条理もまたF1なのか
たしかにシーズン中盤以降フェラーリは優勢に転じており、いっぽうのルノーが不調に陥っているように見える。
その力のバランスが人為的に歪められているとしたら、F1のスポーツ性に疑問符をつけなければならないが、しかし、そのような不条理もまたF1という世界なのかもしれない。
シーズン半ばまで圧倒的な強さ・速さを顕示していたルノー&アロンソに対し、国際自動車連盟(FIA)は、ルノーの強力な武器「マスダンパー」を取り上げた(もちろん、マスダンパー禁止は全チーム共通のルールだが、なぜこのタイミングで、という疑問は残る)。
そして今回、イタリアGPのレーススチュワードは、予選でアロンソがマッサをブロックしたということで、アロンソの予選でのベストタイム3つを取り上げた。
10番グリッドにまで追いやられてしまったアロンソは、「F1はもうスポーツじゃない」とFIAとレーススチュワードに抗議の姿勢を示した。
シューマッハーは2番グリッド。重すぎるペナルティが、アロンソの前に立ちはだかった。
■満身創痍のアロンソ、キャリアに終止符を打つシューマッハー
それでも、アロンソは与えられた状況下で沈着冷静にレースをこなした。2周目には6位へとジャンプアップ、中盤にかけてマッサを追いやり、大健闘のクビサを抜き、気がつけば1位シューマッハー、2位ライコネンの後ろ、3位を走行していた。
これで被害を最小限に抑えられる、というアロンソの目論見は、残り10周、滅多にないルノーエンジンのブローで夢と消えた。最後までツキに見放されたチャンピオン。12点あったポイント差を2点にまで減らし、満身創痍で中国、日本、ブラジルのラスト3戦にのぞまなければならなくなった。
いっぽうのシューマッハーは、最初のピットストップでポールシッターのライコネンを抜き首位に浮上。以後彼らしい独走を演じきった。
ウィニングランを終え、パルクフェルメにマシンを停めたシューマッハーは、ルカ・ディ・モンテゼーモロをはじめとするフェラーリスタッフとともに、いつもよりも長く、感慨にふけるように喜びをわかちあった。
そして優勝記者会見、1991年から続く長いキャリアに終止符を打つことを表明した。
前人未到の8度目のワールドタイトル獲得に向けて、最後の戦いが彼を待つ。次戦は10月1日、中国GPだ。
(webCG 有吉)
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