「全日本模型ホビーショー」の会場から
2014.09.29 画像・写真2014年9月26日(金)~28日(日)、日本プラモデル工業協同組合主催の「全日本模型ホビーショー」が東京ビッグサイトで開かれた。これは春の「静岡ホビーショー」と並ぶ模型ファンにはおなじみの秋の恒例イベントであり、昨年までは幕張メッセで開催されていた。というと単に会場を移転しただけのようだが、実はそうではなく、昨年は一部のメーカーが出展を中止し、新たに日本ラジコン模型工業会主催の「東京ホビーショー」を東京ビッグサイトで実施するという動きがあったのだ。業界の事情など知らぬファンにとってはあまりありがたくない、ちょっとした分裂騒ぎだったが、今年は元の鞘(さや)に収まったかたちで、会場を東京ビッグサイトに移して開催されたというわけなのである。そんな会場からリポーターの印象に残ったモデルカーを、新製品を中心に紹介しよう。(文と写真=沼田 亨)

今回、モデルカー最大の話題がハセガワの新作である、通称サニトラこと1/24「日産サニー・トラック ロングボデー・デラックス」。中期型(1984年)のロングボディーをモデル化したもので、プロポーションは文句なし。発売は11月で、価格は3200円(以下、価格表示はすべて税抜き)。
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今回、モデルカー最大の話題がハセガワの新作である、通称サニトラこと1/24「日産サニー・トラック ロングボデー・デラックス」。中期型(1984年)のロングボディーをモデル化したもので、プロポーションは文句なし。発売は11月で、価格は3200円(以下、価格表示はすべて税抜き)。
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ボンネットやドアは非開閉式のプロポーションモデルだが、シャシー下面のモールドはご覧のように精巧。ホイールは純正スチールと8本スポークのアルミの2種類が同梱(どうこん)されており、車高もノーマルとローダウンが組み立て時に選択可能。
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リーフスプリングやデフホーシング、スペアタイヤなどの表現もバッチリで、トラック用タイヤの筋彫りもすばらしい。荷崩れ防止のロープを掛ける荷台のフックも、最先端の成形技術によって見事に再現されている。
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昨年発売した1/24「430セドリック・セダン」が好評を博したアオシマは、そのバリエーションとして、刑事ドラマ『西部警察』シリーズの劇用車を新たに2種モデル化。これは「パトロールカー」だが、ホンモノの警察車両とは異なり上位グレードの「GL」をベースにしていること、新金型によるエンケイのディッシュ(アルミホイール)を履いていることがポイント。
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もう一台の「捜査用パトロールカー」は、エンケイのバハを履いている。12月発売予定で価格は3800円。
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アオシマからは映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』3部作の1/24「デロリアン」も登場。手前からパート3、パート2、パート1で、価格はパート1と2が2600円、鉄道版にもできるコンバーチブルキットのパート3が2800円。いずれも12月発売予定。
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タミヤの1/35ミリタリーミニチュアシリーズに新たに加えられた「トヨタAB型フェートン」。トヨタ初の乗用車である「AA型」をオープン化したもので、陸軍に納入された仕様をモデル化。塗色はカーキ色である。9月発売で価格は2400円。
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ほろは上げた状態と下ろした状態が選択可能。これは下ろした状態だが、畳み皺(じわ)がリアルだ。1/35とはいえ室内はシフトレバーやABCペダルまで別パーツで、計器類もデカールで表現されている。日本兵のフィギュア付き。
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タミヤの1/24「スバルBRZストリートカスタム」。販売中のBRZにSTIがリリースしているオプションパーツを加えたもの。11月発売で価格は3600円。
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組み上げた状態の1/24「スバルBRZストリートカスタム」。ストライプもキットに含まれる。
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タミヤ1/12「ロータス49」。ホンダF1に続くビッグスケールシリーズ第2弾として1968年に初版がリリースされた名作キットだが、金属製エアファンネルやエッチングパーツを加えて何度目かの再販となった。11月発売で、1万1800円という価格は初版のほぼ10倍。
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タミヤ1/24マスターワークコレクション(完成品)の「ラ・フェラーリ」。ボディーカラーは写真のホワイト(10月発売)とブラック(11月発売)の2種類で、価格は1万7800円。
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ミニカー専門メーカーとしてスタートしたが、2012年にプラモ市場にも進出したエブロ。今年発売され、初の量産車のモデル化ということで話題を呼んだ「ルノー4L」のバリエーションとして、「4GTL」へのコンバージョンパーツ、キャンバストップでないメタルトップ仕様のボディー、およびパリダカ仕様のデカールが追加された。
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マニアックなモデルのミニカーを続々とリリースしているトミカヴィンテージリミテッド/トミカヴィンテージリミテッドNEOは、今回も多くの新製品を展示。これは昨年の東京モーターショーでデビューした「日産IDx NISMO」の、今年の北米デトロイトショー出品車(東京仕様とはマスクが異なる)を1/64スケールでモデル化したもの。12月発売予定で価格は2500円。いわばノーマル仕様の「IDx FREEFLOW」もあり、そちらは2300円。
