アウディRS 3スポーツバック(後編)

2025.12.07 ミスター・スバル 辰己英治の目利き 辰己 英治工藤 貴宏 ミスター・スバルこと辰己英治が、最高出力400PSの「アウディRS 3」をチェック。かつて、同じようなハイパフォーマンス4WDを数多く手がけてきた彼の目に、このマシンはどう映るのか? ドイツが誇る超高速コンパクトの“気になるところ”とは?
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リアタイヤが“負けている”

スバルの実験部でスバル車の走りを鍛え上げたのち、STIに転籍して「tuned by STI」シリーズや「tS」シリーズ、「S/R」シリーズなどのコンプリートカーを開発。並行してSTIチームでレース監督なども務めた辰己英治さん。そんな辰己さんが今回試乗したのは「アウディRS 3」。「ニュルブルクリンク」の北コースで、「BMW M2」と量産コンパクト最速の座を奪い合う一台だ。

最高出力400PSを誇るこのスポーツカーで興味深いのは、タイヤの幅がフロント:265、リア:245と、リアのほうがひとまわり細いこと。その狙いは旋回性能を高めることにあるのだが、前編で辰己さんは「失敗じゃないかな?」と述べていた。後編では、そう感じた理由に迫ろう。

辰己:このクルマは、曲がることはよく曲がる。それは間違いありません。それでもリアタイヤを細くしたことが失敗だと感じる理由は、リアタイヤがエンジンのパフォーマンスをしっかり受け止め切れていないように感じるからです。絶対レベルは十分だけど、フロントとのバランスで見ると、リアが負けている。

フロントタイヤのグリップに頼って勢いよく曲がると、やはり前後のタイヤの差を感じるんですよ。もちろん実際に滑ることはないんでしょうけど。フロントは265で、その勢いで曲がったら、245ではちょっと能力が足りない。

――そういう傾向があったとしても、ニュルでアタックする際は、このセッティングのほうがいいということなのでしょうかね?

辰己:それは可能性として十分あるでしょうね。

 
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【アウディRS 3スポーツバック】
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4380×1850×1435mm/ホイールベース:2630mm/車重:1610kg/駆動方式:4WD/エンジン:2.5リッター直5 DOHC 20バルブ ターボ/トランスミッション:7段AT/最高出力:400PS(294kW)/5600-7000rpm/最大トルク:500N・m(51.0kgf・m)/2250-5600rpm/タイヤ:(前)265/30ZR19 93Y/(後)245/35ZR19 93Y(ブリヂストン・ポテンザ スポーツ)/燃費:10.6km/リッター(WLTCモード)/価格:906万円

【取材時の燃費データ】
テスト距離:395.4km(市街地1:高速道路7:山岳路2)/使用燃料:42.96リッター(ハイオクガソリン)/参考燃費:9.2km/リッター(満タン法)/9.1km/リッター(車載燃費計計測値)
【アウディRS 3スポーツバック】
	ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4380×1850×1435mm/ホイールベース:2630mm/車重:1610kg/駆動方式:4WD/エンジン:2.5リッター直5 DOHC 20バルブ ターボ/トランスミッション:7段AT/最高出力:400PS(294kW)/5600-7000rpm/最大トルク:500N・m(51.0kgf・m)/2250-5600rpm/タイヤ:(前)265/30ZR19 93Y/(後)245/35ZR19 93Y(ブリヂストン・ポテンザ スポーツ)/燃費:10.6km/リッター(WLTCモード)/価格:906万円
	
	【取材時の燃費データ】
	テスト距離:395.4km(市街地1:高速道路7:山岳路2)/使用燃料:42.96リッター(ハイオクガソリン)/参考燃費:9.2km/リッター(満タン法)/9.1km/リッター(車載燃費計計測値)拡大