F1開幕戦、ライコネン&フェラーリ独走V【F1 07】
2007.03.19 自動車ニュース【F1 07】開幕戦オーストラリアGP、ライコネン&フェラーリ独走V
F1世界選手権の2007年開幕戦オーストラリアGP決勝が、3月18日、オーストラリアのアルバートパーク・サーキット(5.303km)を58周して行われた。
ポスト・ミハエル・シューマッハー時代の幕開けでもある初戦を制したのは、シューマッハーの後釜としてフェラーリに移籍したキミ・ライコネン。ポールポジションから独走し、2005年秋の日本GP以来となる自身通算10勝目を手にした。
2位はディフェンディングチャンピオンのフェルナンド・アロンソ、3位はルーキーのルイス・ハミルトン。昨年未勝利に終わったマクラーレン・メルセデスが2-3フィニッシュを達成した。
レース序盤2位を走行したニック・ハイドフェルド(BMWザウバー)が4位、チャンピオンチーム、ルノーのジャンカルロ・フィジケラ5位、グリッド後方から1ストップで乗り切ったフェリッペ・マッサ(フェラーリ)は6位。
以下、ニコ・ロズベルグ(ウィリアムズ・トヨタ)7位、ラルフ・シューマッハー(トヨタ)8位らが入賞した。
ホンダ勢は、ルーベンス・バリケロ11位、ジェンソン・バトン15位と低調なスタートとなった。
予選10位と予想以上の好スタートにわいたスーパーアグリ・ホンダの佐藤琢磨は12位でゴール。チームメイトのアンソニー・デイヴィッドソンは、スタートシステム不調、接触など不運に見舞われながら16位でレースを終えた。
■ライコネン&フェラーリ独走の年!?
シーズン前の大方の予想どおり、フェラーリの速さが際立った開幕戦だった。
トップ10グリッドを決めるQ3、ライコネンは2位アロンソに0.4秒の差をつけ通算12回目のポールポジションを獲得した。
しかしフェラーリとて万事が思いどおりではなく、予選でマッサにギアボックストラブルが発生。後方からのスタートが決まったことで、レース前にエンジン交換を実施、最後尾からの立て直しを迫られた。
レーススタートでは、フロントローの二強、ライコネン&アロンソの間に、予選3位のハイドフェルド、同4位のハミルトンが割って入った。
ライコネンは序盤からリードタイムを拡げ、早々に優勝への一人旅を始めた。フェラーリ独走劇という、シューマッハー時代によく見られた光景の再現だ。
スタートで2位に躍り出たハイドフェルドは、ソフトタイヤで飛ばしたものの14周目に真っ先にピットインし、以後先頭集団に返り咲くことはなかった。
かわってライコネンを追ったのがマクラーレンの2台。なかでも22歳のハミルトンは、ワールドチャンピオンであるチームメイト、アロンソを真後ろに従え、落ち着いたレース運びを披露。デビュー戦でスーパールーキーの片鱗を示した。
虎視眈々と上位を狙うアロンソは、2回目のピット作業後に2位へとポジションアップ。勝てないときは被害を最小限にという、彼らしいしぶとさは健在だ。
ポディウム中央にフェラーリ。祝福するジャン・トッド監督の隣は、喜びを全身であらわすドイツ人ではなく、ポーカーフェイスのフィンランド人。時代は変わる、フェラーリの強さは変わらない、という印象を与える結果だった。
しかし、2007年は全17戦中1戦が終わったに過ぎない。
昨年未勝利という屈辱を味わったマクラーレンの復活、アロンソの底力、ハミルトンという新人の力量、トップ2に迫るBMWの勢い、開幕戦で足並みをそろえられなかった他チームの復調など、これから本格化するシーズンは、期待のかかるファクターに満ちているのだ。
次戦はフライアウェイの2戦目、マレーシアGP。2週間後の4月8日に決勝が行われる。
(webCG 有吉)
【2007年レギュレーションの主な動き】
・タイヤはブリヂストン(BS)のワンメイク。1年をとおして全チームに同じタイヤが供給される。
・(ドライ)タイヤのコンパウンドは4種類(スーパーソフト、ソフト、ミディアム、ハード)で、うちBSが選んだ2種類が1レースに持ち込まれる。
・金土日それぞれ使えるタイヤ本数が決められているが、レース中は2種類のコンパウンドを必ず使わなければならない。
・2年目に入る2.4リッターV8ユニットは、2010年まで開発が凍結され、大きな変更は加えられない。
・エンジンは最高回転数が19000rpmに制限される。
・2レース1エンジン規定は継続される。
・セーフティカー(SC)導入のサインが表示された直後は、「給油を目的とした」ピットインが禁止される。
・SCが全車の隊列を先導するようになると、ピットがオープンし給油にゴーサインが出る。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |