「第7回アメリカン・ヒストリックカーショー」の会場から
2017.11.17 画像・写真2017年11月12日、山梨県富士吉田市の富士Calm(カーム)で「第7回アメリカン・ヒストリックカーショー」が開かれた。「(カスタム系ではない)普通のアメリカ車に乗る、普通の人が気軽に参加できるイベント」をコンセプトに、2011年に始まったこのイベント。参加資格は1990年型以前のアメリカ車および同型車、そしてアメリカ製エンジンを搭載した車両で、富士山を見上げる広大な芝生広場におよそ140台が集まった。参加車両は1960~70年代のモデルが中心で、セダンやクーペ、ワゴン、バンやSUVまでバラエティーに富んでいるが、いわゆるマッスルカー、それも「モパー」と呼ばれるクライスラー系が多いのが特徴である。今回は1967年にデビューし、今年生誕50周年を迎えた「シボレー・カマロ」や「ポンティアック・ファイアーバード」などがフィーチャーカーに選ばれ、アワードも用意されていた。好天に恵まれ、ゆったりとした時が流れていた会場から、リポーターの印象に残ったモデルを紹介しよう。(文と写真=沼田 亨)
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1/30筆者がこのイベントを訪れるのは今回で5回目となるが、天気は過去最高。午前中は雲ひとつない青空に富士山が映え、神々しいほどだった。
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2/301967年「フォード・マスタング ファストバック」。1964年にハードトップとコンバーチブルの2種でデビューした初代マスタングに、1965年から加わったモデル。
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3/301964年「フォード・ファルコン」。ファルコンは初代「マスタング」のベースにもなったフォード初のコンパクトカー。この個体はハードトップをレーシングライクにモディファイしている。
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4/301969年「シボレー・カマロSS350」。「マスタング」に対抗すべく、1967年にデビューした初代カマロ。
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5/301964年「シボレー・シェビーIIノバ ワゴン」。リアエンジンの「コルベア」とは対照的にオーソドックスな設計のコンパクトカー。
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6/30ストックカー風にモディファイされた1962年シボレーの2ドアセダン。エンジンはスープアップされた427(7リッター)を積んでいる。
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7/301968年「プリムス・ロードランナー」。インターミディエート(中間サイズ)の「ベルヴェディア」をベースにしたマッスルカー。ロードランナーとは、アメリカ中南部の砂漠地帯に生息する足の速い鳥(オオミチバシリ)のことで、プリムスはそれをキャラクター化した人気アニメとタイアップしていた。
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8/301967年「ダッジ・コロネットR/T」。コロネットはインターミディエートのモデルで、現在もダッジの高性能グレードに使われている“R/T”の名称はこの年に登場した。
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9/30「ナッシュ・メトロポリタン」。1.2リッター/1.5リッター直4エンジンをはじめ、英国「オースチンA40/A50」のメカニカルコンポーネンツを流用したコンパクトカー。1954年から1962年まで作られた。
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10/30女性オーナーがさっそうと駆ってやってきた「ジープ・チェロキー」。チェロキーは1974年に「ジープ・ワゴニア」の2ドア版として登場、1977年に4ドアも加えられた。
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11/301963年「シボレー・コルベット スティングレイ」。極上のコンディションの、スプリットウィンドウを持つ「C2コルベット」の最初期型である。
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12/301955年「シボレー・コルベット」。こちらも新車のように美しい、デビュー2年後の「C1コルベット」。
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13/30デビューイヤーである1967年「シボレー・カマロRS」。ヘッドライトは当時流行のコンシールド式。フロントグリル両端が引き戸のように内側にスライドすると、ヘッドライトが現れる。
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14/301967年「ポンティアック・ファイアーバード」。「シボレー・カマロ」の兄弟車として同年にデビューした初代ファイアーバード。
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15/301980年「ポンティアック・ファイアーバード フォーミュラ」。現オーナーが2年落ちで購入以来34年乗り続けているという正規輸入車。
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16/301970年「ポンティアックGTOジャッジ」。元祖マッスルカーといわれるGTOをさらに強化するオプションパッケージが“ザ・ジャッジ”。ボディーカラーは、1970年式のGTOジャッジの専用色であるオービット・オレンジ。
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17/301968年「キャデラック・エルドラド」。前年の1967年にFFに転換した最高級パーソナルカー。472(7.7リッター)のV8エンジンを積む。
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18/30初代「フォード・マスタング」が置かれた一角。
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19/301966年「フォード・マスタング ハードトップ」。美しく仕上げられた、マスタングの基本となるハードトップ。
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20/301963年「フォード・フェアレーン」。インターミディエートのフェアレーンの、かつてアメリカ人が好きだった2ドアセダン。
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21/301978年「リンカーン・コンチネンタルMkVビル・ブラス」。ビル・ブラスとは内外装をコーディネートしたファッションデザイナーで、このほかカルティエ、ジバンシー、エミリオ・プッチが手がけたデザイナーズエディションがそろっていた。
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22/30“モパー”と通称される、「プリムス」や「ダッジ」のマッスルカー群。
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23/30反対側にもモパー、1970年代初頭の「ダッジ・チャレンジャー」と「プリムス・バラクーダ/クーダ」がズラリ。
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24/30黒ずくめでさらに迫力を増した1968年「ダッジ・チャージャーR/T」。
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25/301970年「プリムス・ロードランナー」。フロントフェンダー前端にアニメのロードランナーが描かれ、彼が走る際に巻き上げた土ぼこりがテールまで続いている。
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26/301967年「プリムス・バリアント シグネット」。プリムスのコンパクトカーだが、若葉マークを付けて参加していたオーナーは弱冠19歳! 高齢化が進んでいるクルマ趣味の世界では、実に貴重な存在である。
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27/301979年「クライスラー・ニューヨーカー」。この年にダウンサイズされたが、それでも全長5625mm、全幅1960mmというボディーに360(5.9リッター)V8エンジンを積んでいたフルサイズの最高級車。
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28/301964年にデビューした初代「シェビーバン」。1970年代の西海岸ではやったバニング風のイラストが描かれている。
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29/30「フォード・ファルコン クラブワゴン」。その名のとおりコンパクトカー、ファルコンのコンポーネンツを流用し、1961年に登場したキャブオーバー・ワゴン/バン。塗装が傷み、ところどころサビたボディーも、これはこれで悪くない雰囲気。
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30/30“アーリー・ブロンコ”と呼ばれる、1966年に登場した初代「フォード・ブロンコ」。全長3.8m少々、全幅1.7m少々というコンパクトで、愛嬌(あいきょう)のあるボディーを持つ、SUVの先駆けである。