クラシックカーイベント「熱海HISTORICA G.P. 2017」の会場から
2017.09.27 画像・写真2017年9月23日、24日の2日間、静岡県熱海市の長浜海浜公園をメイン会場として、クラシックカーイベント「熱海HISTORICA G.P. 2017」が開かれた。2012年の初回開催以来、毎回のようにプログラムにマイナーチェンジを重ねてきたが、6回目となる今回は、メインとなる長浜海浜公園の芝生広場における車両展示は初日のみ。芝生広場に遊具が設置されたことによって、車両展示に使える面積が減少してしまったため、展示台数をこれまでの200台以上から、約180台に減らさざるを得なかったという。台数は少々減ったものの、凝縮感が増したため寂しさは感じさせなかった車両展示のほか、初日には初回以来のプログラムである熱海市内のショートツーリングを実施。さらに、防波堤のように海に向かって突き出た石畳敷のエリアを使ってのパイロンスラロームが、新たなメニューとして加えられた。2日目の早朝には、これまた初回からの恒例となっている、近隣の山の斜面に作られたアカオハーブ&ローズガーデン内の特設コースにおけるヒルクライムが行われた。多くのギャラリーが訪れにぎわった会場から、リポーターの印象に残った車両とシーンを紹介しよう。(文と写真=沼田 亨)
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1/28ランチア、アルファ・ロメオなどイタリア車が集まった一角。手前の1969年「ランチア・フルビアクーペ ラリー1.3S」は、エントラントによる投票でベスト・オブ・ショーに選ばれた。
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2/28こちらには、BMW、メルセデス・ベンツなどのジャーマンクラシックが。「BMW 2000CS」が2台いる(写真右手前と後列中央付近)のは珍しい光景だ。
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3/28写真奥は1979年「ランボルギーニ・カウンタックLP400S-2」だが、手前は? 360cc規格の1974年「スバル・サンバー」のシャシーに自作ボディーを載せた「サンバルギーニ・コカウンタック」。ちゃんと公認を取得している。
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4/28「サンバルギーニ・コカウンタック」のディテール。写真左上から時計回りに、雄牛の代わりにサンバー(水鹿)をあしらったノーズのエンブレム。「トヨタ・クレスタ」(X70系)から流用したヘッドライト。テールランプは「スバル・ヴィヴィオ ビストロ」用で、エンブレムは自作。サイズとデザインの関係から、必然的にセンターステアリングのシングルシーターとなった。右シフトは製作者兼オーナーのこだわり。
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5/28かつて全日本GT選手権(SUPER GT選手権の前身)に参戦していたrain-Xカラーの1989年「ランボルギーニ・カウンタック」と1995年「ランボルギーニ・ディアブロ イオタPO-01」。
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6/281992年「ブガッティEB110」。ブガッティの創設者であるエットーレ・ブガッティの生誕110周年である1991年に、名前の頭文字であるEBと110を冠して発表されたスーパーカー。3.5リッターV12クワッド(4基)ターボエンジンを搭載。
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7/281991年「ポルシェ928 S4」。隣は1991年「アウディ・クワトロ20V」で、通称ビッグ・クワトロこと初代クワトロは全部で3台参加していた。
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8/281951年「パナール・ディナ」。アルミ製の軽量ボディーに空冷フラットツインによる前輪駆動を採用した、進歩的かつユニークな設計のフランス製小型ベルリーヌ(セダン)。
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9/28「神5」(神=神奈川)のシングルナンバーを付けた1957年「BMWイセッタ300」。珍しい、後輪が2輪のタイプだ。
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10/281985年「アルファ・ロメオ・アルファスッド スプリント クアドリフォリオ ヴェルデ」。1971年に登場したアルファ初のFF大衆車がアルファスッドで、スプリントは3ドアのスポーツクーペ版。クアドリフォリオ ヴェルデは高性能バージョンである。
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11/28ワンオーナー車という1975年「トヨペット・コロナ ハードトップ2000GT」。ソレックスのツインチョークキャブを2連装した2リッターDOHCエンジンを積んだ、通称コロG。
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12/28今回初めて行われ、およそ30台が参加したパイロンスラロームより。スタートしていく1959年「サンビーム・アルパインS1」。ヒルマン、サンビーム、シンガー、ハンバーの4ブランドを擁していた英国のルーツ・モータースがリリースした「MGA」の対抗馬。
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13/28パイロンスラロームを走る1972年「フィアット128ラリー」。今回のスラロームは設定タイムにいかに近く走れるかを競うもので、コ・ドライバーの同乗も許されていた。
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14/28スラロームを楽しむ1959年「オースチン・ヒーレー・スプライトMk1」。左上方に見えるのは初島。
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15/282日目早朝の恒例となっているヒルクライム。コースを2本(2回)走行して、2本のタイム差の少なさを争う競技方法は初回以来不変。この1967年「アルファ・ロメオ・ジュリアスプリントGTヴェローチェ」は、タイム差0秒200で出走28台中2位となった。
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16/28タイム差1秒以内に11台が入るという接戦の中、0秒470差で7位となった1967年「BMW 1600ti」。ちなみに出走車両のスピードメーターとタコメーターはテープで覆われ、見えないようになっている。
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17/281968年「オースチン・ヒーレー3000Mk3」。1953年に登場した通称ビッグ・ヒーレーの最終モデル。タイム差0秒680で9位。
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18/281989年「ランチア・デルタHFインテグラーレ16V」。タイム差わずか0秒080で優勝した。
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19/281985年「アウトビアンキA112アバルト」。A112アバルトのデビューは1971年で生産終了は1985年だから、これは最終モデルである。
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20/28参戦した唯一の日本車だった、型式名SR311こと1968年「ダットサン・フェアレディ2000」。
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21/28山中にハイトーンを響かせていた1997年「フェラーリF355スペシャル」。
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22/281967年「マトラ・ジェット6」。1962年に世界初の市販ミドシップスポーツである「ルネ・ボネ・ジェット」を送り出したフランスの小メーカー、ルネ・ボネを買収したマトラが再リリースしたマトラ・ジェットの最終型。
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23/28オーバーフェンダーなどでモディファイされた1981年「フィアットX1/9」。タイム差0秒630で8位。
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24/281965年「トライアンフTR4A」。タイム差0秒810で11位。ここまでが2本のタイム差1秒以内だった。
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25/28通称ジュリア・クーペの最終発展型である1972年「アルファ・ロメオ2000GTV」。タイム差0秒320で5位。
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26/281998年「ジネッタG4」。オリジナルのデビューは1961年だが、これは再生産モデル。
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27/28このヒルクライムではおそらく参加第1号であろう、女性ドライバーが駆った1970年「ロータス・ヨーロッパS2」。
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28/28ヒルクライムに出走した全車両。