トヨタ・ランドクルーザープラド TZ5ドア(4AT)【ブリーフテスト】
トヨタ・ランドクルーザープラドTZ5ドア(4AT) 2000.11.07 試乗記 ……413.9万円 総合評価……★★トヨタのパジェロ
現行モデルは、簡単にいってハイラックスサーフの兄弟。パジェロつぶしを第一の目的として日本ではサーフとともに売られているが、海外だと2台は相補的関係にある。すなわちサーフを売っている国へはプラドを売らず、プラドを売っている国ではサーフなし。そういう意味では兄弟というより2台でひとまとまりか。
実際、乗ってみてもプラドの印象は「トヨタの差し向けたパジェロつぶし」という以外特になし。共用前提で設計されたシャシー(梯子フレーム)がサーフに対してはきわめていい方向に効いているが、そういうウマ味も特になし。デカく、重く、設計はそれなりマトモだが、基本的には安直な企画が生んだオフロード対応型ステーションワゴン。さまざまな種類の過剰さを覚悟のうえで日本の我々が買う物件としては、なによりありがたみが希薄だ。
また逆に、本格派のオフローダーが望みならトヨタにはランクル70というホンモノがちゃんとある。要は中途半端と。
【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
ラダーフレームをもつハイラックスサーフとシャシーを共用するが、プラドには5ドアのほか、ホイールベースを305mm短縮した3ドアボディも用意される。エンジンは、3.4リッターV6(185ps)、2.7リッター直4(150ps)のガソリンエンジンと、3リッター直4ディーゼルターボがラインナップされる。
(グレード概要)
2000年7月31日に、ディーゼルユニットが改変をうけ、「シングルカム渦流室式」から「DOHC16バルブ」のヘッドメカニズムをもつコモンレール式となった。「TZ」は、「TS」「TX」の上に立つ最上級グレード。LSDを標準で装備し、内装には木目調パネル、ムーンルーフ、オプティトロンメーターなどが奢られる。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
ウッドパネル風の化粧板があからさまに悲しいが、全体としても、また細部においてもカタチの基本はまあ手堅い。ダッシュボード天井ごしのボンネットの眺めは良好。使い勝手も、少なくともランクル100 よりはマトモ。というか、積極的な挑戦がなにもない種類の造形だから破綻してないのがアタリマエ。
(前席)……★★
サーフ比で明らかに着座位置は高い。つまり、クルマのキャラの違いに合わせてある。運転姿勢も、大枠でみれば良好な種類のアップライト系。つまり上半身を起こし、背筋を伸ばして座るのがよくハマるタイプ。ただし、シート座面がよくない。アップライト系の着座姿勢に合わせた設計になっていない。具体的には、すぐにお尻がイタくなる。あるいはモゾモゾしはじめる。それを意識せずにいられるのは、せいぜい乗ってから15分間程度。
(後席)……★★★
少なくとも2列目は、ナンの期待もせずに座れば期待どおり。特に強烈な違和感なし。だがリッチな居心地はそこにはない。舗装路上で乗っているかぎり、嬉しさを味わうことはないだろう。また3列目は、屋根がダランとスロープしていないぶん頭上はたしかにラク。いずれにせよ、特筆すべき工夫や配慮の跡はどこといって見られない。これだけ四角く、かつ背の高いキャビンでは後席を狭苦しくつくるほうがよっぽど難しい、というだけの話。
(荷室)……★★★
後席に同じ。3列目を畳んで使えばたしかにデカい(アタリマエ)。ただ、3列目を畳まなければ狭い。実用にはならない。ほぼ手ぶらに近い7人を道なき道のその先までご案内するにはいいかもしれない。それだけの話。
【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★
パワートレインは、サーフにも使われている3リッター 直噴ディーゼルターボ+4段オートマ。単体としては悪くない、あるいは憎くないと思う。最大の違いは、サーフより大人2人ぶんほど重たくなっていることだ。で、その心配どおりにニブい。ドライバーのみ乗車の状態でも、サーフにあったプレジャーが味わえない。動力源としての用はなす、というだけ。
(乗り心地+ハンドリング)……★★
ドライバーにとってはひたすらニブくオモい。やはりサーフとは別世界。操舵特性にしろアシのセッティングにしろオフロード重視でこうなったといわれればまあ納得できなくもないが、これでオフロードにいく人間がいったいどれだけいるというのか。この日本に。もっといえば、これはプラドという企画そのものに対する疑問へと直結する部分でもある。
(写真=荒川正幸)
【テストデータ】
報告者:森慶太
テスト日:2000年9月20日から21日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2000年型
テスト車の走行距離:2727km
タイヤ:(前)265/70R16 112S/(後)同じ(いずれもブリヂストンDueler H/T689)
オプション装備:VSC+アクティブTRC(9.5万円)/リアアンダーミラー(0.6万円)/ルーフレール(3.5万円)/電動ウインチ(17.8万円)/ナビゲーションシステム(21.5万円)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:

森 慶太
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