2011 第51回全日本模型ホビーショー
2011.10.14 画像・写真毎年恒例の模型ファン待望のイベント「全日本模型ホビーショー」が、2011年10月13日に千葉・幕張メッセで幕を開けた。ショー全体としては、50回目の節目だった前回よりやや縮小気味のようにも感じられたが、モデルカーに関しては、あいかわらずこれでもかとばかりにマニアックな製品が会場のそこかしこに見受けられた。そのなかから、プラモデルとミニカーの新製品を中心に、リポーターの印象に残ったモデルを紹介しよう。なお、一般公開は10月15日(土)と16日(日)で、開催時間は9:30〜17:00(16日は16:30)。会場は幕張メッセの9ホールで、入場料は1000円(中学生以下無料)。(文と写真=沼田 亨)

「大人向けのチョロQ」とうたった「トミーテック」の新製品である「チョロQ zero」。第一弾は左上から時計回りに「トミカスカイライン・シルエット」、「トヨタ・ソアラ2800GT」、「ホンダ・シティR」、「日産キャラバン」の4種類で、「シティ」は「モトコンポ」付き。価格は1155円〜1680円。
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「大人向けのチョロQ」とうたった「トミーテック」の新製品である「チョロQ zero」。第一弾は左上から時計回りに「トミカスカイライン・シルエット」、「トヨタ・ソアラ2800GT」、「ホンダ・シティR」、「日産キャラバン」の4種類で、「シティ」は「モトコンポ」付き。価格は1155円〜1680円。
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国産旧車を中心にリリースしている「トミーテック」の「トミカリミテッドヴィンテージ」の新製品より。上左は初代「いすゞエルフ」のコカ・コーラ配送トラックを模した「ルートカー」、上右は「日産シビリアン幼稚園バス」、下左は3代目「トヨペット・クラウン」の「スタンダード」と「パトカー」で、ここまではトミカと同じ1/64スケール。下右の「日産エルグランド」をベースにした「日産パラメディック高規格救急車」は1/43スケール。
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創業以来、ハイペースの製品開発を続けるミニカーメーカーの「エブロ」から、またまた魅力的な新製品が。これは1/43「日野サムライ」。アメリカ人のレーシングカーデザイナー ピート・ブロックが手がけた、当時としてはきわめて空力的に洗練されたボディーに、「日野コンテッサ1300」用をチューンしたエンジンをミドシップ。1967年の第4回日本グランプリに、三船敏郎がチーム監督を務めた「チーム・サムライ」からエントリーしたものの、車検不合格で出走できなかった幻のマシンである。
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これも「エブロ」の、超マニアックな新製品。正体は「ホンダS800」のシャシーに工業デザイナーの濱 素紀氏の手になるFRPボディーをかぶせたスペシャル「コニリオ」で、1969年の日本グランプリに「デイ&ナイトSPL」の名で出走。5〜6リッター級のビッグマシンが激突したレースで、見事クラス優勝を果たした。ちなみにステアリングを握っていたのは、現八王子市長の黒須隆一氏である。
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これまた「エブロ」から、「日産フェアレディ240ZG GC 1972 No.10」。2座席のレーシングスポーツが主流だった初期の「グラチャン」こと「富士グランチャンピオンレース」で、本来なら圧倒的に不利な市販スポーツカーの改造車ながら、1972年に2戦続けて雨中のレースを制したことで、「雨の柳田」「Zの柳田」の異名をとった柳田春人のマシン。以後も「Z使い」として活躍した彼の長男が、SUPER GT(GT500クラス)のドライバー柳田真孝である。
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レーシングカーやスポーツカーのみならず、こうした渋い製品も得意とする「エブロ」。左上から時計回りに「トラックの国民車」と呼ばれた初代「トヨエース」、2代目「トヨエース」、同「トヨエース・バン」、型式名「520」と呼ばれる「ダットサン・トラック」という、1950〜60年代の商用車のベストセラーをそろって発表。どれもいい雰囲気で、全部欲しい!
