ポルシェ911カレラT(後編)

2025.09.18 谷口信輝の新車試乗 谷口 信輝 レーシングドライバー谷口信輝が、ピュアなドライビングプレジャーが味わえるという「ポルシェ911カレラT」に試乗。走りのプロは、その走りをどのように評価する?
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対話のできるスポーツカー

最新のポルシェ911カレラTに箱根のワインディングロードで試乗して「ポルシェ本来の味わいが深い」と評価した谷口信輝。では、彼は911カレラTのどんなところに「ポルシェ本来の味わい」を見いだしたのか。後編は、そのあたりから探ってみることにしよう。
「リアがどっしりとしていて、フロントが軽快というポルシェ911特有の魅力を感じられたり、ターボなのに自然吸気エンジンみたいないい音がするという話は前編でもしましたが、コーナーに進入していくときの姿勢がまた素晴らしいんです」

911カレラTがどんな姿勢でコーナーに進入していくのか、谷口に解説してもらった。
「まず、ロールの感じがよくて、自分が狙ったとおりの姿勢がつくれます。ここでしっかりと姿勢をつくれると、コーナーに入ってからどういうラインをたどっていくのかも読める。そのとき、タイヤの接地感とかサスペンションのストローク感とかも全部伝わってくるので、タイヤとじっくり会話しながらコーナリングできる。この辺が本当にいいですね」

そういった、クルマの挙動のわかりやすさはコーナリング時の安心感にもつながるという。
「いまコーナリングしているところですが、その過程で4輪にどういう負荷がかかっているかがちゃんとわかります。例えば、いまはアウト側の後輪に一番荷重が乗っている状態ですが、この感触がしっかりつかめるうえに、クルマの挙動が安定しているから安心感が強い。こういうとき、高性能タイヤに頼ってコーナリングするスポーツモデルだと、突然なにかが起きそうな感じがして、おっかなビックリしながらコーナリングすることになる。でも、911カレラTはクルマで起きていることがよくわかって安心感が強い。僕が考える『クルマって、こうあってほしい』という姿が、この911カレラTにはあります」

 
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