【SUPER GT 2018】第4戦タイで元F1ドライバーコンビのDENSO KOBELCO SARD LC500が初勝利

2018.07.02 自動車ニュース
2018年シーズンの初勝利を手にした、ヘイキ・コバライネン/小林可夢偉組のNo.39 DENSO KOBELCO SARD LC500(写真中央)。
2018年シーズンの初勝利を手にした、ヘイキ・コバライネン/小林可夢偉組のNo.39 DENSO KOBELCO SARD LC500(写真中央)。拡大

2018年7月1日、SUPER GT第4戦がタイのチャーン・インターナショナル・サーキットで開催された。GT500クラスはNo.39 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン/小林可夢偉)が、4台のレクサスLC500による激戦を制して優勝。可夢偉は今シーズンのSUPER GT 3戦目で初勝利を手にした。GT300クラスはNo.11 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信)が優勝した。

GT500クラスのスタートシーン。予選上位のNSX-GT勢を先頭に、第1コーナーへと向かう。
GT500クラスのスタートシーン。予選上位のNSX-GT勢を先頭に、第1コーナーへと向かう。拡大
3位でレースを終えたNo.19 WedsSport ADVAN LC500(国本雄資/山下健太)。シーズン唯一の海外ラウンドとなるタイ戦では、1~4位をレクサス勢が独占した。
3位でレースを終えたNo.19 WedsSport ADVAN LC500(国本雄資/山下健太)。シーズン唯一の海外ラウンドとなるタイ戦では、1~4位をレクサス勢が独占した。拡大

難しい状況の予選でMOTUL MUGEN NSX-GTがポール

2016年、2017年と、10月に第7戦として行われていたタイ大会の決勝だが、今年は7月1日に第4戦での開催となった。この時期はタイも雨期で、毎日のようにスコール(短時間の強雨)が降る。この週末も土曜の予選前にひと雨あり、走行前にはやむも、コースはぬれ、そして30度の気温の中でどんどん乾くという判断が難しい状況となった。

そんな中で快走したのは、今季好調のNSX-GT勢。ほぼレコードラインが乾いたQ2でNo.16 MOTUL MUGEN NSX-GTの武藤英紀がレコードタイム(1分24秒307)を大きく更新する1分23秒341でポールポジション。予選2位もNo.17 KEIHIN NSX-GT(Q2は塚越広大)と、NSX-GTがフロントローを独占した。

ここチャーン・インターナショナル・サーキットは過去4戦、レクサスのRC FとLC500で3勝を挙げている。対してホンダのNSX-GTは未勝利と、レクサスのマシンが優勢なコース。それだけに、予選3位のNo.39 DENSO KOBELCO SARD LC500(Q2はヘイキ・コバライネン)をはじめ、Q1落ちを喫した10番手のNo.36 au TOM'S LC500(Q1は中嶋一貴)も決勝での逆転を期していた。

勝利を喜ぶ、LEXUS TEAM SARDの3人。写真左からヘイキ・コバライネン、佐藤勝之総監督、そして小林可夢偉。
勝利を喜ぶ、LEXUS TEAM SARDの3人。写真左からヘイキ・コバライネン、佐藤勝之総監督、そして小林可夢偉。拡大
予選11位からスタートしたNo.6 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也/F.ローゼンクヴィスト)は、最終的に2位表彰台を獲得した。
予選11位からスタートしたNo.6 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也/F.ローゼンクヴィスト)は、最終的に2位表彰台を獲得した。拡大

LC500同士の激しい攻防を制したLEXUS TEAM SARD

決勝日は南国らしい青空と白い雲が栄える好天に恵まれた。66周の決勝レース、スタートで見せたのは39号車のコバライネン。1周目に17号車(小暮卓史)を攻略すると、18周目には16号車も抜いてトップに立った。ほかのLC500勢も相次いで17号車、16号車のNSX-GTをパスし、レース中盤には39号車、No.6 WAKO'S 4CR LC500(フェリックス・ローゼンクヴィスト)、No.19 WedsSport ADVAN LC500(山下健太)と、上位をLC500が独占した。

上位のLC500勢は所定のピットインを無難に行い、レース後半のトップ争いは39号車の小林可夢偉、6号車の大嶋和也が僅差で繰り広げる。ここに加わってきたのは、予選10位から猛追してきた36号車だ。6月のルマン24時間で悲願の優勝を手にした中嶋がピットイン前に5番手まで浮上。引き継いだ関口はファステストタイムを連発して、19号車(国本雄資)、6号車をごぼう抜き。ラスト10周で39号車のテールに最接近する。元F1ドライバーの可夢偉と、今国内で最も魅力ある速さを持つ関口の攻防は、非常に見ごたえのあるものだった。

