F1オーストラリアGP、フェラーリ独走で1-2フィニッシュ!【F1 04】
2004.03.08 自動車ニュース【F1 04】F1オーストラリアGP、フェラーリ独走で1-2フィニッシュ!
F1世界選手権第1戦オーストラリアGP決勝が、2004年3月7日、オーストラリア・メルボルンのアルバートパーク・サーキット(5.303km)を58周して行われた。ディフェンディングチャンピオン、ミハエル・シューマッハーが自身30回目のポール・トゥ・ウィンを達成。ルーベンス・バリケロが2位に入り、フェラーリは初戦を1-2フィニッシュで終えた。シューマッハーは最多勝利記録を「71」に伸ばした。
3位フェルナンド・アロンソ(ルノー)が入り表彰台の一角にのぼった。以下、ウィリアムズBMWのラルフ・シューマッハーが4位、ファン・パブロ・モントーヤ5位。6位ジェンソン・バトン(BARホンダ)、7位ヤルノ・トゥルーリ(ルノー)、8位デイヴィッド・クルタード(マクラーレン・メルセデス)が入賞した。佐藤琢磨(BARホンダ)は9位で完走した。
トヨタの2台は、クリスチアーノ・ダ・マッタ12位、オリヴィエ・パニス13位と上位に食い込めなかった。
■ズバ抜けて速い
今シーズンもいくつかのレギュレーションが変更されたが、最大の違いは、フリー走行から予選、決勝レースにかけて、1エンジンしか使用できなくなったことだろう。昨年までは土曜予選で走行する距離+レースディスタンス305km前後もてばよかったエンジンの寿命を、倍以上確保しなければならなくなったのだ。
さらに予選方式も変わり、土曜日のみに行われることになった。レギュレーション上は1セッションであるが、2パートに分かれており、最初は前戦結果順にコースインしての計時、2回目は1回目に遅かったドライバーから出走して決勝グリッドを決める。両パートの間隔は僅かに2分間だ。
昨年までは、すくなくとも金曜日の予選で、ガソリンを極限まで減らした“真のアタック”が見られた。しかし今年からは、エンジンは壊せないし、予選の2つのアタックは事実上決勝へ向けたセッティングで臨むため、マシンの“ここ一発の速さ”を目にすることができなくなったといっていい。
しかし、それでも週末を通し、他を引き離すズバ抜けた速さを披露したのがフェラーリの2台だった。シューマッハーのタイムは1分24秒408、2位バリケロが0.074秒差。3位モントーヤとシューマッハーとは0.5秒以上のギャップがあった。
バトンが4番グリッドを獲得。チームメイトの佐藤が7番手と、BARホンダは冬のテストでの好タイムがフロックでないことを証明した。
“3強”のなかで不発だったのがマクラーレン。キミ・ライコネンが10位、昨年、特に予選を不得意としていたクルタードはコースオフして12位に沈んだ。
新レギュレーションのもとの予選は、2時間弱の長きセッションとなった。
■「パーフェクトな結果」
前日の好天から一転し決勝日は曇り空。気温も18度と予想されていたより低く、これがミシュラン勢には不利に働いた。
フロントローの紅いマシンはロケットスタート。同じくらい好スタートを切ったのが5番グリッドのアロンソで、一気に3位までジャンプアップを果たした。昨年の“ベスト・ローンチコントロール搭載車”ルノーは、相変わらずスタートが得意のようだ。
打倒“跳ね馬”の急先鋒、モントーヤは、アロンソから3位のポジションを奪い返そうとしていた矢先の1コーナーでコースオフし、8位に後退。このレースを棒に振ってしまった。
逃げるフェラーリ2台、追うルノー1台。だが必死にすがるアロンソが首位争いに食い込むことは1度としてなかった。低い気温にミシュランのフロントタイヤがあわず、フェラーリ+ブリヂストンには歯が立たなかった。レースは、冬の間、ニューマシン「F2004」と新型ブリヂストンタイヤを熟成させたフェラーリの手に落ちた。
孤独な走行を続けたアロンソが3位。スタート後しばらく4位の座を守っていたバトンをピットインのタイミングで抜いたラルフ・シューマッハーが4位でフィニッシュ。バトンは結局コース上でモントーヤにもパスされ、結果6位に終わった。チームメイトに比べいまひとつ冴えなかったトゥルーリが7位だった。
マクラーレンにとっては、最悪の開幕戦となった。ライコネンは10周目にエンジン不調でリタイア第1号に。「1周目から速くなかった」とレース後に語ったクルタードは8位1点獲得がやっとだった。開幕前から囁かれていたエンジンのパワー、信頼性不足が露呈したかっこうとなった。
「基本的にはパーフェクトな結果だった」とは、7度目のタイトルを狙うシューマッハー。「ルーベンスがかなりキツくプッシュしてきて、タフな戦いだったよ」というコメントもにも、余裕すら感じられた。
だが、今回のようなレースが全18戦にわたり続く、という予想(危惧?)はまだ早すぎる。2週間後に行われるマレーシアでの第2戦は、ミシュランタイヤが得意とするGPであり、フェラーリ+BSがセパンでも圧勝するかは、まだ「?」であるのだ。
18戦の長いシーズンは、始まったばかりである。
■ドライバーズランキング(18戦中1戦終了)
1位 ミハエル・シューマッハー 10点
2位 ルーベンス・バリケロ 8点
3位 フェルナンド・アロンソ 6点
4位 ラルフ・シューマッハー 5点
5位 ファン・パブロ・モントーヤ 4点
6位 ジェンソン・バトン 3点
7位 ヤルノ・トゥルーリ 2点
8位 デイヴィッド・クルタード 1点
■コンストラクターズランキング
1位 フェラーリ 18点
2位 ウィリアムズBMW 9点
3位 ルノー 8点
4位 BARホンダ 3点
5位 マクラーレン・メルセデス 1点
(webCG 有吉)
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