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ハイソカーブームを代表するモデルである「クリスタルピラーのマークII」こと1984年式、型式名GX71の1/64「トヨタ・マークIIハードトップ・グランデ」。ベージュとゴールドの2トーンもあり、10月発売予定で価格は1700円。
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初代観音開きクラウンの初期型も登場した。12月に「トヨペット・クラウン(RS)」、2015年1月に「トヨペット・クラウン・デラックス(RSD)」が発売予定で、価格はRSが1700円、RSDが1800円。写真はRSDのバリエーションである「豪州一周ラリー仕様」で、2015年3月発売予定(価格未定)とのこと。1/64スケールにもかかわらず、デカールによる細かな文字の表現は確かで、印刷技術の向上には目を見張る。ちなみに奥もRSDがベースの左ハンドルの輸出仕様である「RSL」で、こちらも3月発売予定(1800円)。
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発売中の「ダットサン1200トラック(320)」のバリエーションである「ヤマシン醤油」仕様。愛知県のヤマシン醸造という醤油メーカーが実際に使っていた車両をモデル化したもので、2015年3月発売予定。価格は1700円。
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1/64「ダイハツ・デルタワイド・ワゴン」。「トヨタ・タウンエース・ワゴン」のOEMであるダイハツ版。11月発売予定で価格は1700円。本家のタウンエース・ワゴンは、なぜか遅れて2015年2月発売予定。
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トミカヴィンテージリミテッドNEOから発売中の1/43「日産セドリック/グロリア(230)」のバリエーションである「セドリック日本交通タクシー」。2015年1月発売予定で価格は7400円。
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これまで日本車のみだった「大人のチョロQ」を標榜(ひょうぼう)するチョロQ ZEROに輸入車が登場。フィアット/アルファ・ロメオ/ランチアの版権許諾が得られたそうで、まずは「フィアット500F」「フィアット500C」「アルファ・ロメオ・ジュリアスーパー」「ランチア・ストラトス」の4台をモデル化。
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ミニカーショップであるメイクアップのオリジナルブランド、アイドロンから早くも登場した1/18「ランボルギーニ・ウラカンLP610-4」。レジン製で2014年末発売予定。価格未定。
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同じくアイドロンから発売中の「アルファ・ロメオ・ティーポ33ストラダーレ プロトタイプ・トリノショー1967」。レジン製1/43スケールで、プロポーション、ディテールともにすばらしい出来栄えだが、それだけにお値段も2万6000円と立派。
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ポルトガルのミニカーメーカーであるイクソの1/43「スバル・ヴィヴィオRX-R 1999年モンテカルロラリー」。なぜこんなマニアックなモデルを海外メーカーが?と思ったら、販売元の老舗輸入商社である国際貿易がオーダーしたものとのこと。かなり精密な作りで、価格は5300円。
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同じく国際貿易のブースに並べられていた、フランスはオットーモビルの1/18「ルノー20TX」。こうした地味なクルマがモデル化されているのは喜ばしい限り。レジン製で価格は1万3500円。
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ホビーショップの老舗であるポストホビーの高級ミニカーブランド、マークの1/18「NISMO R34GT-R Z-tune」。レジン製、発売中で価格は3万8000円。
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同じくマークの1/43「トヨタ2000GT」。試作品とのことだが、レジン製ならではのシャープな仕上がりだ。11月発売予定で価格は7800円。
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ハンドメイドミニチュアカーをうたうハイ・ストーリーのレジン製1/43「トヨタ・カリーナ・ハードトップ2000GT」。初代カリーナ・ハードトップとは、かなりマニアックな車種選択だ。10月発売予定で価格は8200円。
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同じくハイ・ストーリーの1/43「マツダ・センティア・エクスクルーシブ(1991)」。もう一台「ホンダ・アコード・ユーロR(2000)」も並べられていたが、昔ならモデル化などとても望めなかった車種であろう。いずれも10月発売予定で価格は7800円。
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通好みなモデルのボディーを多数リリースしている、ラジコンパーツブランドであるABCホビーの「ホンダ・バラードスポーツCR-X」(初代CR-X)、「ホンダCR-X」(2代目CR-X)、そして「ホンダCR-Z」。3台並んでいるのを感心して眺めていたら、それぞれの無限バージョンも展示されていた!
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同じくABCホビーの「日産スカイライン・ハードトップ2000GT-R」の街道レーサー仕様。ベースがGT-Rのボディーというわけだが、実車だったらさすがにホンモノのGT-Rをツリ目には改造しないと思う。(笑)