「浅間ヒルクライム2014」の会場から
2014.06.20 画像・写真2014年6月14日、15日の2日間、長野県小諸市の高峰高原周辺で「浅間ヒルクライム2014」が開かれた。一昨年、昨年に続いて3回目の開催となるが、今回は当初からの念願だった一般公道を完全封鎖してのヒルクライム走行が実現した。コースは浅間登山口から標高2000mの地点にあるスキー場、アサマ2000パーク付近に至るチェリーパークラインの約7kmの区間である。地域住民、自治体や警察など各方面の理解を得るための、主催者の地道な努力が実った結果だが、これによって過去2回の開催ではアサマ2000パークの敷地内しか走ることができなかった競技専用車など登録ナンバーのない車両も、ヒルクライムに参加することが可能となった。エントリー車両は四輪・二輪合わせて約80台で、往年のレーシングスポーツからスポンサーであるインポーター/ディーラーが用意した最新のスーパーカーまで、バラエティーに富んでいた。操る人間のほうも、レーシングスーツにヘルメット着用の本格派から、Tシャツでドライブ気分のペアまでさまざま。公道を封鎖したとはいえ、浅間ヒルクライムは競技ではなく、年代の異なる多様なモデルが新緑の浅間山麓を走る“デモンストレーション走行”だとする主催者からすれば、むしろそれは好ましいことなのかもしれない。ともあれ2日間で3本のヒルクライム走行が、まったくアクシデントなく終わったことは、今後も継続開催していくための最大の収穫だったのではないだろうか。過去2回の開催はいずれも雨や霧にたたられたが、今回は2日間とも梅雨の晴れ間にあたり好天に恵まれた会場から、出走したマシンを紹介しよう。(文と写真=沼田 亨)

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メイン会場はヒルクライムのゴール地点近くの、標高2000m地点にあるスキー場「アサマ2000パーク」。パドックとなっている駐車場に並んだエントリー車両の一部。
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車高の低さが印象的な1964年「ロータス23B」。63年に開かれた第1回日本グランプリで、何倍も大きなエンジンを積むフェラーリやアストン・マーティンなどの市販スポーツカーを抑えて1~3位を独占、日本人を驚かせたミドシップのレーシングスポーツ。
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低くフラットなハードトップがレーシング仕様の証しである1967年「ホンダS800」。フェンダーとホイール/タイヤのツライチ具合も絶妙だ。
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1977年「アルピーヌA110 1600SX」。62年に誕生したA110の、76年に登場した最終型で、「ルノー16TX」用の1647ccエンジンを積む。
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この状況をもっとも得意とするであろう一台だった、生来のロードゴーイング・レーシングカーである「ラディカルSR4」。
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アストン・マーティンの正規ディーラーであるアトランティックカーズがエントリーした2006年「アストン・マーティンV8ヴァンテージ・クーペ」。タイヤスモークをあげながら豪快な走りを見せた。
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コ・ドライバーを乗せて、ヒルクライムというよりミッレミリアなどの公道を使った往年のロードレースという雰囲気の1956年「ジャガーXK140」。渋いカラーリングがキマっている。
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SNAKE MOTORSが「C6コルベット」をベースにワンオフ製作したという「196RS」。イメージは往年のメルセデスのF1マシン「W196 タイプ・レイムス」だろう。
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センスよくモディファイされた1973年「アルファ・ロメオ・アルフェッタ・ベルリーナ」。エントリー車中、数少ない“ハコ”だった。
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2014年「アバルト500R3Tラリー」。1.4リッター・ターボエンジンに6段シーケンシャル・ギアボックスを備えた市販競技車両。
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キヤノンカラーにレッド5という、ナイジェル・マンセルのウィリアムズ・ホンダを模したカラーリングの1996年「ウエスト956」。 1.8リッター直4エンジンを積んだF1ならぬF4マシンである。
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1986年「ポルシェ911カレラ」。大型のエアダムスカートとリアスポイラーで武装したワイドボディーはマット仕上げで迫力たっぷり。
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なかなかクールにモディファイされた1967年「アルファ・ロメオ1600スパイダー・デュエット」。
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正規ディーラーのマクラーレン東京がエントリーした2014年「マクラーレン650Sスパイダー」。走る姿を初めて見た。
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パッセンジャーの体重移動でマシンバランスをコントロールするサイドカー・レーサーが4台参加していた。聞けば年間4、5戦のシリーズが組まれているとのこと。
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1967年シーズンを戦ったフェラーリのプロトタイプレーシング、「330P4」のレプリカである89年「ノーブルP4」。まるで写真で見た、往時のタルガ・フローリオのような光景だ。
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ヘアピンをタイヤスモークを上げながらまわっていく1966年「トライアンフTR4A」。撮影したレンズのせいか、かなりロングノーズに見える。
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ブレーキパーツメーカーのENDLESSがエントリーした型式名S30こと初代「フェアレディZ」。左ハンドルだったから正式には「ダットサン240Z」か。「260Z」ないし「280Z」かも。
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前出のZよりもさらに長いノーズを持つ1965年「ジャガーEタイプクーペ・シリーズ1」。こうしたタイトコーナーはキビしそうだ。
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スーパーバイク「スズキGSX1300R隼」の1.3リッター直4エンジンを搭載した、ワンメイクレース用の単座マシンである「フォーミュラ・スズキ隼」。これを含め3台が参加していた。
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ロスマンズ・カラーに塗られ、大胆にモディファイされた1974年「フォルクスワーゲン・シロッコ」。内側後輪は完全に浮いている。
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型式名SR311こと1967年「ダットサン・フェアレディ2000」。長年にわたってクラシックカーレースを戦っているマシンだ。
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1973年「アストン・マーティンV8」。67年にデビューした直6エンジン搭載のDBSの発展型として72年に登場、89年まで作られた息の長いモデル。
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どう考えてもヒルクライム向きではない、視界が悪く、大柄な車体をねじふせるようにして登っていく1988年「ランボルギーニ・カウンタック・アニバーサリー」。
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レーシングサイドカーのコーナリング風景。パッセンジャーは時にイン側の路面で顔面をこすりそうなほど体を乗り出してコーナーをクリアしていく。
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「フィアット600」をベースにダブルバブルのルーフが特徴的なザガート製アルミボディーを架装した、1959年「フィアット・アバルト750GTザガート」。
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1962年「ポルシェ356B 1600スーパー」。ドライブしているのは、こうしたイベントに積極的に参加しているモータージャーナリストの吉田 匠氏。
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1960年「オースチン・ヒーレー・スプライト・アシュレーGT」。通称カニ目と呼ばれるオープンのライトウェイトスポーツが、アシュレー製ボディーキットを装着してクローズドクーペに変身している。
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オーバーフェンダーを装着するなど、往年のレース仕様風に仕立てた型式名KP61こと2代目「トヨタ・スターレット」。やる気モード満点だが、実はオフィシャルカーなのである。
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エキシビション走行を披露したHRC(ホンダ・レーシング)の「ホンダRC213V」。四輪のF1に相当する二輪レースの最高峰であるMotoGP用マシンで、操るのは24歳の若さながら鈴鹿8耐で2度の優勝歴を持つ高橋 巧選手。
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