BMW M2(後編)
2025.10.16 谷口信輝の新車試乗 もはや素人には手が出せないのではないかと思うほど、スペックが先鋭化された「M2」。その走りは、世のクルマ好きに受け入れられるだろうか? BMW自慢の高性能モデルの走りについて、谷口信輝が熱く語る。“いいとこ取り”じゃないのがいい
BMWの新型M2が見せた「コンフォートモードなのに、普通のクルマのスポーツ+モード並みのダイレクト感」に大いに感銘を受けた様子の谷口信輝。後半では、その走りをさらに詳しく観察していくとともに、M2というモデルを谷口なりに分析してもらうことにしよう。
「いやあ、このクルマ、本当によく曲がるし、よく走りますねえ」 谷口は感心した様子で、そう語った。
「普通のスポーツモデルだったら、スタンダードな状態から足まわりやボディーなどにいろいろと手を加えていって、ようやくこういう走りが楽しめるように仕上げるところですが、M2は買ってきたそのままの状態でこれほどダイレクトな走りが味わえる。やっぱり、このクルマは『剛性のカタマリ』ですね。それにしても、コンフォートモードでこの走りだったら、スポーツ+モードにしたらどうなっちゃうんだろう?」
そう言うと谷口はセンターディスプレイを操作してスポーツモード、さらにはスポーツ+モードをチョイスしたのだが、その感想は、ただひとこと、「硬い」というものだった。
「麺に例えると、コンフォートモードがイタリアのアルデンテで、スポーツ+モードは博多ラーメンの“バリカタ”を通り越して“粉落とし”という感じ。そのくらい硬いですね。だから、公道を走っているとコンフォートモードだけで十分なように思えるけれど、サーキットだとやっぱりスポーツ+モードのほうがいいのかな?」
谷口をして「硬すぎる足まわり」との評価を受けた新型M2。つまり、谷口はお気に召さなかったのだろうか?
「いやいや、そんなことありませんよ。それどころか、僕はこのくらい振り切っているクルマのほうが楽しいと思いますよ」
そう言うと、谷口は次のように言葉をつないだ。
「なんか、幅広い層に受け入れてもらおうとして、コッチのクルマのいいところとアッチのクルマのいいところを寄せ集めたようなモデルじゃなく、ターゲット層をハッキリと絞り込んで『これが好きな人はどうぞ!』っていう潔いモデルに僕は引かれますね。このM2が、まさにそういうクルマで『アナタ、とにかく剛性が好きなんですよね?』ってBMWに見透かされている感じがします」
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