「ニュルブルクリンク24時間 2012」参戦マシン
2012.05.21 画像・写真2012年5月19〜20日、ドイツで「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」の決勝が開催された。参戦車両のなかから、注目のマシンを写真で紹介する。(文と写真=廣本泉)

169台で争われた今年のニュル24時間を制したのは、アウディのカスタマーチーム、アウディスポーツ チーム フェニックスの3号車。エアロダイナミクスやブレーキなど、細部のアップデートを果たした「R8 LMS ultra」で終始安定した走りを披露。「アウディR8」勢、初の優勝を獲得した。
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169台で争われた今年のニュル24時間を制したのは、アウディのカスタマーチーム、アウディスポーツ チーム フェニックスの3号車。エアロダイナミクスやブレーキなど、細部のアップデートを果たした「R8 LMS ultra」で終始安定した走りを披露。「アウディR8」勢、初の優勝を獲得した。
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「ポルシェ911」から「アウディR8」に主力モデルをスイッチしたマメロウレーシングが2位につけ、「アウディR8」で参戦したチームが1-2フィニッシュを達成。一方、3位でレースを終えたのは、ハンコックチームの66号車「メルセデス・ベンツSLS AMG GT3」。デビュー2年目で表彰台に登った。
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予選で圧倒的な速さを披露したのが、BMWのカスタマーチーム、BMWチームシューベルトの19号車「Z4 GT3」。ポールポジションを獲得したものの、決勝では徐々に後退し、最終的に総合7位でフィニッシュした。
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今大会で注目を集めたマシンが、2012年にデビューしたGT3モデル、「マクラーレンMP4 12C GT3」だった。計3台が最高峰クラスのSP9 GT3クラスにエントリー。しかし熟成不足は否めず、3台ともにリタイアに終わった。
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2011年のニュル24時間レースでデビューしたフェラーリベースのスポーツカー「P4/5コンペティツィオーネ」が再び参戦。ハイブリッドシステムを搭載するなど、さまざまな改良が施された今大会の出場車は、総合12位で完走を果たした。
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ポルシェ、BMW、アウディと各メーカーのワークスチームが活動を休止するなか、ニュル24時間の常連、アストン・マーティンは「V12ザガート」と2台の「ヴァンテージ」を投入。テクニカルセンターのスタッフで構成された5号車が総合26位、SP8クラス2位で完走を果たした。
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ポルシェのワークス活動を担ってきたマンタイレーシングはエースカーの投入を見合わせ、数台のカスタマー活動のみに終始した。そのため、ポルシェ勢は惨敗。終盤まで5番手に付けていた11号車の「ポルシェ911」もチェッカーまで残り数百メートルで他車から追突されてしまいリタイアすることとなった。
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ニュル24時間レースの魅力は豊富な車種バリエーションで今大会にもさまざまなマシンが登場。ターボディーゼルのD3Tクラスには「ジャガーXF-S」が参戦しており、「BMW 135D GTR」「BMW 335d」を抑えてクラス優勝を獲得した。
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欧州車のみならず、韓国車もエントリー。ヒュンダイの「ジェネシスクーペ」がSP8クラスに参戦した。とはいえ、抜群の運動性能を誇るライバル車を前に、クラス5位で今大会を終えることとなった。
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最新スポーツカーのみならず、ニュル24時間では往年の名車も最前線で活躍している。写真の「オペル・マンタ」はその代表モデルで、大会の名物マシンとして定着。今大会では熾烈(しれつ)なポジション争いを演じた末に、ライバル車両を抑えてクラス3位を獲得した。
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今大会には日本からも数多くのチームがエントリー。話題のモデル投入しているのだが、そのなかで最も注目を集めていたのが、トヨタのFRスポーツ「86」だ。トヨタの開発スタッフを中心とする「GAZOO Racing」が2台の「86」を投入し、166号車がSP3クラスで初優勝を獲得。165号車も5位完走を果たすなど、デビュー戦から抜群のパフォーマンスを披露した。
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「日産GT-R」も2台が参戦した。台数としては少ないが、123号車がSP8Tクラスで勝利を飾ったほか、駆動系のトラブルが頻発した23号車も2位で完走。1-2フィニッシュを達成した。
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2011年の大会でSP3Tクラスを制した「スバル・インプレッサ」がディフェンディングにチャレンジ。STIは今年、ハイパフォーマンスモデル「インプレッサS206」ベースのマシンを投入した。ラップタイムを12秒も短縮するなど、予選から抜群の速さを披露。決勝では終盤でオイル漏れのトラブルが発生したものの、余裕の走りで逃げ切り、大会2連覇を達成した。
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2台の「トヨタ86」を投入し、SP3クラスで1-5フィニッシュを達成したGAZOO Racingは、今年も、熟成を重ねた「レクサスLFA」をSP8クラスに投入。後続を10ラップも引き離す圧倒的な速さを披露し、クラス優勝を果たした。
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最高峰のSP9GT3クラスはニュル24時間レースの最激戦区で、「アウディR8」や「メルセデス・ベンツSLS AMG」「ポルシェ911」「アストン・マーティン ヴァンテージ」「マクラーレンMP4-12C」のほか、「シボレー・コルベット」や「フォードGT3」などさまざまなマシンが集結。ちなみに、写真のコルベットはフォードGT3とともにリタイアに終わっている。
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ニュル24時間レースでは、クラッシュやトラブルで自走困難になったマシンをけん引車やクレーン車が回収する。レースを止めることのない、スムーズな事故処理が行われている。
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いまや年に一度の祭典として定着した、ニュルブルクリンク24時間耐久レース。広くヨーロッパ各地から会場に集まった2012年度のギャラリーは、223万5000人にのぼった。コースサイドはキャンプ場になっており、観客は、手作りの小屋ややぐらからレースを満喫している。
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バーベキューをしながら、ナイトセッションを観戦! これがニュル24時間の楽しみ方だ。当然のように、テントの周辺には大量のビール瓶が山積み状態……まさに日本でいえば“花見”のような感覚で、なかなかイイ雰囲気だ。
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ワークス活動こそ行っていないものの、年に一度のビッグイベントだけあって、アウディやBMWなど各メーカーは巨大ホスピタリティーを設置。カスタマーやスポンサーの対応にあたっていた。