【カーナビ/オーディオ】今年のカーオーディオ・ナビの新傾向を探る(第3回:カーナビに新しい波)
2006.02.08 自動車ニュース【カーナビ/オーディオ】今年のカーオーディオ・ナビの新傾向を探る(第3回:カーナビに新しい波)
アメリカ最大規模の家電ショー、コンシュマー・エレクトロニクス・ショー(CES)を訪れた、カーナビ・オーディオライターの石田功による業界分析。
3回目は、カーナビの話題をお送りしよう。アメリカはカーナビ後進国ではあるが、注目に値する製品が結構展示されていたのだ。
■アメリカでもカーナビの普及間近?
今年のCESではカーナビも目立っていた。会場前のバス乗り場近くの通路では、マイクロソフトがWindows Automotiveのプラットフォームを採用したカーナビを積んだデモカーを展示していた。
会場に入れば日本のメーカーのみならず、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの多くのメーカーのブースにカーナビが並んでいる。アメリカでもいよいよカーナビが本格普及か? ということを感じさせる。
■かの地でポータブルが好まれる理由
ただし、CESで展示されていたカーナビの多くは、日本で主流のAV一体型ではなく、ポータブルタイプ。比率でいうと7対3くらいでポータブルタイプが多い。日本ではAV一体型しか出していないメーカーでも、アメリカではポータブルタイプを展示していたのには驚いた。アルパイン、クラリオン、ソニー、JVCなどである。実際、販売比率でも8対2程度の割合で、ポータブルタイプが多いという。
市場も製品も成熟しつつある日本と違い、アメリカではこれからカーナビの普及が進むというのも理由のひとつだし、道も土地も広いアメリカだから、ニューヨークなどの大都市以外は、複雑な細街路にマップマッチングさせる測位精度もそれほど重視されないのだろう。実際、以前ポータブルナビ付きのレンタカーでロサンゼルス〜ラスベガス間をドライブしたが、道案内に不満はなかった。
■ポータブルとはいっても中身は先進
話は戻って、ポータブルナビだが、画面は3.5インチ前後のものが多く、地図データの収録メディアにHDDを採用したものと、SDなどのカード式メモリを採用したものの2タイプがあった。
また、HDD採用タイプでもその多くはメモリカードスロットを備えていて、圧縮音声や動画の再生も可能になっている。つまり、ナビ単機能ではなくデジタル携帯AVプレーヤーとしても機能するわけだ。映像出力端子を装備して、別の大きなモニターにナビ画像を映せるモデルもあり、アルパインなどがそのタイプだった。
■日本で販売の可能性は?
日本での発売の可能性を数社に聞いてみた。A社は、アメリカサイドからは日本でも売るように要請されているが市場規模を考えて躊躇しているとのこと。
またB社は、市場のニーズがあればぜひ日本でも売りたいが、まずはヨーロッパ、アメリカの動向を見てからとのことだ。
現在、日本でカーナビを発売している主要メーカーからは、当面このタイプのポータブル機は販売されないと思ってよさそうだ。ただし、2〜3のインポーターが日本仕様の地図を用意し、ポータブルナビをリリースしようという動きがある。先日の東京オートサロンでブロードゾーンという会社が展示していた「迷WANナビ」もそのひとつだし、他にも数社が用意しているようだ。
■日本販売、期待してます!
AVナビが主流の日本で果たして需要があるかどうかだが、けっこうイケルのではないだろうか。機能面でも使えるはず。普通に考えればバイク用、自転車用ということになるのだろうが、電装系が弱くてカーナビなんか積めない旧車でいざというときに使うのもいいだろう。また、カーナビを常設したくないスポーツカーのオーナーも、取り外しが容易なナビなら歓迎されるはず。
僕個人としては、海外の地図も入手できるシステムが整うなら、是非1台手に入れておきたいと思う。めったにないが、海外でドライブするとしても安心だし、カーナビのない広報車を借りたとき、地方取材に出かけたときなど、便利に使えると思う。どうでしょう、日本でも出してみませんか? 各メーカーさん?
(文と写真=石田 功)
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