■【会場リポート】トヨタ、100年後もクルマが人や社会に必要とされる乗り物であるために
インターネット上の仮想空間「メタポリス」のバーチャル会場と連動して始まったトヨタ自動車のプレスブリーフィングでは、この先のトヨタのクルマづくりについて語られた。
■“味づくり”を大切にしたい
プレゼンテーションを行うトヨタ自動車の豊田章男社長は、パーソナルモビリティ「ウィングレット」に乗って登場した。
この100年間人々の暮らしを豊かにしてきたクルマを、これからも夢やあこがれを持った対象としてもらいたいと言う豊田社長。現在さまざまな移動手段があるなかでクルマを選ぶ価値は、ドライバー自らが運転を楽しめるものだから。そしてそのためには、クルマに人の感性に訴える“味”が必要なのだと主張。高性能車だけでなく、エコカー、ミニバン、スポーツカーなど、それぞれに味があるとし、トヨタはクルマの“味づくり”を大切にしたいと語った。
■ハイブリッド車もEVも
これからの時代に対応し、未来を先取りしたクルマ。さらに乗ってみたい、欲しいと思わせるクルマとして、トヨタブランドのコンセプトカー3台が東京モーターショーで発表された。
まず、すぐ先にある未来での本格的な普及に最適なエコカーとして「プリウスプラグインハイブリッド」が、近距離移動のモビリティとして、電気自動車(EV)の「FT-EVII」が紹介された。低燃費かつ、環境に優しいクルマとして社会に貢献しつつ、エコランを運転の楽しみの一つとさせる“味”付けも忘れていないようだ。
だが、これからのマーケットのコアを形成するであろうハイブリッド車をさらに充実させるとしながらも、ハイブリッドカー以外の開発にも抜かりのないトヨタ。近距離はEV、長距離は燃料電池車が主流になると予想する豊田社長は、いずれもトヨタのハイブリッド技術を生かすことができると自身のコメント。未来のため、地球のため、社会のため、クルマを再発明する時代はもう目前に迫っているとし、100年後も必要なメーカーと言われるための準備を、着実に進めているという。
■クルマ本来の楽しさを追求
若者のクルマ離れが叫ばれるなか、豊田社長は「クルマから離れていたのはメーカーではないか?」と問いただした。
どんな時代でもクルマ本来の楽しみ、すなわちドライビングの楽しみを提供することが、カーメーカーの使命であるとし、それを具現したモデルとして「FT-86コンセプト」を紹介した。ドライバーがクルマを意のままに操り、もっと走りたくなるというテーマで制作された同車は、市販を視野に入れており、できるだけ早く販売できるよう準備を進めているとのこと。
最後に豊田社長は、次の100年もクルマが人や社会に必要とされる乗り物であるために、さらに、もっとクルマを好きになってもらえるように、クルマのあるべき姿を追求すると宣言し、スピーチを終えた。
(webCG 本諏訪)
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