新生「ゴリラ」、パナソニックのPNDとして誕生
2011.05.16 自動車ニュース新生「ゴリラ」、パナソニックのPNDとして誕生
パナソニックは2011年5月12日、2011年型のPND/ポータブルナビとして「ゴリラ」シリーズ13種を発表した。6月10日に発売する。
■全13モデルの豊富なラインナップ
「ゴリラ」とは三洋電機がこれまで使ってきたナビのニックネーム。今回パナソニックから発売される新製品にゴリラの名が付けられたのは、この4月に実施された三洋電機のパナソニック完全子会社化を受けてのものだ。身近な製品として両社の新しい関係を感じられる、初の商品といえるかもしれない。
パナソニック・ゴリラの投入により、従来このクラスを受け持ってきたパナソニック・ストラーダポケットは、市場流通分が終わり次第消滅、すべてゴリラに一本化されるが、「旅ナビ」のみ存続する。したがってパナソニック・カーナビは「ゴリラ」「旅ナビ」「ストラーダSクラス」「ストラーダ・ミドルクラス」「ストラーダFクラス」のラインナップに。もちろん「サンヨー・ゴリラ」はなくなることになる。
パナソニックのゴリラシリーズの特徴を語る前に、まずラインナップの整理をしなくてはならない。すべてのモデルを数えると13機種もあるのだが、これはカー用品店向け「GP/GLシリーズ」と、家電店向け「SP/SLシリーズ」という2本の柱があるためだ。10製品は両シリーズにほぼ共通の機種となり、残り3製品をあわせた8モデルが実質的なラインナップといえる。
■ナビで選ぶかテレビで選ぶか
ここではカー用品店向けの「GP/GLシリーズ」を中心に紹介しよう。こちらは6モデルがそろうが、単純な上下関係で構成されているわけではない。いうなれば“ツートップ”。ナビ性能を重視する人向けの2機種と、テレビを楽しむのがメインの2機種が主軸となり、その下にスタンダードモデル2機種が控える。
“ナビ重視派”が「CN-GP710VD」(以下全モデル、頭のCN-と末尾のDは省略)と「GP510V」。高精細なワイドVGA画面と16GBのSSDを持ち、その大容量メモリーを生かした音声案内付きの細街路案内や、クルマから外して持ち歩く時でも便利な歩行専用地図も備える。また、JTBパブリッシングの観光データである「るるぶデータ」約3万3000件を収録。歩行ナビモードで使えば、クルマを降りてからの徒歩散策でも重宝する。また、最大3年間(2014年7月まで)の道路地図更新も無料だ。両モデルの違いは画面サイズのみで、「GP710V」が7型、「GP510V」が5型となる。価格は全モデルオープンだが、メーカー想定価格は、それぞれ7万9800円と6万9800円。
“テレビ重視派”向けモデルは「GP700FV」と「GP600FV」。こちらはさすがにテレビ重視というだけあって、地デジチューナーが充実する。先のGP710VとGP510Vがワンセグだけなのに対して、こちらは12セグを含む「フルセグ」となり、高画質なテレビ放送を楽しめる。その一方で液晶パネルはVGAではなくQVGAで済ませているのはコストの問題か。メモリーは16GBと変わらず大容量で、市街地詳細地図も有するが、歩行用地図はなく、るるぶデータもない。さらに歩行ナビとしての使用は想定していないので、内蔵電池も持っていない。価格は7型のGP700FVが9万4800円、6.2型のGP600FVが8万4800円。
スタンダードモデルは「GL410」と「GL300」の2モデル。いずれもQVGAの5型液晶とワンセグチューナーを持ち、GL410が8GB、GL300が4GBというのが主な相違点。上級4モデルがFM-VICSを装備しているのに対し、これら2機種では渋滞情報が得られないのが泣き所だが、その他の機能に関していえば、GL410は上級機にも見劣りしない。特にナビ機能は同じ5型のGP510Vに迫る内容で、市街地詳細地図、音声付き細街路案内を装備するほか、歩行ナビにも対応している(内蔵電池は非交換型)。さすがに記憶容量が8GBなので、るるぶデータは収録されていないが、このナビでも地図更新無料なのはうれしい。上級機のすべてを望まなければ5万4800円という予想価格はお買い得かもしれない。
GL300はさらに安く、実売価格は4万円を切りそう。こちらは、必要最低限のナビ機能とワンセグさえ見られれば十分という堅実なユーザーに喜ばれるだろう。
■本当のお買い得モデルは家電ルートにあり
家電ルートで販売されるモデルは、上位4モデルはほとんど同じ。しかしその下のスタンダードモデルとなると様相が異なる。特に上記の説明でGL410が「いいな」と思われたのなら、家電ルートの同等商品「SP505VL」の存在を知っておくべきだ。こちらは無料の地図更新にこそ対応していないが、地デジ番組の持ち出し再生はできるしFM-VICSも装備。カー用品組では上級機にしか与えられなかった高速処理エンジンも搭載しているからである。内蔵バッテリーも交換可能ときて、価格は変わらぬ5万4800円となれば見逃す手はない。
もうひとつ家電組には「SP705L」という独自モデルもある。機能は適度に落としているが、7型のビッグサイズを6万4800円で買えるのはこれしかない。影に隠れた戦略モデルといっていいだろう。
(文=尾澤英彦)
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