D1グランプリ入門その2「トップドライバーとモンスターマシンの競演」
2005.08.08 自動車ニュースD1グランプリ入門その2「トップドライバーとモンスターマシンの競演」
ドリフト競技の最高峰シリーズとして国内外で注目を集めている全日本プロドリフト選手権「D1グランプリ」。数多くのパーツメーカーがワークスマシンを投入し、経験豊富なスペシャリストが激しいバトルを展開している。今回はドライバーの顔ぶれとともに、ドリフトシーンの最前線で活躍するD1マシンに注目したい。
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■新旧スポーツカーが一堂に集結!
日本発のモータースポーツとして海外でも注目されているD1グランプリ。その魅力のひとつが、パーツメーカーが投入するワークスマシンだ。
HKSやAPEXi、ブリッツ、RE雨宮、ORC、トップシークレット……数多くのパーツメーカーが参入しており、オリジナルパーツを駆使したスペシャルマシンを投入。いずれも、ドリフト専用のチューニング&カスタマイズを施した特別仕様で、外装に関しても迫力満点のエアロパーツを装着するなど、まさに“ワークス”の名に相応しい美しい仕上がりだ。
そして、その車種ラインナップは他のモータースポーツと比べてもバリエーション豊富で、プライベーターを含めて様々なスポーツモデルが参戦している。
競技の性格上、D1グランプリはFRモデルが主流となっており、日産のシルビアやスカイライン、マツダのRX-7などはその代表モデル。トヨタのスプリンター・トレノ、カローラ・レビンなど、昭和の名車“ハチロク”もまだまだ現役で、そのほかにもチェイサーやソアラ、アルテッツァ、ヴェロッサなどが最前線で活躍している。
また近年はマーケティングやスポンサーの影響から、現行モデルを投入するパーツメーカー&ドライバーも多く、日産フェアレディZやマツダRX-8、ホンダS2000、さらにFRに変更されたインプレッサ(マイナーチェンジ前のE型)などハイスペックモデルが顔を揃えている。
とはいえ、D1グランプリはあくまでもテクニックを競う競技で、必ずしもパワーのあるマシンが勝つとは限らない。事実、第2戦お台場では数多くのモンスターマシンを抑えてわずか200psの“ハチロク”が優勝を飾っているのだ。
つまり、勝敗を左右するポイントはドライバーの技術、そして、高いコントロール性を実現するマシンのバランスで、この奥の深さもD1グランプリの魅力といえるかもしれない。
■GTドライバーも参戦中!
一方、車種バリエーションとともに、ステアリングを握るドライバーに関しても充実の顔ぶれだ。ワークスドライバーのほとんどがキャリア10年を超えるスペシャリストで、どんな状況でも豪快な高速ドリフトを披露。とくにAPEXiのRX-7を駆る今村陽一、ブリッツのスカイラインを駆る野村謙、圭オフィスのシルビアを駆る風間靖幸などランキング上位につけるトップランカーたちのコーナリングは迫力満点で、まさに最高のエンターテイメントだ。
また、スーパーGTに参戦する織戸学、谷口信輝らドリフト出身のGTドライバーもD1グランプリで活躍、第3戦SUGOにはGT500クラスで最多勝の記録を持つ影山正美、第2戦のお台場ラウンドにはGT300クラスに参戦する谷川達也らがエントリー。さらに今後はドミニク・シュワガーの参戦が噂されるなど、彼らスーパーGTで活躍するトップドライバーたちの参戦により、D1シーンはさらにヒートアップすることになりそうだ。
■ストリートマシンの参加型クラスを新設
このように経験豊富なスペシャリストたちが、ワークスマシンを武器に豪快なドリフト対決を展開するD1グランプリだが、今季後半には新たに「ストリート・リーガル」というクラスを設定。こちらは新規参入者を対象にした参加型カテゴリーで、マシンに関しても合法チューニングカーをベースに安全装備を施したストリート仕様になるようだ。
つまり、頂点を決するプロ選手権とともに、参加型クラスを設定することで、競技人口拡大を狙っているのだ。他のレースシーンと同様にピラミッドをかたちづくることにより、D1グランプリを頂点とするドリフトシーンはさらに発展することだろう。
(文&写真=廣本泉)
D1グランプリ:
http://www.d1gp.co.jp/
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