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昔からストリート系を得意とする「アオシマ」の1/24「もっとグラチャン」シリーズの新製品。つり上がった角目4灯の「新規顔面パーツ」などを追加した「330グロリアスペシャル」である。付属のホイール&タイヤは「シャドー&ちょいひっぱりタイヤ」だが、「ハヤシ」または「シャドー」のホイールに「ひっぱりタイヤ」を履かせたマル改(オプション)パーツ(右上)も用意している。さすがアオシマ、ブレない。価格は3150円。
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これは驚いた。「アオシマ」の1/32「特殊荷役」シリーズの「ターレー やっちゃば仕様」。築地などの市場で活躍している「ターレットトラック」のモデルである。写真右上のような、これもアオシマの独壇場である大型トラック・モデルのアクセサリーとして登場したそうで、ほかにフォークリフトもある。ターレー2台に台車やパレットなどのアクセサリー込みで2940円と、なかなか立派な値段である。
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派手なものならまかせろ! といったところか、これも「アオシマ」の1/24「ランボルギーニ・カウンタックLP400」。ファンからの要望が多かったというロゴ付きのフロアマット、リアルな質感のメタル製マフラー、エッチング製のディスプレイ用プレートを備えての再登場である。価格は4410円。
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ランボでも最新モデルの「アヴェンタドール」を、「フジミ」が早くも1/24スケールでモデル化。今回は試作品での展示だったが、発売予定は12月とのこと。価格は5000円。このほか新作としては、昨2010年シーズンのフェラーリF1「F10 日本GP」が展示されていた。
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昨年、1/12のオートバイシリーズをスタートした「ハセガワ」。2009年にMotoGP 250ccクラスの最後の王者に輝いた青山博一(ひろし)の「スコットレーシング ホンダRS250RW」に続く新作は、2003年の鈴鹿に散った加藤大治郎が、2001年に自身最初で最後となってしまった世界王者を獲得したマシンである「チーム テレフォニカ モビスター ホンダ NSR250」。価格は3990円。
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ミニカーの輸入販売・製造の老舗である「国際貿易」のブースで見かけた、気になる1/43ミニカーの新製品4点。左上から時計回りに「ルミノ」の「いすゞジェミニ・イルムシャー・ターボ」。「イクソ」の「トヨタ・スターレット1200SR ストリートレーサー」。当時の走り屋仕様らしく、ちゃんと「トムス」の通称「井ゲタ」ホイールを履いているところが憎い。このほかノーマル仕様の「1200ST」もある。そして「ビザール」からは、南アフリカまで遠征したときの仕様という、なんともマニアックな「マツダ・サバンナRX3 1972年キャラミ」。最後は「レーヴコレクション」の「トヨタ・セリカ1600GT 1972年日本グランプリ」。「トムス」代表の舘 信秀氏が同レースで優勝したマシンをモデル化したものである。
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これも「国際貿易」のブースに並んでいた「スパーク」の1/43「ザウバーC30 2011年モナコGP No.16」。小林可夢偉が、F1におけるこれまでの自己最上位であり、日本人ドライバーのモナコ最上位である5位入賞を果たした、今年のモナコGPの出走車両をモデル化。ほかに2011年中国GP仕様も並んでいた。
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「京商」は1/43スケールのスロットカーシリーズ「Dslot43」を発表。日本ではポピュラーではないものの、スケール自体は昔からあったそうだが、「京商」では新たにさまざまなオプションパーツを使ってチューニングが可能なマシンを開発。第1弾のバリエーションは「アウディR8」、「ランボルギーニ・ムルシエラゴLP640」などの市販スポーツカー、および「マツダ787B」、「ポルシェ917K」などのレーシングスポーツがそろっている。
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「京商」からリリースされた、1/12というビッグスケールのダイキャスト製「ランボルギーニ・ミウラP400SV」。全長35cm以上という大きさで、精密さはもちろん迫力もたっぷり。5万4600円という、こちらも立派な値段で2012年3月発売予定。
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1976年、77年に富士スピードウェイで開かれた「F1世界選手権イン・ジャパン」(なぜか「日本グランプリ」ではなかった)に参戦した、「コジマエンジニアリング」製の純国産F1マシン。そのうち77年に星野一義と高原敬武が乗った「KE009」を「京商」が1/43でモデル化。ご覧のとおり試作品で、発売時期、価格ともに未定。
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ラジコンパーツメーカーの「ABCホビー」のブース。新製品である「トヨタ・スプリンター・トレノ」、「日産フェアレディ240Zモンテカルロ仕様」、「ダットサン・ブルーバード1600SSSサファリ仕様」をはじめ、ライトを光らせた魅力的な旧車のボディーが並んでいる。ただし市販品はクリアボディーなので自ら塗装して仕上げなければならず、ライトユニットも別売である。念のため。
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業界の盟主である「タミヤ」。今回のショーでは、クルマ&バイクのプラモデルに関しては、新金型を用いた完全な新製品はなし。これはスポット生産(再生産)された1/20「ポルシェ928S」。V8エンジンやトランスアクスルのレイアウトも精密に再現されている。価格は3360円。
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「タミヤ」の「マスターワークコレクション」(完成品)シリーズの新製品より、1987年シーズンを戦った「ロータス99Tホンダ」。1/20スケールで、手前のナンバー11が中嶋悟、ナンバー12がアイルトン・セナ仕様。価格は1万5540円。
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今回のショーでいちばんの驚きが、「タミヤ」のブースに展開されていた「デコレーションシリーズ」のコーナー。ここを訪れて初めて知ったことだが、粘土などの素材からホンモノそっくりのお菓子を作り上げる「スイーツデコレーション」なるホビーが、現在、若い女性を中心に人気が高まっているそうだ。タミヤの「デコレーションシリーズ」は、その製作に欠かせない着色料やツール類をそろえた、国内では唯一のラインナップなのだとか。製作体験コーナーまで用意する力の入れかただった。