「お台場旧車天国2017」の会場から(後編)
2017.12.01 画像・写真2017年11月19日、クラシックカーイベント「お台場旧車天国2017」が東京・お台場の特設会場にて行われた。
人気のスポーツカーなどとともに、会場には「陸上自衛隊人員輸送用車両高機動車」や「ウィリス・ジープ」などの軍用車両、「トヨタ救急車」や「3輪消防車」といった“働くクルマ”も多く並んだ。こうした車両は現役引退と同時に廃車となるケースが多く、古い車両にはめったにお目にかかれないもの。展示車両のまわりでは、子どもから大人まで、幅広い層が夢中になって楽しんでいた。後編ではそんな働くクルマや、希少な輸入車を中心に紹介する。(文と写真=大音安弘)
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1/211973年式「BMW 2000ツーリング」。「BMW 2002」のファストバック仕様で、「3シリーズTi」のご先祖さまともいえるだろう。オレンジのボディーがスポーティーさを引き立てている。
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2/21「ロータス・セブン シリーズ4」。ロータス製セブンの最終型であるシリーズ4は、FRPボディーが特徴。製造設備などセブンの生産の一式を譲り受けたケータハムモデルは、アルミボディーなど「シリーズ3」に近いデザインを採用しているため、革新的なセブンであったシリーズ4の印象が薄くなってしまった感がある。
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3/211970年式「ダッジ・チャレンジャーR/T」。チャレンジャーのトップグレード。映画『バニシング・ポイント』での活躍が有名だ。
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4/211987年式「シボレー・カマロ」。カマロとしては3代目。歴代モデルで最も直線的なスタイルを取り入れているが、最も硬派さを感じさせるところも魅力だ。
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5/21バブルの象徴のひとつでもあった“小ベンツ”こと、「メルセデス・ベンツ190E」。それをベースとしたコンプリートカーが、「メルセデス・ベンツ・ロリンザー190E 3.0」だ。190Eに、3リッターエンジンを搭載。日本にはわずか3台のみが導入されたという。
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6/211986年式「BMWアルピナB10 3.5クーペ」。世界で最も美しいクーペとたたえられた「6シリーズ クーペ」をベースに、アルピナがつくりあげたコンプリートカー。総生産台数44台のみの希少車だ。
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7/21「フェラーリ348」や「ホンダNSX」などのスーパーカーと一緒に展示されていたのが、珍しい「マクラーレン・マンタ」。レーシングカーにしか見えないのに、公道走行が可能なのは驚き。
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8/21「ロータス・ヨーロッパ」も多数展示されていた。スーパーカーブームを巻き起こした『サーキットの狼』の主人公・風吹裕也の愛車をほうふつさせるエアロが装着されていた。
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9/211958年式(昭和33年式)「ホープスターSU型」。350㏄の単気筒エンジンを搭載し、最高出力15psを発生した3輪トラック。ホープは、「スズキ・ジムニー」の前身である「ON型4WD」を開発したメーカーとして知られるが、その後自動車事業から撤退し、アミューズメント機器を作る会社に転身。一時代を築くも、残念ながら2017年に倒産。会社自体が消滅してしまった。
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10/21「プリンス・マイラー」。プリンスが製造販売していた小型トラック。初代の発売から今年で60周年を迎えた。写真は62年にデビューしたマイナーチェンジ後のモデル。2017年の旧車天国では、珍しい商用車もたくさん見られた。
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11/211957年式(昭和32年式)「NM1型消防3輪車」。現在は存在しないポンプメーカー日本造機株式会社が製造した消防車。現存するのは、この1台のみ。
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12/21懐かしの3代目「スバル・サンバー トラック」。「営農サンバー」は、農協関係で販売された専売車。モデルライフの途中では、4WDグレードも追加された。
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13/211961年式(昭和36年式)の「マツダB600」。日本で製造販売されていた「B360」のボアアップ仕様で、ミャンマーで現地生産販売されていたもの。驚くべきことに新車で日本に輸入された未登録車。タイヤも当時のミャンマー製のものだ。
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14/21つい最近まで見掛けたような気がする「トヨタ・コロナ タクシー」。1982年に登場した7代目「コロナ」をベースとするが、“意外にも”1998年まで生産されていた。
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15/211967年(昭和42年)に誕生し、今年50周年を迎えた「トヨタ・ハイエース」の初代モデル。ワゴンはヒンジ付きドアを、バンはスライドドアを採用していた。
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16/211989年に発売された4代目「トヨタ・ハイエース」は、象徴的だった高級仕様のワゴンモデルを展示。各部に専用デザインを取り入れた内外装とハイエース本来の堅牢(けんろう)な作りが支持され、高級ワンボックスの主役として活躍。これが現在の「アルファード/ヴェルファイア」の流れへとつながった。
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17/21さまざまなクルマが並ぶ旧車天国の会場でも大型車は珍しい存在。1979年式(昭和54年式)「日産シビリアン」。これが初代モデルとなる。展示車は、26人乗りのマイクロバス仕様。
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18/21「フォードGPA」はアメリカ軍の要望で開発された水陸両用車。退役後は民間にも多く払い下げられたそうで、この車両もその1台。
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19/21元祖“ジープ”である「ウィリスM38」。1951年式で、1960年に米軍から払い下げられたもの。当時から日本で使用されていたことをナンバーが物語る。
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20/21「陸上自衛隊人員輸送用車両高機動車」も展示されていた。この車両は自衛隊向けに開発製造されたものだが、これを市販化したのが「トヨタ・メガクルーザー」。個人での購入は限られていたが、JAFなどで使われているものを目にしたことがある人もいるはずだ。
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21/21翼をもがれた飛行機に見える「バルス」は、なんとバイク。日本には3台が存在するという。キャビンは、まるでジェット機のコックピット。直進安定性に優れるが、コーナリングは苦手だそうだ。