ケンウッド、「彩速ナビ」のフラッグシップモデルを発売
2018.01.16 自動車ニュース![]() |
JVCケンウッドは2018年1月12日、ケンウッドブランドより「彩速ナビ」のフラッグシップモデル「MDV-Z905」と「MDV-Z905W」を発表した。発売は2月下旬の予定。
今回発表されたのは以前から「TYPE Z」シリーズと呼ばれるフラッグシップモデルの最新版「MDV-Z905」と「MDV-Z905W」。MDV-Z905は一般的な2DINサイズ、MDV-Z905Wは最近の国産車でよく見かける横幅200mmの取り付けスペースに対応したワイドモデルだ。画面サイズは両モデルともに7V型だが、MDV-Z905Wは画面横に利用頻度の高いキーを大きく配置、外観も全面にフラットパネルを採用し、機器の外周を丸みを帯びたデザインにするなど、2DINのMDV-Z905とは大きく趣を変える。ただ、機能面で両モデルの違いはない。価格はオープンだが、どちらも税抜きで13万円前後と想定されている。
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ワイヤレスでハイレゾが楽しめる
前モデル発表から約1年半ぶりのモデルチェンジとなるMDV-Z905とMDV-Z905Wが今回最も売りとしているのがオーディオ部分。従来ハイレゾ音源への対応を特徴としてきたTYPE Zシリーズだが、最新版ではハイレゾの高音質コーデック「LDAC」に対応したのが新しい。
「LDAC」はソニーが開発したBluetoothの高音質伝送技術。従来のBluetooth伝送技術「SBC」ではデータ伝送量が限られるため、ハイレゾ音源をワイヤレスで伝送しようとするとデータを圧縮しなければならなかった。それでは音質は悪化する。これを嫌って「MDV-Z904」をはじめとするハイレゾ対応のカーナビではメディアをUSB接続してきたわけだが、USBメモリーなどをナビにつけっぱなしにする分には不便はないものの、楽曲を更新しようと持ち帰ればそのたびに脱着/接続作業を繰り返さなければならなかった。この不便さを解消したのがLDACコーデックである。ハイレゾ音源のデータを圧縮することなく、ほぼ原データのままカーナビにワイヤレス伝送することが可能になった。これでメディアをバッグに入れたまま高音質の楽曲再生が車内で楽しめるわけである。もちろん楽曲を収録したメディア側もBluetooth機能を有していなければならないので、対応可能なメディアは極めて限られる。
現在のところこのコーデックを開発したソニーのLDAC対応ウォークマンかスマートフォンなら手軽に、かつ確実にこの機能を生かせるはずだ。また、ハイレゾ再生はLDACだけでなく、「DSD」をはじめ「FLAC、WAV(192kHz/24bit)」など、さまざまなハイレゾ音源フォーマットの再生に対応しているので、USB機器等を利用した使い方もこれまでどおり可能だ。
ナビやドラレコ対応機能もブラッシュアップ
TYPE Zシリーズはフラッグシップモデルだけにナビとしての機能はこれまでも十分満足できるものだったが、新型ではさらに使い勝手が高められた。例えば、ケンウッド独自の「マルチINFOウィンドウ」は表示する内容を一新、見やすさと使いやすさが一段と改善された。渋滞表示、速度履歴、高速道路施設情報、交差点案内(ルート案内中のみ)、ルート情報(ルート案内中のみ)、ルート上の天気予報、それに再生中のAV情報を画面に大きく表示、一見しただけでわかりやすく読み取れるようになった。
需要の高いドライブレコーダーへの対応も進んだ。最近は前方だけでなく後方専用のレコーダーも装着する人が増えているが、同社のフロント用「DRV-N530」とリア用「DRV-R530」を組み合わせれば前後同時録画が可能になり、MDV-Z905/MDV-Z905Wのモニター上で録画画像はもちろん、後方の安全確認も可能になる。
そのほかの新機能として、ルート案内時に目的地に近づくと音楽ボリュームを自動的に下げる機能、長時間運転時に2時間おきに休憩を促す機能、スマートフォンをケーブル接続したまま電源をオフにして降車しようとすると置き忘れを警告する機能、高速道路走行中に逆走したとナビが検知した場合に画面と音声で危険運転の注意喚起する機能などが盛り込まれた。
(文=尾澤英彦)