超高級車ならではのオーダー
ドイツ国際モーターショー(IAA)の取材でミュンヘンの市街地を散策していたら、高級ブティックが立ち並ぶ一角に、「Mercedes-Benz Manufaktur」と書かれた店舗というよりもラウンジのような雰囲気の場所があった。ここでは、メルセデスが展開するいわゆる個別オーダープログラムの「MANUFAKTUR」を体験できるそうで、実車や各種トリムの見本が置かれているだけでなく、バーチャルで自分の好みの仕様を仕立てて確認することができる。BMWのお膝元で堂々とこんなスペースを広げるとは、メルセデスもなかなか挑戦的である。
メルセデスはこのMANUFAKTURの本格的な運用を開始した。これまでは、一部のモデルに“designo(デジーノ)”と呼ばれる個別オーダープログラムが存在していたし、もちろんマイバッハなどでは顧客のさまざまな要望に個別対応してきた。また、ご存じのように「Gクラス」にはさまざまなMANUFAKTUR仕様のモデルがすでに販売されてきたという経緯がある。これらを整理してあらためて、メルセデスの個別オーダーシステムであるMANUFAKTURがスタートした。
経済的余裕が一般人の何百倍もある方のなかには「一番高いやつ持ってこい」のような豪快な買い物をする人もいるようだけれど、徹底的にこだわったひと品を求める人も少なくないようだ。ロールス・ロイスの本社にも個別オーダーに対応するスペースがあって、そこである日、身なりのいいご婦人がハンドバッグから一本のルージュを取り出して「これと同じ色に塗っていただけますか」と申し出たという。ロールス・ロイスはもちろんその要望に応えたそうだが、高額商品販売とはこうしたサービスがむしろ当たり前の世界でもある。最近、さらなる高級化路線への転向がうかがえるメルセデスだが、どうやら本腰を入れて取り組むことにしたのかもしれない。
メルセデス・ベンツ、メルセデスAMG、メルセデス・マイバッハの各「Sクラス」で個別オーダープログラム「MANUFAKTUR」がスタート。2025年9月以降の納車分から適用されている。
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ミュンヘンの市街地で見た「MANUFAKTUR」の体験施設。高級ブティックが立ち並ぶ一角にある。(写真=メルセデス・ベンツ)
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施設内には薄いグリーンをまとった「メルセデスAMG S63 Eパフォーマンス」が展示されていた。(写真=メルセデス・ベンツ)
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天井からつるされた色見本を見ながら好みの仕様を仕立てられる。タブレットに入力した内容は、正面の大型スクリーンにも表示される。(写真=メルセデス・ベンツ)
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