F1サンマリノGP、シューマッハー今季初優勝【F1 03】
2003.04.21 自動車ニュース【F1 03】F1サンマリノGP、シューマッハー今季初優勝
F1世界選手権第4戦サンマリノGP決勝が、2003年4月20日、イタリアはイモラにあるアウトドローモ・エンツォ・エ・ディノ・フェラーリ(4.933km)を62周して行われた。ヨーロッパラウンドの最初のレースで、フェラーリのミハエル・シューマッハーがポールトゥウィンを達成。今シーズン初、通算65勝目をあげた。
2位はキミ・ライコネン(マクラーレン・メルセデス)、3位にはシューマッハーのチームメイト、ルーベンス・バリケロが入った。
以下、4位ラルフ・シューマッハー(ウィリアムズBMW)、5位デイヴィッド・クルタード(マクラーレン・メルセデス)、6位フェルナンド・アロンソ(ルノー)、7位ファン・パブロ・モントーヤ(ウィリアムズBMW)、8位ジェンソン・バトン(BARホンダ)が入賞。ホンダのもう1台、ジャック・ヴィルヌーヴはマシントラブルでリタイアした。
またトヨタの2台は、オリヴィエ・パニスが9位、クリスチアーノ・ダ・マッタは12位でフィニッシュした。
■シューマッハー兄弟がフロントロー
イースターの週末に、王者フェラーリが地元イタリアで復活した。
決勝グリッドを決める土曜日の予選、3戦していまだ優勝なしのチャンピオン、ミハエルが、このレースで最後となる昨年型マシン「F2002」で通算52回目のポールポジションを獲得。新予選方式でいいところを見せていなかった弟ラルフが2番手のポジションを得、昨年ドイツGP以来の“兄弟フロントロー”となった。
バリケロ、モントーヤがセカンドロー。ジャガー・コスワースのマーク・ウェバーが健闘し5番手につけた。
ポイントリーダーのライコネンが6位、クルタードは12位と、マクラーレン勢は上位に食い込めなかった。
予選終了後、シューマッハー兄弟は、昏睡状態の母を見舞うため、故郷ドイツへ向かった。そして決勝日未明、息を引き取る母を看取った。エリザベス・シューマッハー、享年55歳だった。
■悲しい勝利
決勝レースで素晴らしいスタートを決めたのは、2番グリッドのラルフ。ここにきて戦闘力をあげてきた青白のウィリアムズ「FW25」は、先頭のフェラーリの横をスルリと抜け、「タンブレロ」コーナー手前でトップを奪った。
しかしラルフのミシュランタイヤは、スタートから数周にわたりグリップが落ち、2位ミハエルとの差を広げられない。イモラは抜きにくいサーキットゆえ、3位バリケロ、4位モントーヤが1組となってしまった。
隊列が崩れたのは15周目。3ストップ作戦をとったウィリアムズのラルフ・シューマッハーがピットに駆け込んだが、再スタートで手間取り、兄ミハエルに先行を許した。
目の上のコブがとれたミハエルは、自らの(ハイ)ペースで周回を重ね、後続を引き離しにかかった。唯一のチャレンジャーといえば、フェラーリ、ウィリアムズと違い2ストップに賭けたマクラーレンのライコネン。後方からスタートしたマクラーレン勢は、上位と作戦を異にすることで、ウィリアムズを負かすことには成功したが、シューマッハーを負かすことはできなかった。
終盤、ピットの作業ミスで、4位まで順位を落としたバリケロは、コースの最終セクションでミスを犯したラルフのウィリアムズの隙を突き、最終コーナーからの立ち上がりでオーヴァーテイク。3位の座を奪取し、地元「ティフォシ」(フェラーリの熱狂的ファン)の前で何とか面目を保った。
今シーズン初めてトップでチェッカードフラッグを受けたシューマッハー。ピットウォールに向かい軽く拳を突き上げたが、優勝後の派手なアクションは見られず。パルクフェルメで力なくコックピットを降り、ポディウムには立ったものの、優勝記者会見は欠席。代わりにチーム代表のジャン・トッドがインタビューに応じた。
「彼(シューマッハー)にとっては非常に辛い日となったが、仕事であるということで、彼はレースに出場することを望んだ。立派な結果をチームのために残してくれた。ドライバーとしてもそうだが、人間としても彼は素晴らしいということが分かった」。
シューマッハー/フェラーリの復活の1勝は、悲しい勝利となってしまった。
■新型フェラーリ、次戦デビュー
4戦を終わり、4人のウィナーが誕生した今シーズン。ドライバーズランキングでは、若きフィンランド人、ライコネンが32点で首位を守る。2位クルタード19点、そしてシューマッハーが18点で3位につける。
コンストラクターズランキングでは、1位マクラーレンの51点に、2位フェラーリが19点差で迫る。
次戦は、フェラーリのニューマシン「F2003-GA」が、予定より1レース遅れ、満を持して登場するスペインGP。王者の巻き返しに、ライバルチームはどう対抗するのか?決勝日は5月4日だ。
■ドライバーズランキング(16戦中4戦終了/トップ10)
1位 キミ・ライコネン 32点
2位 デイヴィッド・クルタード 19点
3位 ミハエル・シューマッハー 18点
4位 フェルナンド・アロンソ 17点
5位 ルーベンス・バリケロ 14点
6位 ラルフ・シューマッハー 13点
7位 ジャンカルロ・フィジケラ 10点
7位 ファン・パブロ・モントーヤ 10点
9位 ヤルノ・トゥルーリ 9点
10位 ハインツ-ハラルド・フレンツェン 7点
■コンストラクターズランキング
1位 マクラーレン 51点
2位 フェラーリ 32点
3位 ルノー 26点
4位 ウィリアムズ 23点
5位 ジョーダン 10点
6位 ザウバー 8点
7位 BAR 6点
(webCG 有吉)
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