クラシックカーイベント「熱海HISTORICA G.P.」の会場から
2015.10.06 画像・写真2015年10月3日、4日の2日間、静岡県熱海市の長浜海浜公園をメイン会場として、「熱海HISTORICA G.P.」が開かれた。これは今回で4回目となるクラシックカーイベントで、参加資格は1990年までに製造された国内外の車両。ほかに“Aから始まる熱海”にちなんで、ブランドがAに始まるアルファ・ロメオ、アストンマーティン、アバルト、それに今回のフィーチャーメイクとなったマセラティには、年式を問わず参加資格が与えられた。青い空と海が間近に迫る会場の、緑の芝の上に並んだ、それらの規定に沿った参加車両は全部で259台。プログラムは車両展示のほか、熱海市内のショートツーリング、そして2日目の早朝に実施される、近隣の山の斜面に作られたアカオハーブ&ローズガーデン内の特設コースにおけるヒルクライムなど。初回からの恒例となっているこれらに加えて、今回は伊豆半島を巡る全行程137kmのタイムラリーも初開催された。このイベントは初回から好天続きだが、今回も絶好のイベント日和に恵まれ賑(にぎ)わった会場から、リポーターの印象に残った車両とシーンを紹介しよう。(文と写真=沼田 亨)

青い空と海、緑の芝の上に色とりどりの旧車。このイベント最大の魅力がこのロケーションである。
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青い空と海、緑の芝の上に色とりどりの旧車。このイベント最大の魅力がこのロケーションである。
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会場入りする車両。1970年「280SEクーペ」を先頭に70年「300SEL」、77年「450SLC」とメルセデス・ベンツが3台続いている。
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左端の1967年「日産シルビア」をはじめ、「ホンダS600」「ダットサン・フェアレディ1500」「プリンス・スカイライン2000GT-B」「日野コンテッサ1300クーペ」と、60年代の国産スポーツ&スポーティーカーが並んだ一角。
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今回のフィーチャーメイクだった新旧マセラティ。手前は「ボーラ」と基本的に同じボディーに、マセラティが「シトロエンSM」のために開発したV6 DOHC 3リッターエンジンをミドシップした1975年「メラクSS」。
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参加したマセラティの中で最も古かった1962年「3500GTIクーペ」。マセラティ初の本格的な量産モデルで、カロッツェリア・トゥーリング製の2+2ボディーに3.5リッター直6 DOHCエンジンを積む。
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1976年「トヨタ・セリカ・リフトバック2000GT」。初代セリカに途中から加わったリフトバックの最高級グレードの、衝撃吸収バンパーを備えた排ガス対策実施後のモデル。
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1972年「ボルボ1800ES」。60年に登場した2ドアクーペである「P1800」のルーフを延ばし、ガラス製のテールゲートを加えた、スポーツワゴンのはしりとなる一台。
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1969年「いすゞ・ベレット1600GTファーストバック」。ベレGと俗称されるベレットGTのルーフをファストバックに改めたモデル。
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“Le TOUR De IZU”とタイトルされた全行程137kmのタイムラリーには23台が参加。スタートしていくのは1964年「ジャガーMk2」。
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長浜海浜公園内にあるタイムラリーの最初の計測ポイントを通過する1961年「アルファ・ロメオ2000スパイダー」。
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ショートツーリング“熱海G.P. RUN”に向けて会場内の周回路を行く1963年「アストンマーティンDB4ヴァンテージ」。
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1969年「BMW 2000CS」。ボートのような形状のノーズが特徴的な、後の「6シリーズ」のルーツとなるモデルである。
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傾き始めた日を浴びて輝くシャンパンゴールドのボディーが美しい、1964年「アルファ・ロメオ・ジュリア・スプリント・スペチアーレ」。
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1974年「デ・トマゾ・パンテーラGTS」。フォードV8をミドシップしたイタリアン・アメリカン・スーパースポーツ。
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1984年「ランチア・モンテカルロSr2」に75年「マセラティ・メラクSS」が続く。前者はピニンファリーナ、後者はジウジアーロの作だが、ほぼ同時代のイタリアン・ミドシップスポーツとあって雰囲気は似ている。
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午前5時30分、朝焼けの中に集った“Red Tail Hill Challenger's Cup”と題されたヒルクライムの参戦車両。競技方法は絶対的なタイムではなく、2回タイムアタックして、2本のタイム差の少なさを競う。
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1本目と2本目のタイム差が、1位から7位まで1秒以内という大接戦を制した1972年「アルファ・ロメオ2000GTV」。2本のタイム差はわずか0.110秒だった。
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往年のラリー仕様風に仕立てられた1967年「BMW 1600TI」。後に2リッターエンジンを積んだ「2002」に発展するが、当初はこの1.6リッター搭載モデルのみだった。
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ボディー同色のハードトップとレーシングストライプでキメた1967年「MGB」。タイム差0.190秒で3位。
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1974年「フィアット・アバルト124ラリー」。タイム差0.640秒で6位。
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鋼管スペースフレームにアルミボディーをかぶせたレーシングスポーツの1959年「エルバMk5」も参戦。
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参戦した唯一の日本車だった1977年「日産フェアレディZ」。タイム差1秒230で10位。
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1979年「フィアットX1/9プロトティーポ仕様」。タイム差1秒600で13位。
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1986年「ランボルギーニ・カウンタック5000QV」も12気筒の快音を響かせて走った。
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ヒルクライムに参戦した26台。最前列中央の1965年「トライアンフTR4A」は、タイム差0.120秒で2位だった。