補修塗料にもエコの波、ヤナセが水性塗料使用を発表
2007.04.16 自動車ニュース補修塗料にもエコの波、ヤナセが水性塗料使用を発表
外国車の輸入などを手がけるヤナセは、自動車補修用の塗料を、環境に優しいデュポン社製の水性塗料に移行すると、2007年4月16日に発表した。
2006年4月に改正大気汚染防止法が施行され、自動車用の塗料に含まれるVOC(揮発性有機化合物)が削減対象となった。これに対応するためにヤナセが採用したのが、今回発表されたデュポン社の「スタンドハイド」という水性塗料である。
現在完成車メーカーは、欧州ではほぼすべて、そして国内メーカーも多くが水性塗料を導入しているという。これは大規模工場には、先の法律により数値目標がかかげられていることが原因である。一方、補修などの小規模工場では、自主的な取り組みが推奨されているのみで、対応が遅れているのが現状である。
このような経緯で、削減目標総量の約3分の2を担う補修工場での取り組みを重視したヤナセは、デュポンと共同で補修用塗料の水性への移行を決断したわけである。
しかし移行に関して問題がないわけではない。
水性塗料は従来品に比べて乾燥に長い時間がかかる。この点、完成車工場の塗装ラインでは高温焼き付けが行われるのに対し、補修工場では低温焼き付けで塗装されるために、乾きにくいことが問題点となる。このために専用の乾燥ブースを必要とする場合もある。さらに塗料自体も従来品に比べると価格が高い。「作業工賃に関しては検討中」と値上げも示唆するコメントも聞かれた。
ヤナセではまずパイロット工場でもある横浜工場に水性塗料を導入。そこで試験を重ね、問題がないことを確認した上で自社のBP(Body&Painting)センターや全国約200社の契約工場に展開していく予定だという。
デュポンからは塗料の提供だけでなく、技術トレーニングなども協力して行い、補修作業品質を高める考えだ。
なおもとのボディカラーが水性であるなしに関わらず、塗り重ねや色あわせには問題がないとのこと。
(webCG 本諏訪)
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