「TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2011」
2011.11.29 画像・写真2011年11月27日、静岡県小山町の富士スピードウェイで「TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2011」(TGRF)が開かれた。これはトヨタの1年間のモータースポーツ活動を締めくくるファン感謝イベントで、2001年から昨2010年までは「TOYOTA MOTOR-SPORTS FESTIVAL」の名で開催されていた。11回目を迎えた今回からは、メインコースにおけるプログラムのほかにも交流や体験をテーマとした多くのプログラムをそろえ、より多くのクルマ好きが楽しめるイベントを目指してリニューアルされた。
とはいうものの、やはりイベントの中心はサーキットラン。1960年代から現在に至るまでのトヨタのモータースポーツ史を彩ったドライバーとマシンが勢ぞろいし、デモランや模擬レースを披露した。また、サプライズとしてトヨタとしては久々となるFRのコンパクトスポーツである「86(ハチロク)」のプロトタイプがお披露目され、イベントに花を添えた。好天にも恵まれ、約3万人のトヨタファンで盛り上がった会場から、出走したマシンを中心に紹介しよう。
(文と写真=沼田 亨)

メインストレートで行われた「ウェルカムセレモニー」で、出場全ドライバーとゲストがそろって記念撮影。
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メインストレートで行われた「ウェルカムセレモニー」で、出場全ドライバーとゲストがそろって記念撮影。
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「ウェルカムセレモニー」に続くプログラムである「オーナーズクラブパレード」を先導すべく、ピットアウトする「トヨタ2000GT」。四国のトヨタ販売店が製作したという、1966年の第3回日本グランプリで3位に入賞したプロトタイプのレプリカである。ステアリングを握るのは豊田章男社長。
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「オーナーズクラブパレード」で、メインストレートをいく「トヨタ2000GT」。この後に「80スープラ」、「トヨタ・スポーツ800」、「TE27レビン/トレノ」が続き、「AE86レビン/トレノ」がしんがりを務めた。
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来場者を乗せた「レクサスIS F」をトップドライバーが駆る「サーキットタクシー」。「タクシー代」(参加費)は1万円ナリ。
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トヨタのモータースポーツ史を築いた往年のマシンが走行するプログラム「ヘリテイジ・オブ・トヨタ」。第一走者は1966年に速度国際記録を樹立したスピードトライアル車両を復元した「トヨタ2000GT」。当時チームトヨタに在籍し、実際にスピードトライアルに参加した自動車評論家の津々見友彦氏がドライブした。
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続いては「ニュー・トヨタ7」。1970年の日本グランプリ用に開発されたものの、グランプリが中止されたため実戦投入されなかった「トヨタ7ターボ」のNA仕様。V8DOHC32バルブ5リッターエンジンを搭載する。69年の日本グランプリで、「トヨタ7」を駆って5位に入賞した久木留博之氏がステアリングを握った。
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サーキットに不似合いな、高いロードクリアランスを持つ「セリカGT-FOUR」は、1990年のサファリラリー優勝車。90年代に故オベ・アンダーソン率いるトヨタ・チーム・ヨーロッパ(TTE)のドライバーとして活躍し、95年には日本人初のサファリ・ウィナーとなった藤本吉郎氏がステアリングを握った。
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1992年のルマンで総合2位に入った「トヨタTS010」。そのときのドライバーであり、95年には「マクラーレンF1 GTR」を駆り日本人初のルマン・ウィナーとなった、現トムス監督の関谷正徳氏がドライブした。
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SUPER GTの前身である全日本GT選手権のGT500クラスの、2002年のチャンピオンマシンである「エッソウルトラフロースープラ」。ドライバーは飯田章/脇阪寿一のペアだったが、この日の担当は飯田章氏。
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2009年のこのイベントで、8年間にわたるF1活動に終止符を打ったトヨタが最後のシーズンを戦った「TF109」が、2年ぶりにエグゾーストノートを轟(とどろ)かせた。ドライバーは2008〜09年にウィリアムズF1チームのレギュラードライバーを務め、今季はSUPER GTとフォーミュラニッポンに参戦し、後者ではシリーズランキング2位となった中嶋一貴。
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プログラムに「お披露目」とだけ記されていた時間帯に登場したのは、間もなく開幕する東京モーターショーでデビューと思われていた「86(ハチロク)」のプロトタイプだった。豊田章男社長のドライブでコースを一周走ったのち、メインストレート上に展示された。
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ニュルブルクリンク24時間耐久に出場した歴代マシンが走った「GAZOO Racingスペシャルラン」より。先鋒(せんぽう)となった2007年の「アルテッツァRS200」と2008年の「レクサスIS250」。
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2009年から3年連続で出走して熟成してきた「レクサスLFA」。2009年のマシンを先頭に、歴代の参戦車両がデモランを行った。
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今年のニュルを走った、擬装カラーリングが施された「FT-86」と、24時間耐久の前哨戦の意味合いもある6時間耐久に出走した「レクサスCT200h」。
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実は、このプログラムの正式名称は「GAZOO Racingスペシャルラン with SUBARU」で、ゲストとして2011年のニュルでクラス優勝(総合21位)を飾った「スバル・インプレッサ WRX STI tS」も出走。元スバルのテストドライバーで、現在はSTIの顔であり、ニュルでは監督を務めた辰巳英治氏が自らステアリングを握った。
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SUPER GTとFormula NIPPONの混走によるフリー走行の際に、サファリパークで猛獣を眺めるごとく大型バスからレーシングマシンを見下ろす「サーキットサファリ」が実施された。GT300の「エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電」がバスのインを刺していく。
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メインストレートをいくSUPER GTマシンとバス。
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トヨタエンジンを搭載する9台で争われた模擬レース「Formula NIPPONスーパーバトル」。先頭をいくのは、ルマン参戦のために欠場した第2戦を除く参加5戦6レース中、5勝と2位が1回という圧倒的な強さで今年度のシリーズチャンピオンを獲得したアンドレ・ロッテラーのマシン。ちなみに彼は、「アウディR18 TDI」を駆ったルマンでも総合優勝を果たしている。
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6台のGT500マシンと4台のGT300マシン、計10台で演じられた「SUPER GTスーパーバトル」より、三つどもえのバトルを展開していた「レクサスSC430」。
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チューナーやショップのブースが並んだパドック。手前には本家GAZOOの「iQ」などが勢ぞろいしている。