「K4-GP 富士1000km耐久」参戦マシン(前編)
2017.08.24 画像・写真2017年8月12日、静岡県小山町の富士スピードウェイで、お盆の恒例となった「K4-GP 富士1000km耐久」が開かれた。「K4-GP」とは、「あまりお金をかけずに、みんなで楽しめるモータースポーツ」をコンセプトに、2001年に始まった軽自動車を中心とする耐久レース。近年では毎年2月に7時間耐久、8月に500km耐久と1000km耐久が富士スピードウェイで開催されている。参加資格は基本的に軽自動車および軽規格のエンジンを使ったマシンで、参加車両はGP-1(AT限定)、GP-2(排気量850cc未満)、GP-3(850cc以上)、GP-4(レース専用のR車両、850cc未満)、GP-5(R車両、850cc以上および特認エンジン)の5クラスに分けられる。いずれも過給係数は1.5で、660ccターボは990cc換算となる。そして燃費制限があるのが特徴で、1000km耐久の場合、使用可能な燃料量はGP-1が100リッター、GP-2が80リッター、GP-3が90リッター、GP-4が75リッター、GP-5が85リッターに限られる。最少の75リッターで1000kmを走りきろうとすると、リッターあたり13km以上をキープしなければならない。軽が主体のため敷居が低く、また往年のレーシングマシンのレプリカなどユニークな車両が数多く参加するため、楽しく、和やかな雰囲気ではあるが、勝つためには高度な戦略と技量が必要とされる、とても知的なレースでもあるというわけだ。今回は133台が出走したサーキットから、印象に残ったシーンとマシンを、レースの進行に沿って紹介していこう。(文と写真=沼田 亨)
→「K4-GP 富士1000km耐久」参戦マシン(後編)につづく
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1/28午前7時30分、エントリー車両がグリッドに着いたときには、小雨が降ったりやんだりの空模様で、コースはぬれていた。周辺は靄(もや)でかすんでいる。
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2/28自前のグリッドガールを引き連れたチーム。
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3/28恒例のチームスタッフ(ドライバー含む)による仮装。毎回、はやりものが見られるが、今回目に付いたのがこれ。ホンモノよりスタイルよし。
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4/28午前8時、仮装したチームスタッフがマシンに駆け寄り、安全確認シールをはがす変則ルマン式スタートで、10時間1000kmの戦いが開幕。スタートまでに雨は上がり、路面は乾き始めている。
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5/28スタート方法はセーフティーカー先導によるローリングスタートだが、なにしろこれだけの台数。動き始めは、ほとんど真夏の海水浴場やプールのイモ洗い状態である。
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6/281周でセーフティーカー先導は終了し、グリーンライトが点灯。グリッド前方に位置していた絶対速度が速い、レース専用車であるR車両から1コーナーに向かっていく。コースに水分が残っていたため、レーシングスピードによるタイヤの摩擦で水煙が上がっている。
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7/281コーナーを抜けていく中団以降の車両。これだけの台数にもかかわらず、全車無事にスタートが切れた。グリッドに並べず、ピットレーンでスタートを待つ車両もいる。
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8/28ロスマンズカラーの「ポルシェ962C」を模した「サマンサ962C」。GP-5クラス。
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9/28妙に腰高な「ポルシェ935」風マシンは、「スズキ・カプチーノ」をベースにした「ポルチーノ#935」。GP-3クラス。
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10/28東京R&D製のレーシングカーである「カドウェル」のシャシーに、「フォードGT40」を80%縮小したボディーを載せた「IYOKAN GT35」。GP-5クラスで5位入賞。
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11/28ミドシップレーシングカーである「ザウルスジュニア」のシャシーを使った「フェラーリF70スペチアーレ」。総合15位、GP-4クラスで優勝。
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12/28「フォーミュラ・スズキKei Sport」をベースにした「イナミーティングR」。GP-5クラス。
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13/28360cc規格の初代「マツダ・キャロル」のボディーを使った「モア動物病院サマンサ キャロル」。GP-4クラス。
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14/28軽軍団になじんでいるが、よく見るとやや大きいことに気づく初代「ルノー・トゥインゴ」。GP-3クラスで、登録名は「サンク参号機ゼロ改」。
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15/28往年のカンナムマシンである「シャパラル2H」風の「2H/LM」。シャシーは「スバル・サンバー」で、つまりMRではなくRR。GP-5クラスで、カーナンバーと同じく7位。
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16/28「ザウルスジュニア」のシャシーにカンナムの覇者だった「マクラーレンM8B」風のボディーをまとった、その名も「ザウルス マクラーレンM8B」。GP-4クラスで、これまたカーナンバーと同じく4位。
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17/28フェアリングとフィンを装着した「ロータス23」風の「MAD23AT」。GP-1クラス、ということはAT仕様である。
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18/28初代「ダイハツ・コペン」をモディファイした「MORVノンターボGT3コペン」。GP-2クラス。
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19/28キャメルイエローに塗られているが、よく見るとシンボルマークはラクダではなく亀で、ロゴもGAMEL。GP-2クラスで4位に入った「チームぴかいちBKMトゥデイ」。
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20/28GP1、GP2、GP3クラスにそれぞれ1台ずつ出走した少数派の三菱車のうち、GP-2クラスの「ミニカレボリューションII号機」。
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21/28総合74位、GP-1でクラス優勝した「CASTLEワークス」。シックなカラーに塗られた2代目「スズキ・アルトワークス」である。
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22/28「ゆらたく屋モークスポーツ」。1990年代にレーシングカーデザイナーの由良拓也氏が「ミニ・モーク」をベースにデザイン、ワンメイクレースも開催されたマシンだ。GP-5クラスで10位。
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23/28ホンダアクセス モースポ部がエントリーした「S660 Moduloスポーツ」。いわばセミワークスマシン(?)である。GP-3クラス。
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24/28「ザウルスジュニア」のシャシーに、通称カニ目こと「オースチン・ヒーレー・スプライトMk1」風のボディーをかぶせた「ザウルス ヒーレースプライト」。ロードクリアランスの低さが印象的だ。GP-4クラス。
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25/28「ザウルスジュニア」のシャシーに「BMW R100」(二輪)用の空冷フラットツインエンジンを積んだ「ザウビーアルファ・BMW-R」。GP-5クラス。
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26/28オバフェンにハミ出たインタークーラー、ちょい開きのボンネットという、いにしえのレーシングマシンのような野武士系ルックスの「クリッピングポイント アルト」。GP-3クラス。
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27/28チームスバル@恵比寿がエントリーした「R2-R in Motion」。さすがにきれいな仕上がりだ。GP-2クラス。
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28/28今回の参戦車両の中で、最も背が高かった「MCPC EKカスタム」。エントラントはMCPC三菱自動車 自動車部。GP-1クラスで2位だが、出走は4台。