ポルシェ718ケイマンGT4 RS(後編)
2023.06.01 谷口信輝の新車試乗 MRポルシェの最高峰「718ケイマンGT4 RS」に谷口信輝が試乗。この高性能スポーツカーを格別なものにしている、特筆すべき性質とは何なのか? 走りのプロが熱く語る。“剛性”が普通じゃない
箱根のワインディングロードで試乗した“レーシングドライバー”谷口信輝が「限りなくレーシングカーに近いロードゴーイングスポーツカー」と評したポルシェ718ケイマンGT4 RS。後編では、谷口がGT4 RSに抱いた印象を、もう少し掘り下げてみることにしよう。
「先ほどもお話ししたとおり、このクルマはかなりレーシングカー寄りで、かなりスパルタンな印象を与えますが、実際にはとても使いやすく、普通に乗れます。発進だってオートマチックトランスミッションだから簡単だし、低回転でエンジンがぐずったりすることもありません。だから、このクルマを走らせるのに特別な技は必要ないといえるでしょう」
それでも、コーナリングの性能はすさまじいと谷口は語る。
「リアのトラクションはものすごいですよね。それなのに、ステアリングを切り込めばフロントもしっかり入ってくるし、接地感もものすごく感じられる。サスペンションもそうだし、ブッシュ類もかなり走り方向に振った仕様のものが使われているので、ダイレクト感とか路面からのインフォメーションとかがすさまじいですよね。この辺が、普通のクルマより速度感が高く感じられる理由のひとつだと思います」
ダイレクトな感触や豊富なインフォメーションが手に入るのは、718ケイマンGT4 RSの剛性が並外れて高いからだと谷口は説明する。
「剛性が高いとか硬いとかいうと、サスペンションのことを思い浮かべる人が多いみたいだけれど、硬いってサスペンションのことだけじゃないんですよね。718ケイマンGT4 RSでいえば、ボディーというかフレームの剛性ももちろん高いけれど、それだけじゃなくて、例えばアクセルやブレーキのペダル自体もガッチリつくられているし、その取り付け方もものすごく頑丈そう。ステアリングにしても、ステアリングシャフトの剛性が高いだけじゃなくて、ステアリングシャフトの支持剛性も高そうです。さらに言えば、タイヤにだってトレッド剛性やケース剛性があるし、ホイールの剛性だってハンドリングや乗り心地に効く。しかも、そういうものの剛性がすべて高ければいいかというと、それほど単純なものではないし、どこか1カ所だけ弱い部分があると、そこに全部しわ寄せがいってクルマが台無しになっちゃう。いずれにしても、この718ケイマンGT4 RSは走りに振ったクルマだから、乗った印象は硬めですよね。極端に言えば、剛性が服を着て歩いているみたいな感じです(笑)」
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