第317回:フォルクスワーゲン問題の本質~自動車産業が背負った3つの構造問題
2015.10.14
エディターから一言
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米国に端を発した、独フォルクスワーゲン(VW)によるディーゼルエンジンの排ガス不正問題。そもそも彼らが不正に手を染めた本質的な理由とは何だったのか。そしてVW、ひいては自動車産業が背負うことになった課題とは何なのか。自動車アナリストの中西孝樹氏が分析する。
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1000万台の壁というジンクス
自動車産業には1000万台で壁に突き当たるというジンクスがある。2000年初頭、企業買収で膨張戦略を取ってきたGMが1000万台を目前につまずいた。2010年には、そのGMを追い抜き世界一となった直後、トヨタが品質問題で大きなしくじりを演じた。そして、2014年に1000万台に到達し、2015年上半期でトヨタを追い抜き世界一となった瞬間に、VWがディーゼル不正でとんでもない挫折を味わうことになった。
各社に共通することは、無理を重ね規模を追い、その規模の中に管理できないリスクをはらませてしまったことだ。規模は、一転弱点となり、大規模ゆえの巨大な対策費を被ることになる。
ただ、過去に大きな問題を起こしたGMやトヨタが復活できたように、VWの再生は可能と考える。
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