トヨタGRカローラRZ(後編)

2025.08.17 ミスター・スバル 辰己英治の目利き 辰己 英治工藤 貴宏 走りを磨き上げるべく、さらなる改良が加えられた「トヨタGRカローラ」。スバル/STIにて、同じく4WDスポーツを手がけてきた辰己英治氏の目に、このクルマはどう映るのか? 微に入り細をうがつ改良から感じ取った、つくり手の思いとは?
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ボルトを替えると走りが変わる

トヨタGRカローラの素性のよさに驚きを隠せない、元スバル車両評価ドライバー 辰己英治さん(参照)。そんなGRカローラには、直近の改良でボルトのフランジや頭径の変更といった、ややもするとマニアックすぎると思われかねない変更が施されている(参照)。果たして辰己さんは、それをどうみるのだろうか?

――これ(GR広報が用意した変更前と変更後のボルトの実物)をどう思います? ステアリングコラムとインストゥルメントパネルリインフォースメントを締結するボルトのワッシャー径や頭径、リアショックアブソーバーとボディーを締結するボルトのフランジ厚を変更しているそうなんですけど。市販車でここまでやるなんて……ちょっと狂気じみたものを感じませんか?

辰己:いや全然。だって、STIのコンプリートカーもやっていますから。これ(GRカローラ)とまったく同じではありませんが、通常のモデルとはボルトを替えています。それで結構変わるんですよ。私は(STIに移る前の)スバル時代からだから、もう20年以上こういうことをやってたことになりますね。むしろ、似たようなことをトヨタさんもやってることにビックリしました。

――「ここを変えたらこう変わる」みたいなのは、あらかじめ、ある程度わかるものなのですか?

辰己:試行錯誤です。ただ、理論的に追求していけるところもあるんですよ。サスペンションをどう動かそうとか。路面からの入力で変形していく部分なので、それをどう変形させるかを考えると、「どのボルトを太く」とか「どのボルトを細く」とか「皿を厚く」とか、あるんです。トヨタさんも同じようにセッティングをやっていると思うのですが、私も面白くていろいろ試してきました。これ(GRが用意してくれたサンプル)を見るだけで、なにをやりたかったかはだいたいわかります。

――へぇー!

 
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