だが、この結末は残念なものになる。なんと36号車が最終ラップの1コーナーを抜けるとスローダウン。関口は、なすすべもなくマシンをコースサイドに止めた。原因はガス欠。「給油ミスでもなく、決して攻めた(燃費)計算もしていなかった。思いのほか上がった気温と関口の果敢な走りで消費量が増えたのでしょう。僕としては、関口にもファンにも『ごめんなさい』と言いたい……」とは、レース後に、打ちひしがれた関口に代わって答えた伊藤大輔監督の弁である。

これで、元F1ドライバーコンビによって今季再出発したNo.39 DENSO KOBELCO SARD LC500が勝利。昨年第6戦鈴鹿にスポット参戦し、今季レギュラー(第2戦は欠場)となった可夢偉は、通算4戦目での初優勝だ。「スーパーフォーミュラも、ルマンもなかなか勝てず、SUPER GTも苦戦続き。でも、(今シーズンのスタートから)わずか3戦で勝てたのはヘイキさんとチームのおかげです」と可夢偉は満面の笑み。ドライバーズランキングのトップに躍り出たコバライネンも「今季はここまで浮き沈みが激しかったが、これでタイトルを争えるようになった」と語った。このタイ戦は、2016年王者のコバライネンとTEAM SARD、そして可夢偉、LC500にとって今季初勝利、しかもLC500のトップ4独占となり、それぞれが自信を取り戻した一戦となった。

激しいバトルが展開されたGT300クラス。写真手前のNo.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/平手晃平)は、2位表彰台を獲得した。
激しいバトルが展開されたGT300クラス。写真手前のNo.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/平手晃平)は、2位表彰台を獲得した。拡大
GT300クラスを制したNo.11 GAINER TANAX GT-R。チャーン・インターナショナル・サーキットにおける、GT-Rの強さを印象づけた。
GT300クラスを制したNo.11 GAINER TANAX GT-R。チャーン・インターナショナル・サーキットにおける、GT-Rの強さを印象づけた。拡大
勝利の喜びを全身で表す、平中克幸(写真左)と安田裕信(同右)。
勝利の喜びを全身で表す、平中克幸(写真左)と安田裕信(同右)。拡大

GT300クラスはチャーンが得意なGT-R GT3が優勝

GT300クラスで、フラットかつテクニカルなチャーン・インターナショナル・サーキットを得意とするのは、マザーシャシー勢と日産GT-R NISMO GT3だ。だが、マザーシャシー勢は第3戦鈴鹿を前にBoP(性能調整)が20kgから50kgとかなり強められ、今年のチャーンでは精彩を欠いていた。

一方、2台の今季型GT-Rは雨の予選Q1を突破し、No.10 GAINER TANAX triple a GT-R(Q2は吉田広樹)が3番手、No.11 GAINER TANAX GT-R(同じく平中克幸)が6番手につける。だが予選後の車検で、Q2で1位のNo.88 マネパ ランボルギーニ GT3はエアリストリクターが完全に機能していなかったとされ、10号車もエンジン制御の問題が規定違反とされて、共にタイム抹消。レースでは最後尾スタートに。これで、クラスポールは88号車と同タイム(先に記録した88号車が上位だった)のNo.65 LEON CVSTOS AMG(Q2は蒲生尚弥)に転がり込んだ。

完全ドライとなった決勝では、GT-R GT3が本来の速さを発揮する。序盤はNo.21 Hitotsuyama Audi R8 LMS(リチャード・ライアン)、No.55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一)、そして11号車(安田裕信)が僅差でトップを争う。最後尾から追い上げる10号車(星野一樹)は20周ほどで10台近くを抜くも、他車との接触でラジエーターを破損。リタイアとなった。

対する11号車は、折り返しが30周前後の中、23周目と早めのピットインを行って実質トップの座をつかむ。その後は平中が安定したペースで快走。今季デビューした新型GT-R GT3が、4戦目にして初勝利を遂げた。これでGT-R GT3はチャンで5戦3勝と、無類の強さを印象づけることになった。

次戦、第5戦の決勝が行われるのは8月5日。富士スピードウェイで500マイル(約805km)のレースとして開催される。

(文=古屋知幸/写真提供 GTA)
 

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